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セグメンテーションを考える〜マーケティングマネジメント第16版を読む

コトラー&ケラー&チェルネフのマーケティングマネジメントを読みながら気づきを記しています。

今回はセグメンテーション(市場細分化)についてです。

これまでターゲティングの設定についてでした。

実務的にはターゲティングをするためには市場を自社にとって意味のある軸で細分化してどのセグメントをターゲットとするのか決めなくてはなりません。

また、一つのセグメントをターゲットするのか(シングルセグメントターゲティング)、複数を狙うのか(マルチセグメント・ターゲティング)を決めなくてはなりません。

できれば、セグメント毎のニーズに合わせて製品ラインを揃えていくことが望ましいでしょう。

例えば、トヨタですと年齢と収入、家族構成などで製品ラインを揃えています。同じ自動車メーカーでもポルシェはシングルセグメントをターゲットにしているでしょう。

ポルシェが若者や家族向けての廉価版を販売するとブランドが毀損されますのでシングルセグメントに特化して、ニッチな顧客を満足させる製品を展開するという選択になります。

中小企業でもどのセグメントを狙うのかで自社のブランドイメージにも影響しますし、大手企業がカバーしていないニッチセグメントを狙うとしても将来の自社ブランドをどのように成長させたいのかも含めて十分に考慮すべきです。

では、実際にどういった細分化の軸があるのかです。

軸には大きく分けてデモグラフィック、地理的、行動、サイコグラフィックに分類されます。以下の通りです。

デモグラフィック:人口統計学で分類される年齢、性別、ライフサイクル、収入などです。
地理的市場細分化:国や地域など。
行動上の市場細分化:ユーザーの状態、ロイヤルティなど
サイコグラフィック市場細分化:購入者の心理特性、ライフスタイル、価値観など

ざっと挙げてみましたが、どの軸を取るかで市場の見え方が全く異なります。
また、時間の経過によって軸の重要性も変化します。
例えば、少し前は地理的な細分化はサービス業ではかなり重要だったはずですが、今ではそうでもないかもしれません。ジムのパーソナルトレーナーはオンライン化によって客層が全国に広がったなんてこともあるでしょう。

以下の記事にセグメンテーションの種類について深掘りしています。

新規参入を考える場合、まず既存の競合がどんなセグメンテーションの軸を活用しているのかを検討すること。

そして、カバーできていないセグメントを特定するのと同時に、全く違う切り口がないのか検討してみましょう。

そうすれば、今まで年齢で分けていたけど実は同じ年齢でも全然違う選択をする顧客セグメントが見つけられるかもしれません。

セグメンテーションは市場をどのようなレンズを通して見るのかを決めることです。そして、レンズを変えると市場の絵が全く異なってものとなることを認識しましょう。

最後までお読みいただき有難うございました。


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