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#阿倍野区
第十五話 茶道と水割りは紙一重
「ペルセウスビル」の3階に目的の店があった。
安っぽい扉の上には「赤い狐火」の表札がある。
丸井は大きく2回深呼吸してから重たい扉を開けた。
向かって左手側にカウンター、右手側にボックス席が2つ。客は誰もおらず、カウンターの中にポツンと1人女性がいた。
女性は携帯電話を触る手を止め、こちらを見た。
大きく見開いた目のクマは遠目でもすぐに確認できる。背負った悲しみが形となって現れたように
「ペルセウスビル」の3階に目的の店があった。
安っぽい扉の上には「赤い狐火」の表札がある。
丸井は大きく2回深呼吸してから重たい扉を開けた。
向かって左手側にカウンター、右手側にボックス席が2つ。客は誰もおらず、カウンターの中にポツンと1人女性がいた。
女性は携帯電話を触る手を止め、こちらを見た。
大きく見開いた目のクマは遠目でもすぐに確認できる。背負った悲しみが形となって現れたように