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Bring Me the Horizon / POST HUMAN : SURVIVAL HORROR

UKメタルコア、ニューコアの筆頭格、Bring Me The Horizon(BMTH)の2020年リリースのEP。ラウドパークでライブを見た時、ボーカルの表現力が凄いなぁと思ったしいいバンドだと思うのですが、今一つメロディにのめりこめないんですよね。先日レビューしたスヴァールバルもそうでしたが、、、。ただ、さまざまな挑戦をしていて良質なことは分かります。アルバムごとにかなり音楽性を変えてきたバンドのようなのでそのうち全アルバムをしっかり聞いてみたいとは思っています。その流れを追うことでニューコアの魅力に気が付くかもしれません。 

スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Dear Diary,
不穏な音からスラッシュ感というか打ち込み感もあるバタバタしたリフ
扇風機が切り刻むようにも聞こえる、フランジャーかかり気味
アップテンポで爆裂感あり、ボーカルもスクリーム
かなりメタリック、ハードコアなスタート
高速ツービート
サビは一瞬ヒップホップリズム
アジるようなボーカル、サビはメロコア的というかフックの効いたメロディ
間奏でテンポダウンして少しヘヴィに
ただ、ハキハキしたアグレッションは変わらず
勢いを保ったまま終曲
★★★★

2.Parasite Eve
リードトラックにもなった曲、クワイア的な女声コーラスから
何か別のもの、パラサイトイブなのでミトコンドリアか
呻くようなボーカル、インダストリアルな風景
何か別のエイリアン、異生物の描写
男声と女性が交互に絡み合う
コア、エモっぽいサビ、メロディアスだがスクリームで激情的
ヴァースはかなり音が引き、静かな殺意感
2ndヴァースからは打ち鳴らされるようなドラムが入ってきてリズム感が増す
コーラスは2020年のUKロックのトレンドをおさえたメロディ
切り刻むような音が前曲に引き続き入ってくる
ディストーションギターの刻みなのだが少しフランジャーが効いていてバタバタしている、機械的で人工物を感じさせるアグレッション
浮遊するような音世界、女声がたゆたう
コーラスと共に勢いを持ってバンドサウンドが戻ってくる
あまたのフェスでの大ステージからスタジアムロックの風格が出ている
★★★★

3.Teardrops
つぶやきからスタート、モダンなヘヴィネスだがコード展開はある
この辺りのメロディへのこだわりがUK的
少しもやがかかったような、リバーブがかかったサウンド
アンドロイドのような人工的な加工を施された声
拳を突き上げるアンセム的なコーラス、シンガロングな曲
音作りは凝っているがメロディは直球なUKロックの王道
間奏からヘヴィでスクリーム、アジテーションに
ふたたびコーラス、グルーヴで表情を変える
★★★★

4.Obey
こちらもリードトラック、グルーヴィでヘヴィなリフ
刻みは細かくややオーガニック
音があふれ出してくる
ボーカルはゲストを迎えてダブルボーカル
ヒップホップ的なマシンガンワードのパートあり
バンドは有機的に絡み合っている
メロディが次々と展開する
まさにニューコア的なサウンド
ギター主体だがパワーメタルとは遠い
ルーツとしてはパンクやコアにインダストリアルメタルや90年代以降のグルーヴ系のメタルを感じる
分かりやすいメロディがある
ギターとドラムの絡み合いがリズムを多重に奏でている
★★★★☆

5.Itch For the Cure(When Will We Be Free?)
つぶやくような声とSE
からのジャングルビート、トランス的な女声
パーティ、あるいは近未来都市のハイウェイ
空飛ぶ車
短いインタールード
★★★

6.Kingslayer
前曲から続けて開始
ゲストがベビメタ
少しベビメタっぽいヘヴィでリズミカルなリフ、少し子供の声のようにも聞こえる音色
ボーカルが入る、デス声でレスポンス
コールアンドレスポンスはベビメタ的
コーラスで女声、ベビメタの声
Kingslayer、と歌っている
2番はSu-metalがメインボーカル、日本語と英語
かなりベビメタに寄った曲
作曲は誰なのだろう、ベビメタっぽさ、を抽出してBMTHが作ったのだろうか
リズムの場面展開の時の手数の多さやハードコア感はベビメタにはない要素
ディストーション利きまくったボーカルで終曲
★★★★

7.1×1
歌い上げるメロディ、リズムはブレイクビート
後ろでメロウなメロディをピアノが奏でる
ややUSメタルっぽい音作り、A7Xとかディスターブドとか
サビの歌メロの音程移動の激しさやマイナーとメジャーコードの比率にはUK感がある
湿り気というか
ただ、全体的にはこのアルバムの今までの曲の中ではカラッとした曲、各楽器やボーカルの音もクリア
ミドルテンポでヘヴィに攻めてくる曲
サビの歌メロはフレーズの語尾を伸ばして節回しをつけるあたりがちょっとベビメタ感がある
★★★★

8.Ludens
クラブサウンドというか、打ち込み的なリズム、押し殺した声、エフェクトで押し込められた音
ジェイムスブレーク当たりの今っぽいUKサウンド
からマリリンマンソンやマイケミ的なサーカス的なリズムへ
四つ打ちで進む、テクノ、EDMサウンドのマナー
さまざまなリズムが出てくる
ツッツタン、ツッツタン、のマーチングリズムと四つ打ちが骨子か
ボーカルはメロディアスで色気のある声を聴かせる
ディストーションギターの音圧やスクリームのアグレッションは高い
間奏からは有機的な、バンドの一体感のある音の塊でヘヴィなリフ
そこから空間的なキーボードが入る
凝っていて面白い曲
メロディは英国的
★★★★

9.One Day The Only Butterflies Left Will Be In Your Chest As You March Towards Your Death
異常に長いタイトル
ゲストボーカルを迎えている
包むようなシンセ、祈るようなボーカル
美しいメロディを歌う、上昇していく
2番のヴァースでボーカルが入れ替わる
耽美的で映画的なメロディ、ゴシック
男声と女声の絡み合い
祈りのようなボーカルが戻ってくる
そこまでスロウではないので曲はハキハキ進む
音が入り混じり、緊迫感が上がりスクリームが入る
緊張感が臨界点を迎えて終曲
★★★★

全体評価
★★★★
モダンなニューメタル、アグレッションが強まった印象
静と動のコントラストが上手く作られているし、さまざまなゲストを迎えてエンタメ感もある
バンドサウンドはそれぞれの楽器が前に出てくる瞬間は少ないが有機的で各パートが絡み合い迫力がある
生命力が強い音楽
メロディは今のUKロック的、独特の抒情性がある
ただ、耳に残るかっこよいメロディはあるものの個人的には狂気や突き抜けた色気を感じるまでに至る煽情的なメロディが少なかった
UKらしいひねくれた展開と素直にかっこいい音やメロディのバランスはいいので、人気がある理由はよく分かる
32分でEP扱い、確かにシングル曲の集まりというか、音色の統一感はあるもののアルバム全体の流れやコンセプトはそこまで感じない

リスニング環境
夕方・バー・イヤホン

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