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Biblo / Sleep On the Wing

濃い目の記事が続いたので箸休め的、チルな1枚。TIDALのプレイリストで「Sunday Morning」とか「Reaxation」みたいなテーマのものがあって、その中に耳を惹く曲があったのでアルバムを聴いてみました。BGMとして心地よいアルバム。お休みの朝にピッタリ(年越し感はありませんが)。

聴く者の記憶や、心に浮かぶ情景に寄り添う心温まるサウンドで、幅広い音楽ファンから支持を集め、国内外のアーティストからも賞賛を集める Bibio が、60年代、70年代スタイルのフォーク・ミュージックに大きく影響を受けた2019年のアルバム『Ribbons』に続くEP作品『Sleep On The Wing』を、6月12日にリリースすることを発表した。本作には『Ribbons』制作時のインスピレーションやストーリーを引き継ぎながら、新たに書き下ろされた10曲が収録されている。アルバム同様、ストリングスをはじめとする様々な楽器を自ら演奏しており、その音楽性の幅広さを再び示している。出典

スマホで聴きながら読みたい方はこちら(noteに戻ってくればYouTubeでバックグラウンド再生されます)。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.Sleep On The Wing
バロック的な美しさもあるフォークな音像
Fleet Foxのデビュー作を思い出す
夢見るようなボーカル、優雅な世界だがどこか孤独、寂しさと優しさがある
落ち着く、優しく癒すような音楽
ギターのアルペジオが印象的、つぶやくような声
コード進行はオーソドックス、ブラジル音楽的なテンションコードは少ない
バロック的
★★★★

2.A Couple Swim
ベース音強めのアコースティックギターの音
いや、アルペジオ的だがベースの音だろうか
端正で折り目正しい音階、ミニマルミュージック的だが人の演奏の温かみがある
田園風景、その上を飛ぶ風船
そういえばそんなジャケットがあったな、Jellysだったか(→調べたらレモン・ジェリーの「ロストホライズン」だった)
正確な名前を忘れてしまった
インスト、アコースティックなミニマルミュージック
こういう路線のアルバムで2000年代初頭にも好きなアルバムがあったのを思い出した
★★★☆

3.Lightspout Hollow
少しエフェクトがかり、さび付いたような金属的なギター
さび付いているといっても不快さはない、古めかしいだけ
小鳥のさえずりが聞こえてくる
古いラジオ、チューニングが少しずれているというか、レコードか
ホワイトノイズと言うよりは回転数が歪んでいる
ときどき音程が不安定に上下する
同じシンプルなフレーズを繰り返して終曲
インスト、インタールード的
★★★

4.Oakmoss
静謐なアルペジオ、同じテンポなのだが端正でワンパターン感は少ない
とはいえ2,3でだいぶ毛色を変えたからかもしれないが
けっこうルーツミュージック的でもある、端正でバロック的なギター、ウッドベース
コード進行にボーカル、バイオリンも入る
旅の小歌劇団でもできる構成、吟遊詩人、ミストレル的
打楽器は入っていない
典雅な響き、ボーカルはリズムには軽やかさもあるが歌い方は静か
★★★☆

5.Miss Blennerhassett
クリーンなエレキサウンド、イエス的、プログレ
ラウンドアバウトみたいな始まり方、いや、あのアルバム(こわれもの)に入っていたスティーブハウのインストに近いか
アコースティックなインスト、手拍子がずっとリズムを刻む
手拍子はやけに正確なのでサンプリングかも
インタールード、インスト
★★★☆

6.The Milkey Way Over Ratlinghope
少し物語を感じさせるインスト、メロディ
中世的、だが何かしらの悲劇的というか、すれ違い、心情の吐露
寂しさや孤独を感じるメロディ
穏やかなギターのアルペジオに対して主旋律をフルートとバイオリンのような響きが奏でる
スキャットが入ってくる
ベル、音叉の音のような、透き通ったチャイムの音が残る
★★★

7.Awpockes
クラシカルなイントロのアルペジオ
クラシックのギターのインスト曲のような美しいメロディ
このアルバムのアコースティックギターはここまですべてガットギターだと思う
同じ旋律を弦楽器、バイオリンがユニゾンで入ってくる
伴奏もバイオリンが入ってくる、室内楽的な展開
★★★

8.Crocus
低音の利いたベース、ホワイトノイズが乗る
波が寄せて返すような低音、あるいはどこかと通信するような
3曲目に通じる、ちょっとSF的な音作り
ゆらめく、フランジャーの効いた音
ただ、音階としては明るい、何か新しい場所に旅立つような
UFOのような飛翔音、いや、あるいは小鳥のさえずりか
ミニマルに繰り返される、和音の快感
★★★☆

9.Otter Shadows
エレキのクリーントーン、アルペジオ
音が流れていく、白い河のようだ
音はホワイト、少しラジオのようにひっかかる、いや古いレコードか
50年代の録音のような、少しゲインがかかったような、入力レベル限界を超えている
ただ、音そのものはクリーンで静謐
短いインタールード
★★☆

10.Watching Thus, The Heron Is All Pool
クリアな音質になり、はっきりしたギター、ガットギター
アルペジオ、ウッドベースか、低音が入ってくる
クラシカルなフレーズ、美しく絡み合う和音
反復する、音の粒が美しい
問いかけるような反復フレーズ、弦楽器が入ってくる
バイオリンだろうか、室内楽、バレエミュージックでも使えそう
美しく舞い踊る、ただ、実際に踊るよりは日の光の差し込むバレエ教室のシーンにBGMとして流れていたら美しい
そういえば岩井俊二の作品にそんなシーンがあったような、花とアリスだったか
映画など、映像に合わせた感動しそうな音楽
音楽だけでも煽情性があるがそこまで物語性が強くない
だから、映像の物語性を阻害せず、ドラマを盛り上げるだろう
★★★☆

総合評価
★★★★
BGMとして心地よい、退屈すぎないし刺激的すぎない
クラシカルで美しいメロディが流れて耳にも心地よいが、心地よすぎずノイズのような音もある
純粋アコースティックな音だけでなくホワイトノイズや古いレコードのゆがみのような効果音も入ってくる
集中してこれだけを聴くという楽しみ方にはあまり適さないが、空間を埋める、身をゆだねるという用途には適した音楽
つかみどころがないわけではなくきちんと構成された和音が大半を占めるので心地よい
かなり論理的で早朝などクリアな思考をしたいときにも良さそう

ヒアリング環境
夜・家・スピーカー

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