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2/18|変わるもの、変わらないもの
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2/18|冥王星の日
2月18日は「冥王星の日」。1930年のこの日、アメリカの天文学者クライド・トンボーによって冥王星が発見された。太陽系の果てでひっそりと存在していたその小さな天体は、長い間「第九惑星」として親しまれていた。
しかし、2006年に「惑星」から「準惑星」に分類が変わったことで、冥王星の立ち位置は大きく変わった。
「準惑星」とは、惑星のように太陽の周りを公転しているけれど、周囲の軌道上の天体を一掃できるほどの重力を持たない天体のこと。冥王星が「惑星ではない」とされた背景には、1990年代以降の天文学の進展がある。
発見当初、冥王星は太陽系で最も小さな惑星とされていたが、その後、冥王星と似たような天体が次々と見つかり始めた。特に2005年、冥王星よりも大きいと考えられたエリスという天体が発見されたことで、「惑星の定義とは何か?」という議論が本格化した。
そして2006年、国際天文学連合(IAU)は「惑星」の定義を正式に決定。その結果、冥王星は「準惑星」に分類されることになったのだ。
この話を聞くたびに、どこか切ない気持ちになる。ずっと惑星として教科書にも載っていたのに、ある日突然「やっぱり違いました」と言われるなんて。
もちろん、それは科学的な分類の話であって、冥王星そのものが変わったわけじゃない。でも、「今までそうだったものが、ある日突然変わる」というのは、私たちの日常にもよくあることだと思う。
仕事、環境、人間関係——。
アラサーにもなると、「ずっとこのままだと思っていたもの」が変わる瞬間を何度も経験する。大切にしていたものが別の形になったり、自分の立ち位置が揺らいだりすることもある。
まるで、歪な積み木を一生懸命積んで作ったお城を、他人からの一言で急にガラクタのように思えてしまった時のような。または、しっかりとした地盤の上に立っていたつもりだったのに、実はそこは凍った湖の上で、氷が表面に薄く張っているだけと知った時のような。
自分というものの芯が無くなって、輪郭すら朧気になってしまいそうになる。
しかし、冥王星の話を思い出すと、「たとえ周りの評価や肩書きが変わっても、自分の本質は変わらないんだ」と思えてくる。冥王星は惑星ではなくなったけれど、それでも変わらず、ずっと太陽の周りを巡り続けている。私たちが惑星とか、準惑星とか言い始めるずっと前から。
大切なのは、何が変わっても、自分の軌道を見失わないこと。
たとえ環境が変わっても、肩書きが変わっても、「自分が何者であるか」は自分で決めればいい。宇宙の果てで静かに輝き続ける冥王星のように。
私にとって「変わらないもの」を大切にしていきたい。
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