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この夏読んだ本 / 2021夏

人生に一度きりしかない大学二年の夏、英語学習と読書とバイトと推しに捧げました。バイト以外全て在宅という引きこもり生活です。

そんな夏に読んだ本とその感想を綴っていこうと思います。


ハムレット/シェイクスピア

新潮文庫のプレミアムカバーが可愛くて購入しました。以前入手したプレミアムカバー版「ロミオとジュリエット」と並べて本棚に置きたいなとワクワクしながら家に帰りましたが、ロミジュリを紛失していたことを思い出しました。本って失くすんですね。

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ハムレットは謎の亡霊の出現をきっかけに主人公が復讐に動き出す悲劇です。主人公ハムレットが作中で何回「気ちがい」と呼ばれたのか数えたくなりました。ですがこの「気ちがい」、彼の素であり演技でもあるのだろうな、と思いました。確かに狂ってはいるが、全く理解できないことはないのです。

歴史の長い名作ということもあり、ハムレット研究に関する論文がネットでたくさん出てくるので読了後も世界観に浸ることができ、楽しめました。


人間失格/太宰治

名作と呼ばれるものを履修したい、と思い書店を徘徊していたところ、新潮文庫のプレミアムカバーコーナーで発見して即購入でした。特別感のある装丁に弱いので。想像よりもサクサク読めました。

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幼少期からかなり奇妙な性格を持つ主人公でしたが、お道化の気持ちはわからなくもない、と思い読み進めていきました。しかし、もう少しだけでも素直だったら何か変わったかもしれないとも思いました。そうなれなかったのは周りの環境が大きく関係しているのですが。

手記の最後の一文は、読者一人取り残されたかのような虚無感がありました。(この虚無感は私がこの作品を好きになった要因の一つ)

言語化能力ってとても大事だとも感じました。伝えたいことを言葉にできないせいで人の人生を狂わせるかもしれないからです。

青空文庫はこちら↑


漫画版 君たちはどう生きるか/吉野源三郎・羽賀翔一

こちらも名作ですね。漫画版ということで、サクサク読めました。特に私が大学生になってからもやもやと考えていたこと、望んでいたことが綺麗に言語化されていて、すっきりしました。

以前「小学生におすすめ」のように宣伝されていたのを目にしたことがありますが、もっと成長していろいろ考えるようになってからやっと染みるようになる作品です。(自分が小学生の時にこの作品を読んでいたとしてもピンとこないかもしれない)


ジヴェルニーの食卓/原田マハ

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「たゆたえども沈まず」などアート小説を読んで大好きになった原田マハさんの作品です。こちらは短編小説で、4作品が収録されています。どの作品も、印象派の時代を生きた巨匠たちを、その周囲の人間の目を通して描く、というもの。

特に印象に残ったのが2つ目の「エトワール」でした。ドガが作った少女の像は、もしも売れて、そのお金で少女を救ったとしたら、彼はヒーローとして称えられるのだろうか。どんな事情があったにせよ、アーティストの葛藤は、作品を評価する人に全ては伝わらないことがもどかしいけど、どうしようもないんだろうな。



社会人大学人見知り学部卒業見込み/若林正恭

表紙や扉絵の手書きイラストがどれもゆるくて可愛らしいです。

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人のエッセイをしっかり読むのは初めてでした。友達と顔を合わせる機会がほぼゼロ、という生活のなかで ”ありのままの人間” を覗き見することができたのが救いになり、安心もしました。

「ネガティブモンスター」には特に共感しました。ネガティブを潰すのは没頭、まさにその通りだと再確認するとともに、それを意識して生きていきたいです。(この夏休みのネガティブを潰すために読書に没頭しようと試みているようなところはあるので)


少女地獄/夢野久作

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今年読んだ中で冗談なしに一番衝撃を受けました。早く続きが読みたくであっという間に読み終わりました。夢野久作の描く人間像、どれも好きだな、と思った作品です。少女地獄のなんでもない、殺人リレーが特に好きでした。

青空文庫にもあります。いますぐ読みたい方はどうぞ。

こちらは後日他の夢野久作作品と合わせて改て感想noteを書きたいです。



私の積読本リスト

ハイペース多読が向いていない私でも(なので?)立派に積読なるものをしています。

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金閣寺/三島由紀夫

こちらもプレミアムカバーに惹かれて購入。90ページほど読んでいます。昔友人が読んでいた記憶がなぜか残っていたので絶対に読み終えるぞという強い意志はあります。

雪国/川端康成

中学生の時に購入していて挫折した雪国です。今なら読み切れるかも、という期待があります。こちらも新潮文庫のプレミアムカバー2016でした。「本は装丁から楽しみたい」というのは昔から変わっていなかったみたいです。

笑う月/安部公房

全部読んだと思っていた。途中までしか読んでいなかったです。短編集って一気読みするのはもったいないから少しずつ読もうと思っていたらいつの間にか読むのを忘れていました。挿画がとても不気味で良いです。

瓶詰の地獄/夢野久作

こちらは早く読みたくてうずうずしています。しかし同時期に読む本は3冊までと決めているので... 読み終えたら少女地獄と一緒に夢野久作noteを一本書きたいです。



【まだ購入していないけど読みたい本】

眩/浅井まかて

葛飾北斎の娘、葛飾応為の物語。彼女の描く光の表現力に興味をもったので、彼女を描いた小説も読んでみたいと思いました。読むのは実際に葛飾応為の作品を目にしてからかもしれない。

新ハムレット/太宰治

ハムレットを読んだついでに気になった作品。ハムレットの内容を覚えているうちに読みたいです。


今年に入ってから、本の最後にある解説ページを読むのが一つの楽しみになりました。時代背景を考慮した上での解説は勉強になるし、興味の幅が広がります。



ここまで読んでくださってありがとうございました。最後に更新してから思ったよりも月日が過ぎていました。海外で働くという夢は変わらずにいるので、英語の勉強、そして程よい趣味である読書や手帳について、これからもマイペースに更新していきます。よろしくお願いします。

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