Thanks to me
光明院の自然の美しさに毎朝心を奪われる。
桜の木はそんなに本数はないが、
見頃を終え花びらがはんなりと舞うように散っていく。
おしゃべりなウグイス、木々の中で戯れる求愛中の野鳥。
生まれたての青紅葉の葉っぱは、うすくてやわらかい。
季節が動く瞬間をこの数日でみた。
ほぼ毎日見る景色がみるみるうちに
別世界になる。
春は何かと気持ちがザワザワしがちで
あまり好きではなかったが、今年はいつもと違う気持ちだと今日気づいた。
生命のエネルギーが放出される季節。
静から動へ。今まではそのペースについていけず、取り残されている感じがしていた。
でも今は自分のちょうどいいペースを掴みつつあるから、ザワザワが少ないのかもしれない。
今日はたいせつな友人がお寺へ遊びに来てくれた。
お庭から見た彼女の姿が一瞬光っているように見えた。
しごとの手を止めてお気に入りの場所へ案内し腰を掛ける。
彼女の話す速度が心地よくて好きだ。
最近のできごとを聞いているうちに涙が溢れた。
「Thanks to me」
それは私の体験した事ではないけれど、その枠を超えてすべてを包むやさしいことば。
泣くような雰囲気で始まった会話ではないのに、気づくと2人とも涙していた。
そして彼女からとっても嬉しいことばをもらって、またまた涙が溢れ出た。
きっと忘れられない時間をつくることが出来るだろう。
野生の女