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理念にこだわると頭でっかちになるから情念である人情の心も大切にする!

私たちが住んでいる社会では頭脳優先というか、理念優先のイズムが当たり前で、どちらかと言えば人情という情念はあまり大切にされずに、片隅に追いやられているのじゃないだろうか、なんて思ったことを記事にしてみた。

要するに、あまり理念だけを追究しても人として、アンバランスになるという話。

と、まぁこんな書き出しをしちゃうと、おいおい、何を似合わないことを語り出したんだいってツッコミが入りそうなので、種明かしを先にしておくと好きな時代小説を読んで思ったことを、ただ書き散らかすという内容です。

そう、言ってみれば読書遍歴紹介のようなもんだから、カタッ苦しい話じゃないのですよ、安心してくださいまし。(^_^)b


で、さっきの好きな時代小説なんだけど、葉室麟さんとか、隆慶一郎さんとか佐伯泰英さんとか、池波正太郎さんとか、藤沢周平さんとか、まぁこの中でまだご存命なのは佐伯さんくらいで、あとのお方はみな鬼籍に入られた。

そんな方々の作品の中でも、隆慶一郎さんと葉室麟さんには、もっと読ませて欲しいという未練を残したまま亡くなってしまわれたんですね。

池波正太郎さんのときには、相当の期間を読みながら同時進行のような気もしていたので、ある程度覚悟もあったのでそれほど残念な思いは強くなかったんですよ。

それでも絶筆となった作品の続きを、自分で書き継げるんじゃないかって思うくらい、ほとんどの作品を読んでいたもんだから、未読の作品は無かったわけですね。

だから、池波正太郎さんが亡くなって書き下ろしが出なくなると、他の作者に移ることになったんですが、その間に入り込んできたのが北方謙三さんや大沢在昌さん、といったハードボイルドタッチの作品でしたね。

こうやって思い返していると、時期はずいぶん前後して、脈絡も無い思い出になっているけど、阿刀田高さんや向田邦子さんを経由して、浅田次郎さんから東野圭吾さんに辿りついた頃に、藤沢周平さんと出会ったんですよ。

そう言えばずっと昔は、司馬遼太郎さんの前に、吉川英治さんや柴田錬三郎さん、松本清張さんや高木彬光さん、城山三郎さんたちもいましたねぇ。

そうそう、森村誠一さんにも凝ったことがありました。(´д`;)
他にも佐々木譲さん、宮部みゆきさん、高村薫さん、今野敏さん、池井戸潤さん・・・ほんとキリが無いですね。(^_^;)

まぁキリが無いので切り上げて話を戻すと、血気盛んな若い時には目もくれなかっただろう藤沢周平さんに出会ったのは、群馬県の谷川岳の麓にある谷川温泉にある、別邸仙寿庵という旅館の小さなギャラリーコーナーでした。

そのコーナーは本館の建物から1分もかからない敷地内の林の中に建てられた小屋の中にあって、大きな暖炉ストーブを中心にしていくつかロッキングチェアやソファが置かれて、壁際に書棚が設えられていました。

その小屋でゆっくり時間を過ごすのが好きで、時間つぶしに手に取った本が薄めの短編集、それが藤沢周平さんとの出会いでした。

それ以来、好きな小説家の筆頭にあげるくらい、藤沢周平氏の文章世界が好きになったんですよね。

なぜなのかということを考えたときに思い当たるのは、剣術のシーンもさることながら、英雄や偉人を主人公にせず市井の一般庶民や、下級武士の生活や生き様を手に取るような筆致で表現してくれるところですね。

それと情景描写の上手さが群を抜いていると思うんですよ。
ありありとその情景が読み手の頭の中に映像化できるような、自然の描写や心象風景の描き込みが優れているんですね。

最近になって、そんな藤沢周平さんの作品が好きなのは、年齢も影響しているのかも知れないけど、理念や理屈や理知的なことよりも、情念や人情味のほうに自分の重心が移ってきたからではないか、と感じているんですよ。

たしかに理念は大事だと思うけど、それにこだわりすぎるのももったいないなぁ、と考えるようになったんですね。

いろんな考えがあっていいわけだし、知らないことや未知数のことなんて山ほど残されているのが私たち自身の脳内だったり、宇宙のことだったりなので、すべてが分かるわけでも無いのに偏向しすぎるのは危険だな、と。

とは言っても、そんなに大層なことでもないけど、要するにもっと自分の心を大切にするというか、思いを大切にするという意味で自分に湧き上がる情念を意識してみたい、そう考えるようになりました。

だから、藤沢作品を読むと、作中の人物の生き様や結末に共感の思いや懐かしさなどを感じて、哀感や郷愁の思いが染みこんでくる気がするんですね。

昭和の貧しい時代から高度成長期を経て、バブルを経験し、バブルが弾けたあとの社会まで眺めてきた身としては、自己の確立こそ大事だな、と思うわけですね。

どんな時代になっても生きていかなきゃならんのだから、ちゃんと満足して生き抜けるように、自分をしっかり持つことだと。

それには自分が無理しないで生きられる「自分らしさ」を見つけることではないかと、自分らしい生き方を心がければ頭でっかちにもならず、かといって野放図な生き方もしないのじゃないかと。

そう、要するに理念と情念のバランスを上手に保って生活すれば、周囲からも頼りにされるリーダーになれるんじゃないか、そう強く思います。



ことさら取り立てて言うほどのことでも無いけど、頭でっかちになっちゃいかんな、心でっかちを心がけて、バランスをとらなきゃいかんな、そう思っているんですよ。(^_^)b

これからの世の中はAIの普及で様変わりすることでしょうから、頭脳優先で生きていると、AIと勝負せなあきません。

心優先で生きていると、AIとは勝負になりませんので、ストレスも抱える必要が無くなる・・・のでは、なんて甘いことを考えていますが、果たしてどうなりますやら・・・未知なる世界は待ち受けていますから、原点回帰ですね。

生存本能と言ってもいい情念と理念の両立を目指すことが、人間力を高めることにも繋がっている・・・と主張してみたい。(´д`)


ってことで、今回は
理念にこだわると頭でっかちになるから情念である人情の心も大切にする!」という理念と情念のバランスをとらなきゃって話でした。


では!

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