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そろそろ脱タイパをまじめに考えよう-Nikkei The Style 記事を読んで

週末の日経新聞The Styleの文化時評に、タイパについての記事「そんなに急いでどこへ行く」(7月21日付)が掲載されていました。

タイパは、「タイムパフォーマンス」の略で、スポーツのハイライトシーンだけを見たり、映画を早送りで観てあらすじだけを理解しようとする志向のことをいいます。

記事では、昨年のワールド・ベースボール・クラシックの決勝の話に触れています。決勝の最後の打者のトラウトと対戦したシーンでは、大谷が1球投げるのに20~30秒を費やしたそうです。つまり、ピッチクロックが導入された野球ではあのシーンは生まれなかったということです。

昔から野球は「間のスポーツ」と言われていて、伝説的なエピソードでは「江夏の21球」というのがあります。私は本でしか読んだことがありませんが、リアルにテレビで観て今でも鮮明に記憶しているのは1995年の日本シリーズのヤクルト対オリックスのオマリー対小林の場面です。あの場面のことは「小林の14球」と呼ばれているそうですが、かかった時間は12分20秒間だったそうです。あの12分強の時間の緊迫感は今でもよく覚えています。タイパが追求されていくとあんな場面はもう見られなくなるということだと残念な気がします。

記事では、古代ローマの思想家セネカの言葉を引用して、以下のように述べています。

「人は十分な時間を持って生まれているが、形ばかりの社交や虚栄のために時を奪われる。人の性がそういうものだとすると、忙殺の種などセネカの昔の比ではない今、どこかでねずみの回し車から降りる必要がある。」

スマホも本も何も持たず、海辺の砂浜で特に何を考えるわけでもなく波をじっと見つめて半日を過ごす。私が思うもっとも贅沢な時間の使い方です。たぶん、自分にはできないでしょう。2~3分でいろいろ気になってそわそわしてしまいそうだと思います。

若い世代では「自然界隈」がトレンドになりはじめ、脱タイパの流れが生まれてきているそうです。

まずは、頻繁にスマホの画面を見てしまうクセをやめることから始めてみようかな、と記事を読みながら思いました。

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