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PdMをもっと深く知る_#5_ご意見を深掘ってWhyを見つける
いよいよ第一部 データを活用して優れたプロダクトを作るも最後のパートです。
ここまでを再度振り返っておくと
#2:ソフトウェアプロダクトが主体なビジネスには「戦略(ビジネス)」「運用(定量)」「顧客(感情・定性)」の3つの目標がある。これをプロダクトに関与する人たちの共通の目標にする
#3:目標達成の進捗を測るメトリクスの種類と選び方
#4:運用(定量)と顧客(定量)データからインサイトを見つける方法
でした。
今回は
#5:顧客(感情・定性)データの計測方法
文字数:約2,700
参考図書
第1部 データを活用して優れたプロダクトをつくる
・直感や過去の経験に頼ってプロダクトに関する重大な意思決定はもはやできなくなっている
・定量/定性データの両方でどのようなものを計測するべきかとその理由およびそれをどのようにして実用的なインサイドに変えるかについて取り扱う
・戦略上と運営上の目標、および顧客の目標を達成するために追跡が必要なメトリクスを取り扱う
・メトリクスの難しさは、無限に近い可能性の中から選択すること
・メトリクスの選択は目標を念頭に置き、常にWhyで思考する
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P23、24、32
4.感情の測り方
■顧客の課題・ニーズ(What )でなくなぜそう思うか(Why)を知る
・PdMに求められるのは、聞き手を引き込み、現実味のある未来のビジョンを描きながら、何にどのくらい賭けるのかについて、データに基づいた説得力のある議論を展開すること
・その顧客が最も信頼できる語り手とは限らない。顧客は自分が何を求めているのか、何を必要としているのかを知らないか、伝えきれない
・顧客からのフィードバックは有益なインプットの一部である
・そのインプットは、定量と定性のインサイトが混在したもの
・フィードバックを求める際には、顧客の要望の背景にある「Why」をより深く理解できる方法で行う
◼️感情を測る
・顧客に喜ばれなくなると、もっと良い代替品を探し始める
・プロダクトにおける感情の定義は、ある状況や出来事に対する見方や態度、つまり意見のこと
①いつを決める
・どのくらいの頻度で、またカスタマージャーニーのどのタイミングがよいのか
・アンケート疲れを起こさない頻度と信頼性の高い回答を可能な限り得るタイミングの両方を考慮する
②どこでを決める
・どのチャネルか、プロダクト内かEメール経由かなど
③どのようにを決める
・質問の仕方やメトリクス(NPSかCESかなど)
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P95~98
■NPSを使いこなす
・NPSには限界がある
・その限界とはユーザーに何かを「するかどうか(意思)」を尋ねていて、「実際に他者に勧めたかどうか(事実)」を尋ねたわけではない
・積極的に支持したいからといって、それにお金を払い続けるとは限らない
・根本的な問題として、なぜユーザーがプロダクトに対してそのように思うかを、どうやって理解するか
①理由を知る
・NPSは他者に勧めるかどうかと言う幅広い質問だが、理由が分からない
・CES (Customer Efforts Score)はより実用的ではあるが、プロダクトの一部分に絞っている
・CAST (Customer Satisfaction Score)はターゲットの絞り方によって質問の焦点が狭くも広くもなる
・このようにある質問を広く使うことと、実用的な情報を得られるかはトレードオフの関係にある
・定性と定量のインサイトを結びつけることが重要
②質問することを忘れない
・NPSに対して批判者と推薦者に応じて人間味のある反応をすることで追加の質問を作っていくことが重要
③プログラムの頻度
・顧客とやり取りできる回数は限られているので機会を賢く利用する
・NPSにはトランザクション型とリレーションシップ型がある
・トランザクション型はサポート対応などの出来事のあとに感情を計測する
・リレーションシップ型は一定の頻度で行う質問であり、より最新の感情を知ることができるが、顧客の手を煩わせることにもなる
④回答のセグメンテーション
・NPSの結果をユーザー特性、企業特性、心理的データ(B2C)でセグメンテーションする
・共感マップが役に立つ。共感マップはプロダクトチームが顧客をより良く理解するためのツール
・顧客の発言は強力なインサイトを引き出すために収集できる定性的な計測値
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P98~102
◼️定性調査をより深く実施する
◼️自由記述と感情分析
・定性調査の最も基本的な形式は自由記述テキストであり、有用な回答を引き出す最良の方法
・課題は集計と傾向の把握が難しいこと
・一般的なテキスト入力に対して感情スコアを算出するオープンソースのシステムが存在しており、課題を解決することができる
・ここで算出される感情スコアとは「肯定」「中立」「否定」のいずれかになる
◼️感情と利用状況を組み合わせる
・NPSで否定的な回答を得たユーザーに対して、プロダクトを使っているかどうかを確認することで、より深いインサイトを得たりできる
・プロダクトを全く使っていないユーザーに対してNPSを調査する必要はない
・ただプロダクトをいつも使っているのに他者に勧めたくないのであれば、そこから深い価値のあるインサイトを得ることができる
・感情に基づくパーソナライゼーションをユーザー単位で実施することは体験全体を改善する強力な機会となる
顧客と組織と成長をつなぐプロダクト主導型の構築
ISBN 978-4-8207-2955-6 C3055
P102~102
<#5_ご意見を深掘ってWhyを見つけるの所感>
ユーザーに言われたことを愚直に実現する、と言うのは真面目な対応かもしれません。
ただ出てきた成果物が
結局ユーザーに使われない
あるいは
そのユーザー以外誰も使わない
と言うことが往々にしてあると思います。
エンジニアは真面目に成果物を要件通り作ることは非常に重要なスキルですが、
本当にその機能が必要か
その機能がビジネスにどれだけインパクトがあるか
(収益だけでなく、顧客リテンションも含めて)
をしっかり定性データと定量データを組み合わせて根拠あるファクト=WHYを見つけることがPdMの指名だと思いました。