翻訳者を目指す私の日々の徒然23
外国語学習と物語の重要性について描かれた黒田龍之介氏の『物語を忘れた外国語』を読了した。
黒田氏は、スラブ語専門家であり、多言語話者だ。
著書には、外国語学習に物語を取り入れる醍醐味が紹介されている。辞書を引かずに楽しみながら読むという一方、単語を覚えていない状態は料理をする上で材料がないことと同じだとも書いている。
外国語を学ぶということは、楽しむと同時に単語、コロケーションや例文暗記といった地味な学習をするべきなのだ。
私はすっかり黒田氏の著書に感化され、莫言の『赤い高粱』の原書を購入した。
『赤い高粱』の日本語訳は数年前に読んだことがあり、あらすじが頭の中に残っているので、原書は割とすんなり読める。
『赤い高粱』の原書は無料の電子書籍もある。しかし、私の頭は画面上の文章を受け付けてくれなかった。
ペーパーレスの時代に生きているが、やはり紙でなくては文章を咀嚼する歯応えがない。紙の本を大切にする私のような人間は少なくないのではないか。負け惜しみではないけれど。