今月の記事　24年8月1日～8月31日

Detailと書いてあるのに「ディティール」と敢えて読む癖と小惑星

赤い胸　患部へシトラスをしゅっとスプレーさせて君待つ街へ

リズミカルな機械のよう　あなたの手　きらり左手　花火ですかね

不機嫌なジャスミンの蔦ゆらりゆら　ビリジアンの葉、すべてを見せて

十年後、ぼくらの足は二十年前の「ダサい」に追い越されてく

サンダルであなたの影に追いつくわけがないでしょう　夏風と汗

足首の鈍痛がまだあるうちは不便な波に逆らうでしょう

ティファニー色のペイントエリア　遠のく記憶に映えたスキール音

叶わないねがい　お腹がいっぱいで秋にはやはり要らない機能

顔出した向日葵の子はぼんやりと朝日見たまま欠伸していた

道すがら美味そうじゃんと気に留めていただくだけに指を鳴らすよ

永遠へ繋がる夢を時々でいいから思い出してください

迷宮を彷徨う羊　数字さえ追えば解けてく　パズルのように

君たちは元気に満ちたこの街で錆を喰らって生きてるのかな

高鳴りと惜別交じる三叉路で今年の桜もわたしを探す

からからん無くなりかけのコークハイ涼みに触れて八月二十日

やや厚手のワイドパンツの隙間へ黄色く凪いだ横切る小人

次の日へ走り始める霜の朝　六花に映るあなたは笑う

美しく年をとるには迷わずに笑顔になれる朝を知ること

二度三度　抗えないと思う日も美しくあれ　デニムのように

また君に逢いに行けるよ　キャラメルの猫に変わって走っていくよ