見出し画像

洗濯洗剤のブランド力を活かした値上げ戦略とは

洗濯洗剤のKgあたりの販売価格が5年間で34%上昇したと日経新聞が報じていました。

いろんな商品の値上がりがある中では、さもありなんと思う部分もありますが食品などとは少し手法が異なるようです。

まず価格上昇の理由としては大きく分けて2つあります。

1つ目は、石油製品のナフサをはじめとした原材料の上昇によるものです、プラスチック容器のコストから原料である界面活性剤の原料価格の上昇、円安の影響も少なからず受けるでしょう。これらは、どの商品においても共通した状況と言えます。

2つ目は、高機能による高付加価値化です。単身世帯や共働き世帯の増加によって、これまでの一般的な家庭の洗濯習慣には変化が起きています。部屋干しや消臭、タイパなど、ライフスタイルの変化に合わせた商品をバージョンアップして展開しています。

この点は、下のライオンの「NANOX」の製品展開でも明らかになっています。

製品がバージョンアップして機能が良くなることを宣伝文句として、原材料分のアップ分も上乗せするという方法で値上げを実施しているといえます。

この手法はライオンや花王のようなブランド力のある大手メーカーにとっては有効だと思います。製品の具体的なシーン毎のUSP(Unique Selling Proposition)を明確にしてコミュニケーションすれば、ニーズに沿った消費者にとってはコストアップを受け入れやすくなります。

一方で、小さいブランドについてはなかなか追随するのは難しいのではないかなと思います。バージョンアップしたとしても、なかなか訴求のために大きなプロモーションをかけることもできなし、現実的には定番商品の原料コスト分の値上げに留まるのかな、と思います。

結果、大手ブランドにとっては自社のポジショニングを価格改定とともに実現していると考えることが可能です。

値上げの仕方も商品カテゴリーやブランドによっても手法が異なってきますので、自社の価格改定に苦慮されている場合には違うカテゴリーの値上げ方法を参考にしてみると何かヒントが見つかるかもしれません。ステルス値上げなんって批判されるケースもあるので気をつけないといけないですが。。。

最後までお読みいただきありがとうございます。


#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?