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飴と鞭(アメとムチ)を使い分けることよりも土台づくりが大事って話
飴と鞭(アメとムチ)、いわゆる「優しさと厳しさの使い分け」を意味するものですね。
人を育てるというテーマでよく使われる言葉ですが、このバランスについては、さまざまな意見があるかと思います。
よく言われているのは飴が8割、鞭が2割という割合ですかね。その一方で、飴が2割、鞭が8割のように、まったく反対の意見も見られます。
私も考えてみたとき、最初は飴の割合が10割でもいいくらいに思っていたんですよね。厳しい態度を取らなくても相手に伝えることはできますし、それなら優しさを大切にしたくて。
ただ考えるうちに、時と場合によってちょうどいい割合は変わってしまうと思うようになったのです。
たとえば警察官や消防士のように、命に関わる環境であれば、飴よりも鞭が求められるのかもしれません。また叱って伸びる人に対して、ひたすら飴を与えようとするのも違うような気がします。
だとすると、大事なのは飴と鞭を使い分けることではなく、その「土台」をしっかりつくることなのかなと思ったんですよね。
そこで今回は、私が考える「土台」についてお話させてください。
土台ができていないと飴も鞭も意味がない
いきなり「土台」という言葉を使ってしまいましたが、天秤をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
飴と鞭が天秤の両端にあるとして、それを支える中心部分が土台です。天秤がどっちに傾いても、土台がしっかりしていればバランスは保たれます。
逆に土台がしっかりしていなければ、天秤が傾いた途端に倒れてしまうんですよね。
これはコミュニケーションにおいても同じだと思いまして。どんなに優しくしても、どんなに厳しくしても、土台がしっかりしていなければ意味がないということです。
そして、この土台に当たるものが「信頼関係」だと思っています。
考えてみていただきたいのですが、そもそも信頼関係がないと、相手に話を聞いてもらえませんよね。
何を言っても相手からしたら「うるさいな」としか感じない。
こっちとしても聞く気がないなら「もういいや」となってしまう。
このように、いくら相手のためを思って優しくしたり厳しくしたりしても、信頼関係がない状況では、お互いにいい気持ちにはならないと思います。
飴と鞭の土台づくりに必要なこと
それでは飴と鞭の土台となる、信頼関係を築くためにはどうすべきかというと、やっぱり一番大切なのは「相手の話を聞いて、気持ちを理解しようとすること」だと私は思います。
話を聞こうとしない人や、意見を全否定してくるような人には、相手も心を開くのは難しい。そのような状態で「私を信用してください!」と説得しても、さすがに無理がありますよね。
それに相手の話をしっかり聞いておかないと、自分に原因があるときも気づけなくなってしまうなと。
たとえば相手が仕事でミスをしても、それはこちらの伝え方が悪かったり、自分が勘違いをしたりしている可能性だってあるわけですよ。それなのに「ここで甘やかすのは相手のためにならない!」と思って厳しく叱るのは、見当違いじゃないですか。
この人なら話をちゃんと聞いてくれる
この人なら自分の気持ちをわかってくれる
と感じるからこそ、相手も信用してくれて、飴と鞭を使い分ける意味も出てくると思うんですよね。
土台を崩さない飴と鞭の使い方
あともう一つ、土台を築いた後のこともお話させてください。
自分だけかもしれませんが、飴と鞭って、色々と勘違いされやすい言葉だと思っていまして。
たとえば鞭、いわゆる厳しさですが、これは「メンタルを追い込む」のような意味で使わやすい。厳しいという単語から連想できるイメージも、大声で怒鳴る姿だったり、相手を否定する言葉だったりすると思います。
そして飴、いわゆる優しさも「褒めればいい」のような意味で使われやすい。ミスも許してあげて、何でも肯定してあげて、とにかく相手に合わせることが重視される一面もあるように感じるのです。
このような飴と鞭の使い方をしてしまうと、相手のためにはなりませんし、築き上げた信頼関係が崩れる可能性もあると思うんですよね。
ただこのとき、尊重の気持ちを持っていれば、飴と鞭を勘違いすることはないと考えていまして。
相手を尊重していれば、言いたいことを伝えるために怒鳴ったりしませんし、ましてや馬鹿にしたり、暴力を振るったりしないはずです。
また自分自身を尊重することで、相手に対して意見を主張できなくなったり、間違いを指摘できなくなったりすることもないのかなと。
信頼関係を築いて、自分も相手も尊重する
飴と鞭をバランスよく使い分けることよりも、このような姿勢で接することの方が、人を育てるうえで大切だと私は思うのです。