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Five Finger Death Punch / F8

2005年デビュー、USメタルバンドFive Finger Death Punch。北米でのアルバム売り上げは2009年の2nd「War Is the Answer」、2011年の3rd「American Capitalist」が共に100万枚を超えるなど新世代のUSメタルの旗手の一つ。こちらは2020年リリースの作品ですが、個人的には展開が読みやすくあまりメロディに魅力を感じませんでした。分かりやすいしポップというか、カントリー的なメロディなので好きな人には好きだと思います。なお、この曲のMVはよくできています。

2020年リリース

★ つまらない
★★ 可もなく不可もなく
★★★ 悪くない
★★★★ 好き
★★★★★ 年間ベスト候補

1.F8 (Intro)
荘厳なイントロ
★★

2.Inside Out
イントロから続くメロディアスな曲
オケが残りながら後半に向かって盛り上がっていく
弦楽器とギターの刻み、アグレッションのあるパートの絡みで盛り上がる
リズムはミッドテンポでパワーメタル的
★★★☆

3.Full Circle
ややデジロック的なスタート、少し使い古された感じ
ラップパートからメロディアスなブリッジへ
リズムは手数が多いが突進感は少ない
初期リンキンパークを少し薄味にした感じ
雰囲気はあるし娯楽性もあるが新鮮味には欠ける
後半になるにつれて盛り上がる、最初は新鮮味がないと思っていたが熱量に耳が惹かれる
いろいろな音のレイヤーを重ねていってじっくりドラマを作るのが持ち味のようだ
★★★☆

4.Living the Dream
ミドルテンポでじっくり攻めてくる
ボーカルはパワーメタル的、ブリッジはメロディアス、今までの中では一番雰囲気がある
ドラムの手数は多い、整然としたリズムが持ち味のようだがこの曲の間奏部はかなり叩きまくっている
ギターは曲のパーツの一つという感じ、ここまでのところあまりギターが主導する音楽ではない
ベースは着実にリズムとグルーヴを刻んでいる
★★★★

5.A Little Bit Off
アコギの弾き語りからスタート
少しヒップホップというか、R&Bのテイストが入る
さりげなく入ってきたドラムがところどころかなりアクセントを入れてくる
ドラムとボーカルが中心になって音作りをしている印象
他の楽器隊はその二つの学区のハイライトを邪魔しないよううまく役割を果たしている
★★★

6.Bottom of the Top
打って変わってパワーメタル的な刻み
USパワーメタル感が出てきた、ボーカルもグロール
ブリッジはヒップホップ、ラップメタル的
ギターの刻みはアンスラックスをちょっと思い出す
途中でメロディアスなパートになり、ブルージーなボーカルが入る
ちょっとプログレ的なギターフレーズを経て、パンテラ的なヘヴィパートへ
★★★

7.To Be Alone
グルーヴィーでヘヴィなリフからスタート
演劇的な語り掛けるようなボーカル
フックのあるコーラス、シングルカットされた曲だろうか
MVと一緒に見たら格好よさそうな曲ではある
コーラスのバックがツーバス連打なのがちょっとのっぺり
やる気のあるギターソロが入ってくる、今まで控えめだったのにかなりギターソロがフューチャーされている
ブレイクを経てコーラスへ
★★★☆

8.Mother May I (Tic Toc)
ザクザクした手数の多いリフ
グロールと語るようなボーカルが交互に、ツインボーカルのバンドっぽい
この曲はギターとボーカルが主導している
全体的にメロディアスな部分の歌メロはカントリー的というか、USで受けそうな進行
途中で静かなパートへ、時計音と語りからブリッジ
★★★

9.Darkness Settles In
アコギと弦楽器からスタート
メロディアスでメロウなボーカルが入ってくる
コーラスはちょっとジェイムスヘッドフィールド的な歌いまわし
後半に連れてドラマ性が上がっていく、ボーカルの力量は高い
音もクリアで聴きやすい
★★★☆

10.This Is War
激烈な刻みリフとドラムのユニゾン、そこからスィープ速弾き
ときどきギターがやる気を出して主導する曲が出てくる
ヴァースはラップメタル的、テンションが高い
メロディアスなコーラスに逃げるかと思ったらハイテンションなまま
この曲はアグレッションがある
ドラムのブラストはかなり細かい
メロディアスなボーカルの後ろではスィープしまくってややクラシカルなフレーズをギターが弾いている
★★★★

11.Leave It All Behind
ラップメタル的な始まり方、ラップにメロディアスなパートが差し込まれる
リンキンパークスタイルの曲
ギターリフが出てくるがしっかり構築されている
ちょっとレッチリ的な雰囲気もある、かなりヘヴィだが
★★★

12.Scar Tissue
レッチリのカバーかと思ったら似ても似つかない曲
ニューメタル的、グルーヴィなリフからスクリーム、メロディアスなパートへ
リズムは力強い、思わず乗りたくなる強靭さがある
メロディアスなパートがややテンションを下げる
ギターソロは粘っこい
ドラムの手数は多い
★★★☆

13.Brighter Side of Grey
深い響きのアコギのアルペジオからスタート、エレキのクリーントーンかも
ヘヴィな刻みとやや変則的なドラムが入ってくる
中低音域だが語りではなくしっかり歌っているボーカルが入ってくる
壮大さのあるサビ、大自然っぽい、キャンプファイヤーやBBQに合いそう
星空を見上げる感じもある
★★★★

14.Making Monsters
ここからボーナストラック、手数の多いドラムからスタート
やや不穏な音程移動の多いリフ
グロール主体のボーカル
どこかコミカルでサーカス的なホラーメタル
けっこうギターソロが長い
★★★☆

15.Death Punch Therapy
ザクザクしたギター、正確で迫力のあるドラム
リズミカルに言葉を紡いでいく
ブリッジはメロディアス、ツーバス、こういうメロディアスパートはリンキンより攻撃性は高い
★★★☆

16.Inside Out (Radio Edit)
1曲目の別バージョン、弦楽器からスタート
★★★☆

全体評価
★★★☆
さすがUSメタル界の若手出世株だけあってプロダクション、編曲能力は高い
また、各楽器隊、ボーカルも一定以上の力量がある、ギターもけっこう弾くところは弾くしドラムも手数が多い
ちょっと歌メロが耳新しさが少なく、カントリー的というか展開がやや読めてしまう
それほど複雑な曲構成でもないが、その分リズムやハーモニー、音の重ね方で曲の後半になるにつれて盛り上げていく
このバンドの持ち味はリズミカルな跳ねるようなリズムとグロール、メロディアスなパートの融合なのだろう
作曲面ではフックはあるものの予想外の曲はないのでそのあたりがマイナス点
ただ、メタル入門編としてはアグレッションが強い曲もあるものの全体としては聴きやすい部類なので良いバンドかも
人気があるのも理解できる

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