ヒトツブカンログランスタ東京店とカンロのマーケティング戦略
東京滞在の際に話題のヒトツブカンログランスタ東京店に行ってきました。
テレビで紹介された「グミッチェル」に興味があり以前から買いに行きたいと思っていました。ただし、事前に整理券を確保してからでないと入れないというのが問題です。前々日の日付が変わる午前0時に申し込みがはじまりますがほぼ1分以内にすべての時間枠が埋まってしまいます。何回かトライしてようやく先日9時30分の枠を確保することができました。
5分くらい前にお店に到着するとすでに20-30名くらいの行列ができていました。並んでいる間に、販売制限について説明書きされたものが回ってきました。それいようるグミッチェルは6個BOX(1000円)、グミッチェルプチ(1000円)、グミッチェルプチハロウィン(1000円)の3種類のうち2点まで、mofua(ふわふわ食感のマシュマロ)6個ボックス(1000円)は5点までとなっていました。
現在、品薄のため購入制限が設けられているとのことですが、いきなり全国のどこででも手に入るようになると価値は半減してしまいますし、どこまでがメーカーの戦略なのかはわかりません(ちなみに、希少性の法則といいます)。
グミッチェル6個BOXとグミッチェルプチハロウィン、mofuaをそれぞれ購入することにしました。
早速、グミッチェルのオレンジ味とmofuaのヨーグルトソーダ味を食べてみました。
たしかに、新しい食感!です。
中身はグミですが、コーティングが新しい味覚体験を生み出しています。なかなか手の込んだお菓子ですね。
ところで、「Z世代はガムを噛まない」という傾向があるそうです。
インテージの調査によると市場規模は2017年ガム823億円、グミ555億円だったのが、2021年に逆転し、2022年にはガム548億、グミ781億円と5年で完全に市場規模が入れ替わったそうです。2023年は972億円に達し、1000億円に迫る勢いです。
成長市場では当然プレーヤーも活気が出て混戦になるのが必定です。そんな中でカンロのマーケティング活動はしっかりとシェアを獲得することに成功しているようです。
カンロのピュレグミが激戦化するグミ市場で成功を収めた要因は、徹底したユーザー分析に基づく戦略にあります。カンロは20〜30代女性をターゲットにし、特に学生時代にピュレグミを好んでいた層が社会人になると離れてしまうことを把握しました。これにより、20代前半の女性を主要ターゲットとして再設定し、彼女たちが再び商品に「トキメキ」を感じるような情緒的なアプローチを強化しました。
商品パッケージやプロモーションも、このターゲット層に共感を呼ぶデザインやメッセージに刷新。これにより、ピュレグミは再び消費者の関心を集め、売上をV字回復させることに成功しました。この戦略は、顧客理解とそれに基づく的確なマーケティング施策がいかに重要であるかを示しています。
まとめ
カンロのピュレグミの成功は、徹底したユーザー分析とターゲット層に応じた的確なマーケティング戦略によるものです。彼らは、消費者の心に「トキメキ」を呼び起こすことに成功し、激戦化するグミ市場でシェアを獲得しました。
また、ヒトツブカンロのような販売体験を重視するブランディングも、消費者の共感を得る鍵となっています。商品だけでなく、希少性や購入体験を含めた総合的な戦略が、ブランドの魅力を高める重要な要素であることが示されています。