麗しの混沌
如何お過ごしですか。眺めていた雲が君にそっくりに見えておかしく思えたからなんということもない、ふと思ったことを手紙に書いてみたよ。
気が向いたら読んでほしい。
「君への手紙」
私達は一体いつまでこの一方通行の路地裏に立ち止まっているのだろうか。
生命の源が枯れぬよう私達は懸命に山を削りダムを作る。そして器から魂が溢れて無くならないよう多くの木々を切りたくさんの箱を作って大地を固め尽くす。
空はどこまでも遠く、海はどこまでも深く。大地はどこまでも長く広く、止まることのない時計の針が幾度も同じ場所を通り過ぎる中、私達がその場所で在り続けられるのは刹那の如く。
嗚呼、なんと麗しい街並みであろう。
誰も誰の事も責めたりはしない。私達を除けば。
君にこの手紙が届くかわからないし、届く頃この世界が残っているかはわからないけれど、僕は君へおくる言葉を探し旅を続けようと思う。
それではまたいつか。
元気でいる事を祈ってる、麗しの混沌よ。
アルバム制作 スケッチ下書き -麗しの混沌-
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?