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「ツバキ文具店」@Audible
小川糸さんの小説に触れるのは今回が初めてです。
Audibleで聴きました。朗読が多部 未華子さんです。数年前にNHKでドラマ化された際に主人公の鳩子を演じられたそうで、イメージにぴったりだと思いました。朗読の声も小説全体の雰囲気に溶け込むようで世界の中に引き込まれました。
鳩子は鎌倉の小さな文具店で他人の依頼で手紙を書く代書屋を先代(祖母)から引き継いで営んでいます。いろんな代書の依頼を受ける中で見える人間模様や街の中の人たちとの関わりを通して、引きずっている先代との衝突における後悔に徐々に向き合っていきます。
ストーリーの全体が優しく包まれたような感じで、お隣さんのバーバラ夫人の優しさとか、つっけんどんながら見守ってくれている男爵とか、登場人物のそれぞれのキャラクターにも惹かれます。
小川糸さんってこういう小説を書く人なんだ、というのを初めて知りました。Audibleのおすすめに上がってきたので何気なく聞くことにした本作ですが、他の作品は本で読んでみようと思いました。
ドラマもキャストを見る限り面白そうなので、ぜひ見てみたいのですが、NHKオンデマンドだと有料なので、再放送してくれないもんだろうかと思っています。
また、文房具好きの私にとって、いくつか登場する万年筆やペンの話も興味深ったです。伊東屋のロメオNo.3買ってしまいそうです。
それと、今度、機会があれば鎌倉に行って舞台となった街を歩いてみたいです。
良いお話に巡り会えたと思います。