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Jvloggerコミュニティという世界とその思い出 Mid2010s~The Golden era of Jvlog community

2014年ごろ、俺は引きこもっていた。絶賛鬱病中だった。

同棲していた婚約者にも振られ、公務員試験にも受からず(そもそも全く勉強していない)、働きもできずTHE人生の暗黒期真っただ中だった。

家に引きこもっている男なんてオナニーしかやることがない。

英語でいうとI was damn obsessed with fapping all the day だ。

さすがに毎日毎日自慰行為にふけるしかない毎日だと人は耐えられなくなる。
発狂寸前手前だった。シコりすぎて陰茎が痛いし鬱はひどくて吐き気がする。

せめて鬱だけでもなんとかしよう、そう思って英語の勉強でも始めた。

古い本で坂口安吾が神経症や鬱の治療には英語学習がいいと言っているのを読んだから。

だけど、鬱真っ盛りの時にTOEIC公式問題集の無機質100%のゴミみたいな文なんて全然頭に入ってこない(今ですら)

というわけでyoutubeで興味のあるトピックを選び学習することにした。

当時はネットもリアルも保守的カルチャーがまだ色濃く、TVでは連日日本スゴイデスネ的番組(最近とんと見なくなったな)や同じく日本マンセー的海外の反応まとめブログ(こちらも全然見なくなった)が隆盛を誇っていた。

その海外の反応まとめブログをサーフィンしていたところ日本人男性+白人女性のカップルyoutuberというジャンルの存在を知った。

「え?こんな冴えない男たちでも白人の女と付き合ってんの?」
「俺でも普通にいけんじゃね?」

みたいな下品な下心が芽生えてなかったと言えばウソになる。

元々英語は好きだったし、よくできた。
邪なモチベーションでもまあいいじゃん、的なノリでそのyoutuberたちをザーーーっとbinge-watching(一気見)した。

調べてみると東アジア人男性+白人女性のカップルはAMFW(Asian Male White Femaleの略)というらしい。

そして、日本在住で英語圏出身のyoutuberたちをJvlogger(Japan+Vlogger)というらしいということ。

そして、中々閉鎖的なコミュニティだなということなどが分かってきた。

・日本に来ている白人というのは概ねナード(向こうの社会ではカースト下位)だということ
・日本に来ている白人男性というのは概ね男尊女卑的で共和党支持の右翼支持が多く女性にモテないタイプが多いこと
・日本に来ている白人女性というのはこっちでいう不思議ちゃんやゴスロリ好き、周りになじめないタイプが多く、また白人女性なら日本でモデルになれると思っているようなタイプが多いこと
・同じ在日白人youtuberと言っても英語圏で一番上のカーストにデッカイコミュニティがあり、その下に他のヨーロッパの国々のコミュニティがあり、ロシアとそのキリル文字圏の周辺国だけは異質でハブられてるというかお互いほぼ無干渉なことが多いこと(当然これはソ連が共産主義だった歴史のせいもかなりあるだろう)
・とにかく人のうわさ話がめちゃくちゃ多いこと、英語圏でのゴシップサイトでのインフルエンサーやyoutuberへの中傷が2chの比ではないくらい激烈で酷いこと
動画を上げている白人男女ともに東アジア人フェチを持っているということ(strong racial preference)
・一部の専門職やハイスペックなexpats(駐在)を除き大体ノースキルで英会話教師をしているということ(でもSNSのプロフィールには皆盛りに盛って起業家だとか、一流ライターとかアーティストとかフリーランスのモデルとか書いてること(笑))
・大半の彼ら彼女らの動画はめちゃくちゃつまんない、ということ
(ファミチキが上手い、日本の自動販売機がすごい、ウォッシュレットがすごい、スタバのサクラフラペチーノが旨い、セーラームーン最高、KPOP最高、日本のここが好き、日本人に外国人と付き合えるかインタビューしました)←マジでこれのエンドレスループだ


2010年代半ばにはいろいろなJVloggerがいた。
日本がまだ世界から発掘されていない状態だったのか日本かぶれのコンテンツが爆発的に伸びていた。その後KPOPの大成功のせいで韓国カルチャーにだいぶ影響力をそがれてしまったが、あの頃の日本のカルチャーの英語圏youtubeでの輝きはすごかった。

その中でも一番印象的なのはkanadajin3ことMilaという人物だ。


kanadajin3 aka Mila

かなり性格に難があり、非常に独善的で(ある意味めちゃくちゃ白人らしい)、いろいろなyoutuberと揉める。日常茶飯事的に揉める。ラッパーみたいな存在。

気に入らない競合の白人女性youtuberには裏で自作自演中傷コメントをしたりする(sockpappet)しかもそれがバレて大事になってjvloggerのコミュニティからハブられてしまう(笑)

この人、今で言う境界知能だと思う。"exaggerate" を "exadurate"とミススペルしたり、英語が母国語でない俺ですらすぐにわかるグラマーやスペルのミスを連発する。

この人がその後どうなったかというと、誰からも相手にされなくなり動画も再生されなくなりムスリムに転向した。今はもうアカウントを閉鎖状態だ。

彼女はセラピーが必要だったし、完全に精神を病んでいたと思う。今は何をしているのかわからない。

色々殴り書きしたが、だいぶ楽しい経験だった。

Jvlogのコミュニティで英語を勉強したおかげでTOEICは900超えたし、欧米の女性とも交際した。

英語を学んで、欧米人と交際して、色々な欧米人と接した結果、感じたこと。

ツイッターでフェミニストの女性や日本に不満を持っている女性たちが神格化しているような欧米像はかなりの面でウソ、妄想だってこと。

でもそれは日本に限ったことではない。

英語圏の日本かぶれコミュニティでは、日本は夢の国だと長らく宣伝されてきた。
欧米はクソみたいな国で、日本は完璧な国、flawlessな国だと。
もちろんそんなわけがないことは日本人の我々は皆知っている。日本は完璧からは程遠い。

今自分が属しているコミュニティになじめない不幸な人というのは自分のコミュニティを過度に蔑視し他のコミュニティを神格化する。
これは人間の性なんだとこの経験で学んだ。


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