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やらかし道場 #10 後悔のその先 春リーグ編

皆さんこんにちは。

やらかし道場 代表の鶴見です。

#9 後悔のその先 3回生編では、私が3年生になり

そんな中様々な試練を経験する中で、どんなに波乱と感じられる状況の中でも、自分が発揮できる価値を考え続けること、その中にこそ希望が生まれるという話を書きました。

#10ではついに春リーグを迎え、1部昇格に向けて戦った時の話をしようと思います。

先輩の怪我もありながらもメンバーの決まった頃、

ついに明日が春リーグ。そして大会前ミーティングが始まりました。

ここでチームを鼓舞することが絶対条件。ここで中途半端な話をしてしまうと、チームとしてのまとまりを失ってしまう場合もあります。

チームとしては最大戦力ではない、しかしピンチをチャンスに変えることができれば、1部昇格も夢ではない、それを伝える必要がありました。

※怪我した先輩をAとします。

「Aさんが怪我をして正直戦力としては厳しい状況となりました。

しかし今まで1回生の頃から団体戦に出続け、チームに対して多大な貢献をしてくれたAさんを再び1部で試合してほしいと思わないでしょうか?
今は、確かにピンチである、しかしそのピンチと感じている心は、
一人一人が、Aさんの代わりを果たそうと思っているから、それこそが貢献ではないでしょうか?
ピンチであるからこそ、そこにチャンスがあります。
だからこそ今こそ一丸となって、一部昇格に向かっていきまししょう!」

という言葉を伝えました。

その時の雰囲気は最高潮でした、その思いに共感した人たち、

誰もが自分が勝とうという気持ちを持っていることがわかっている、

それがとても嬉しいものだと気付いた瞬間でした。

そして始まる遠征。

私は電車での移動組だったので、

その電車の道すがら、試合の状況での対処方法をひたすら考え続けました。

この人がメンタルがやられたら、こんなオーダーにする。この人が勝てない場合はこんなオーダーにするなど、

何個も状況に応じた横断を考え続けました。

だからこそ自分は、どんな状況でも対処できると思っていました。

そして始まる団体戦。

チームとしては、初戦に勝つことができました。

一番想定外だったのは、

急遽作った1回生、4回生で組んだダブル前衛とシングルスを任せた後輩が見事に勝利を納めたこと。

一番不安な部分が払拭できました。

一方で、模擬戦の頃から組んで一度も負けていなかったペアが負けたこと。

これが一番誤算でした。

2回生の後衛が緊張しているのかいつものプレーを発揮できていない。

少し、心配はありましたが、次の試合も同じオーダーでいく事にしました。

次の試合も同様、勝利を収めることができました。

しかし、2回生の後衛の調子が良くならない、そしてペアの4回生もあからさまにピリピリしています。

そしてそのペアはまた負けてしまいました。

しかし他の選手の状態は良いし、チームの雰囲気も勢いがあり正直良い感じ。

ペアを入れ替えるかどうか非常に悩んでいました。

そしてコーチから

「ペアを変えた方が良い。誰が出るかはお前が決めろ。」

そう言われました。

ピリピリしている4回生にも

「代わりのペアは誰でも良い。」

そう言われ、正直めちゃくちゃ悩みました。もし、指定してくれたら自分一人の責任ではなくてめちゃくちゃ楽だから。

そして他に変われる後衛は、1回生か後衛の準備をしている私だけ。

こんな緊張する状況、いきなり4回生と組んだりしたらトラウマになるかもしれない。もう答えは一つしかありませんでした。

コーチに

「僕が出ます」

そう伝えました。

その4回生にも私が出る前、その旨を伝えついに試合を迎えました。

そして外す2回生の後輩には、

「俺がこの試合でどうやって試合したら良いか見せる。
 この次の試合には君を出すから見ててくれ。」

そのように伝えました。

そしてオーダー発表、オーダーを読み上げるのも私がやります。

正直めちゃくちゃザワザワしました。

後から聞いた話ですが、この時僕が自分が出たいから我儘でオーダーを組んだと思われていたようです。正直、ショックではありました。
こんなに色々悩んで、幹部としての責任を果たそうとしたのに、そう思う部分はありました。

しかし、皮肉にもチームはめちゃくちゃ結束しました。

鶴見に回すまでに試合に勝った状態にしよう。そんな風に思っていたレギュラー陣は物凄い勢いでした。

そして私の試合が回ってくるまでに、他の試合は全部勝っている状態でした。

そして私の試合が回ってきました。

めちゃくちゃ緊張していました。
イメージはすべての筋肉が硬直しているイメージ。

でも、やることは決まっていました。

とにかく声を出すこと。責める必要はないからとにかく自分から先にミスらないこと。

どんなに甘いボールになったとしてもとにかくコートにボールを入れること、

それを意識し続けました。

そしてあんなにピリピリしていた4回生がめちゃくちゃ強かった。

僕がボールを入れたら返ってくるボールをほぼ全て止める。

あの時の彼のプレーは後に「壁」と言われていました。

そして私のプレーは正直良いプレーだったとは言えなかったものの

ペアの圧倒的な力によって1ゲームも取られず勝つことができました。

監督からは「気合いだけで勝った奴は久しぶりに見た」と言われるくらい。

私の初めての団体戦出場はなんとか勝利で終えることができました。

そして外していた後輩に

「俺ができることはやったつもり。あとは君が気迫を出すだけ。」

そう言って次の試合に送り出しました。

嬉しかったのは、その後の団体戦で彼が勝利を収めたこと。

そして、チームは良い雰囲気のまま、2部で優勝することができました。

そして、入れ替え戦。もはや、当時のチームの勢いとして負ける気がしないほど、良い雰囲気でした。

そして、1部昇格。

自分が幹部になってからずっと目標にしていた1部昇格を果たすことができました。

昇格した瞬間は号泣しました。

めちゃくちゃ嬉しかった。あんなに悩んできて、最終的にチームとしてまとまった瞬間を見ることができた。それがとても嬉しかったです。

そして、卒業した私が入部した時の主将に

「お前のチームだ。」

そう言ってもらい、自分も後輩にこんなふうに後輩に声をかけられる先輩になりたいと思いました。

どんな状況の中でも冷静に判断すること。

その判断に対しても外部からは様々なことを言われるかもしれない、

しかし、悩み抜いた選択ならば後悔しないようにやり抜くこと。

私は、意志を貫くことの難しさ、一方でその大切さを学ぶことができました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

次回は、昇格した後、新しい目標に向かっていくまでの難しさ、幹部を引き継いでいった時のことを書いていこうと思います。

ぜひ、次回も読んでいただけますと幸いでございます。

やらかし道場 鶴見



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