日本から四季が無くなって生まれるビジネス機会について

日経新聞の6月18日付記事「ヒットのクスリ」では、消費者の四季に対する感覚の変化について触れられており、特に2023年の夏の記録的な暑さが夏商戦に与える影響が取り上げられています。最近では、夏にスーツの上着とネクタイを着て取引先に向かうビジネスマンはほとんど見かけなくなりました。「クールビズ」がはじまったのは2011年の東日本大震災の際の電力供給の問題がきっかけですが、地球温暖化の影響も加わり、季節に対する感覚が急速に変化しています。

季節感の多様化と新たな消費スタイル

日本の四季が失われつつある中、高島屋などの百貨店は新しい季節区分を提案しています。高島屋では、春と秋の存在感が薄れたことを受け、「二季」と呼ばれる長い夏と冬を中心とした売り場展開をしています。一方、三陽商会は逆に最も暑い時期を盛夏として加えることで「五季」という新たな概念を提案しています。

おうちアウトドアと新しい消費スタイル

「長い夏」を楽しむ消費スタイルに合わせた商品を展開する例も見られます。高島屋は「おうちアウトドア」というコンセプトを打ち出し、ベランダや庭で楽しむ雑貨を提案しています。具体的には、風で音と香りを楽しむ「アロマ風鈴」や、持ち運びが自由なLED型照明などが挙げられます。これらの商品は、長い夏をより快適に過ごすためのアイテムとして注目を集めています。

地球環境への意識の高まりとファッションへの影響

地球環境への意識の変化も同時に需要に影響を与えています。ファッション業界では毎年買い替えるものではなく、流行に左右されず長く着ることのできる商品が求められています。松屋銀座本店では、冬以外の三季に着やすいベストや薄手のカーディガンの需要が高まっているそうです。

まとめ

ひと昔前、夏用のスーツのジャケットは背中の通気性をよくしてシャツの色が透けるくらいのものがありましたが、そもそも着なくなったので需要は少なくなったのだろうと思います。四季の衣替えのシーズンに合わせてバーゲンが実施されていたわけですが、地球温暖化の影響や消費者の季節感の変化、環境意識の高まりといったトレンドに対して従来のやり方は通用しなくなっています。「二季」なのか「五季」なのか、創意工夫を凝らして消費者ニーズに応えようとすることが新たなビジネスチャンス発見につながると言えるでしょう。

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