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同調効果とブランディングの関係とは?-行動経済学の理解と実践7

自分の考えを周囲の人に合わせたり、周りの人と同じ行動を取ろうとすることを同調効果(同調現象)といいます。

日本人はよく同調効果の傾向を示す、と言われています。

マスクの着脱に関しての同調圧力というのもよく耳にしますね。

同調効果と類似のものにバンドワゴン効果があります。バンドワゴン効果とは、行列があるとさらに人が集まってしまったり、最初の人の意見に賛同しやすくなる傾向のことをいいます。

バンドワゴンとは、音楽隊の行進を先導する車のことで、バンドワゴンに音楽隊が続いて歩くことから、人が流行等に集まる現象のことを指しています。

行動経済学ではいろいろと用語がでてきます。細かく違いを理解しようとしてもあまり意味がないと思いますので、ここでは同調効果とバンドワゴン効果はほど同じと捉えておきたいと思います。

逆張りは同調効果の発展型

同調効果とは逆の行動を示すものとしてスノッブ効果ヴェブレン効果があります。

スノッブ効果
他人とは違うものを持つことで他の人と自分との違いを見せつけたいと思う心理のことをいいます。手に入りにくいレアものを持って自慢したいと思う人たちは多いですね。
英語のsnobには、”通ぶる人、えせインテリ”という意味があります。

ヴェブレン効果
高価なものを手にして他人に見せびらかしたい(自己顕示意欲)からおこる消費活動です。合理的には「安いものを手にしたい」と考えるはずのところが、ヴェブレン効果では値段が下がると需要も下がってしまいます。

同調効果とは真逆の行動を示すスノッブ効果もヴェブレン効果ですが、そもそもの心理的な本質は同じです。重要なのは、「周りの人はどうしているか?」です。他人の目を気にするという点では同じなのです

マーケティングへのもっとも有効な活用法とは

流行を作って同調効果を引き起こしたいと誰しも思うでしょう。

口コミやリピート率を利用して同調効果を引き起こす狙いのものはよくあります。
本の紹介などでも「Amazonの◯◯部門1位(実際は1位だったのは1日だけとか)」っていうのをよく見かけます。

でも、それだと小手先の操作で長続きはしないでしょう。

同調効果スノッブ効果、ヴェブレン効果のどちらにも期待できる方法とはなんでしょう?

それは、ファンを作ることです。

本当に良いものを作って作り手も好きになって使った人もファンになってくれること。そう考えると、同調効果はブランディングを行う上での顧客に期待する反応なのだということがわかってきます。

まとめ

同調効果とその派生形とも言えるスノッブ効果、ヴェンブレン効果について説明しました。同調効果をマーケティングで誘導しようと狙うことはおすすめ出来ません。

それよりもブランディングをしっかりと行ってファンとの関係を構築すること。それこそが、長い期間飽きられず長蛇の列を生み出す秘訣となるでしょう。

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