読書感想文:『ゴミ人間』西野亮廣著
先日『ゴミ人間』買いました。
全く知らない人からすると、タイトルを見て「この人大丈夫かな?」って思われるかな?って思いながら買いました。
私の読書タイムは2種類あって、
①夜全てが終わって、お酒を飲みながらの時間と
②通勤の電車に乗っている時間です。
この本は読みやすく、朝の通勤電車と帰りの電車の途中で読み終わりました。そんなに本を読むのが早くない私でも1.5時間くらいですね。
ただ読みやすいといっても、文字の大きさや構成だけでなく、読みながら「早く次のページが読みたい!どんな世界が垣間見れるのだろう!」と感じさせ、読めば読むほど先が気になる内容でした。
西野さんの想いや考え方に100%同意する訳ではありませんが、
「大人たちが諦めてきた夢を他の大人が実現しては、諦めた大人たちの具合が悪くなるから、夢を追う大人を批判し、自己を守り続ける」
という考えは、会社組織で自分が感じている事とほぼ一致している気がしました。
変化・革新を拒絶する人間は、それを否定する事で自己の存在意義を見つけ、正当化して守る。そういう人間が多ければ多い程、その組織は旧態依然とした組織から抜け出せなくなる。
変化をもたらす因子を「敵」とみなし、批判・攻撃することで、変化を悪(非常識)、安定を正義(常識)という構図を作り、自己を常識人間にする事で守っている。
アイデア出しても批難して論破して引っ込めさせる事に生き甲斐を感じている様な人は、現代社会ではもはや組織のガンと言わざるを得ません。
「分からないから」「信用ならないから」と言って拒絶していては前に進めません。百歩譲って各人が思っているという範囲なら、個人の思想の範囲だからと思いますが、前に進もうとする貴重な希望の光を邪悪な煙で遮らないで下さい、と言いたいです!
話は少し逸れましたが、本の途中に博多華丸の大吉さんとのエピソードがあるのですが、大吉さんの物事を俯瞰して観るその視点と、世間の風評に惑わされない信念の強さと、大吉さんから発せられるメッセージが美しすぎるくらい真っ直ぐ届いて西野さんに刺さっているその情景に感動し、電車内でしたが、不覚にも涙を流してしまいました。
また、西野さんは(芸人時代から人気者だったから)絵本作家として結果が出てきたとき、メディアが報じているのは水面より上にある部分がほとんどで、水面下の見えない泥臭い努力がほぼ無かった様に報じられているようだと著書でおっしゃっています。
また、前述の通り「彼がラッキーだった」という事にしないと、夢を諦めた自分の立場が危うくなるので、多くの人がすんなりそのメディアが報じるシンデレラストーリーを受け入れてしまいます。
この構図、本当に恐ろしい。
自分が挑戦しないことを正当化していくのです。しかも無意識に。
西野さんは「成功の可能性を上げる事は難しいが、失敗の可能性を下げる事はできる」とおっしゃっており、自身でそれを愚直に実行し続け、失敗の可能性を可能な限り削ぎ落とし、結果を積み上げてきました。
これは全ての正解のない選択に当てはまる事だと思いませんか?
「どうしたらうまくいくのか」を考えがちですが、それよりも
「どうしたら失敗する可能性を下げられるのか」を突き詰めていく事が、ビジネスをはじめとした正解なき道を結果を出しながら自信をもって進み続ける大きな要素になってくると思います。
皆さんも是非『ゴミ人間』を読んでいただきたいと思います。
一緒に夢を見て、夢に向かって歩もう。