後輩たちへの手紙⑬語りのパワー
大学3年生の就活を伴走する1年間のゼミを運営しています。
ゼミを通じて、学生から社会人への大きなステージチェンジを一緒に過ごした卒業生へ向けた、お手紙の記録です。
24年6月30日の手紙
今年も6月の1ヶ月間は、メンバーとの面談※をしていました。今年は51人。
※ゼミではメンバーが集まって行うワークショップだけでなく、私との1on1を交えて進めています。
メンバーが話すことばをメモして、そのストーリーが何を示しているかを洞察してことばにする。
ゼミを受講して良かったこととして挙げてくれる人も多い、この一回目の面談ですが、実は私が一番「もらっている」気がしています。
当たり前ですが、一人ひとりのストーリーは唯一のものであり、その人にしか語れないストーリーです。
これまでに300人以上のゼミ生の語りを聴いて、様々な人生を垣間見せてもらった。
もう今や、どのメンバーも私の人生の半分くらいの若さなんだけれど、時間の長さじゃないと思う。
誰もが一所懸命なひとときを生き、山や谷を乗り越えて、その経験から学んだことの積み重ねで今の自分をつくってきた。
たった50分の面談だとしても、そのストーリーを聴いてしまったらその人生を愛さずにはいられない。
同時に、メンバーの話を聴かせてもらうとき、話すことは「離すこと」だと信じようと心に決めています。
そのひとがたった一人しか存在しない自分をつくってきた人生を、客観的にみる機会。一緒に眺めてみる時間。
何を感じていたのか、どうしてそんなふうに考えたのか…いくつもの問いを通して解像度が上がっていく。
ことばにすることは、自分について新たに気付き理解するプロセスです。自分自身と改めて向き合い、つながる時間。
そして「あぁがんばってきたな」と自分をねぎらう時間でもある。
そう。がんばってない人なんていない。
誰もがその時その時を精一杯、最善で生きているんだと感じます。
このメールの向こうにいるみんなも、その節は人生のストーリーを聞かせてくれて本当にありがとう。
そして今日もまた、人生を一日ぶん紡ぎましたよね。お互い、今日はどんな一日だった?
2024年の上半期も、そろそろ終わっていこうとしています。どんな半年でしたか?
実は私は明日、7月1日が誕生日。毎年、いい日に生まれたなと思います。
ちょうど自分の誕生日で一年がはんぶん終わり、下半期に向けてプチリセットできる。
おのずと半年間を振り返るし、残りの半年間をどう過ごそうか?考える機会になっています。
2020年にコロナ禍があって以降、世の中の変化のスピードはどんどん速くなっている気がします。
変化のスピードに目を向けてしまうと、どうしたって置いていかれるような不安や焦燥感を感じてしまう。
VUCAという言葉が浸透してきていましたが、20年以降は「BANI」という概念が生まれているらしい。
→BANIとは?BANIから見えるVUCAとは違う世界
不安や不可解さを、誰もが感じてしまいやすいのが、今の世の中なのかもしれないです。
そんな今だからこそ、振り返って6ヶ月を生きた自分の道程をことばにして、自分とつながり直すプロセスが大切だと思っています。
せっかく振り返るなら、感謝したいことを思い返すのはどうだろう?
私は、なんだかものすごく忙しい6ヶ月だったのですが、大きく体調を崩すこともなく日々のストレスもアルコールもものともせずにやってきてくれた自分の身体にまずは感謝したい。
あとは、家族。それから、このメールを受け取ってくれているみんなにも感謝しています。
メールを書きながら、そのときそのときで思い出す顔は様々ですが、みんなと過ごした時間や交わしたことばを思い出すことで元気になれる。
出会ってくれてありがとう。
ーーーーーーーーーー
最後までありがとうございました。前回長文だったので、今回はライトな感じにしようと思ったのですが湿っぽいな…
まぁそんな6月の終わりということで。明日からの下半期も、お互いがんばろね。
それぞれの場所でがんばっているみんながいることを思いつつ。
いつか会えますように、そのときまで健やかに晴れやかにいられますように。もう夏はすぐそこ!
Bon Voyage!