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「究極のブランディング」を読んで

「究極のブランディング 美意識と経営を融合する」を読みました。

ラグジュアリーブランディングのあり方についての本です。

日本企業が目指すべき方向性は、GAFAのようなプラットフォームで世界を制服するようなビジネスモデルではなく「美しいブランド」である、という考えに基づき、美しさとは何か、美しさに基づくブランディングについて解説されています。

非常に共感できる点が多い本だと思いました。

そもそも日本には良質で歴史もあって認知度も高い企業、商品ブランドは大企業だけでなく、地方の中小企業にもたくさん存在します。しかし、欧米の高級品ブランドのようにラグジュアリーの領域にまで押し上げられているのかというとそうでもない。どちらかというと競争に負けないように価格を下げて価値を押し下げてしまっていたような”宝の持ち腐れ”的なブランドが多くあると思います。

ラグジュアリーのマーケティングは、普通?のマーケティングとはある意味において逆張りとも言える戦略となります。誰しもに受けるものではなくて、作り手の想いとかこだわりを込めた「わかる人にはわかる」のような至極の逸品を目指します。

マーケティング・ミックスは、

「卓越した品質(こだわりの品質、物語のある製品)の製品を、高い価格(もっとも「彼らは適正価格と言います)で、限定された流通チャネルを通して、広告よりパブリシティ(メディアに取り上げられること)を重視して売る」のです。

究極のブランディング、第1章より

そして、目に見えない無形の価値を見える化することが「美意識に基づくブランディング」の決め手になるとしています。

目に見えない価値とは、ブランドの正統性と真正性、想い、情熱、こだわり、ブランドの独自性と正当性といったもに焦点を当てることになります。

次に、ブランドと顧客との接点になる店舗、従業員のあり方へのこだわりについても述べられています。

「また行きたいと」思われる店舗、「場」を提供する、「この人じゃなきゃだめだ」と思われる店員(ブランド・アンバサダー)、事実よりもずっと人の心を動かす伝説(ストーリー)など、納得させられる内容でした。

本書でも紹介されている通り日本にもラグジュアリー戦略をとっているブランドはいくつかあります。そのようなブランドの中には、広く海外でもファンを集めているものもあります。しかし、例えばLVMHのような世界の垂涎の的となるようなブランドの領域までは行き着いていないでしょう。

本書を読み、美意識に立ち返ること、そして、作り手のこだわりをストーリーとして形あるものにすることで、日本の特に地方の伝統産業のようなところにラグジュアリー化する可能性を占めたブランドが多く潜んでいるのだろうと思いました。

そういった隠れた宝物たちにブランディングの要素を少しでも吹き込めることができればなぁと思っています。

最後までお読みいただき有難うございます。


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