![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50835827/rectangle_large_type_2_5daa2db4b98eb1001da4721caa718f0f.png?width=1200)
保育園理事長から聞いたODA(政府開発援助)と、臨床心理士シェア
まさか保育園の理事長とお話ししていて、「クーデター」「紛争」というワードが山のように飛び交うとは思いませんでした。
「とても”どS(とてもソーシャルという意)”な経営者がいらっしゃって、国際協力のお仕事をされたことがあり、今は保育園で臨床心理士を雇って地域にもシェアされてます。話が合うと思います。」
いつもお世話になっている岡村先生からのご紹介で、京都で7つの保育園を経営されるS谷さんとお話しさせていただきました。
政府開発援助(ODA)という”多国籍プロジェクト”
S谷さん、前職はJICA(国際協力機構)の職員としてアフリカを中心とした地域へのODA(政府開発援助)に取り組まれていた、という経歴の持ち主でした。
独立行政法人国際協力機構
(英: Japan International Cooperation Agency、略称: JICA)。
独立行政法人国際協力機構法に基づいて設置された独立行政法人。理事長は北岡伸一[3]。外務省が所管する。2003年(平成15年)10月1日。政府開発援助(ODA)の実施機関の一つであり、開発途上地域等の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資することを目的としている。前身は1974年(昭和49年)8月に設立された特殊法人国際協力事業団であり、これについても一括して述べる。
wikipediaより抜粋
ODAを実施する際には現地で他国のJICA的なODA実施機関と「ドナー会議」というものを設置します。ODAに関わる援助国のことを「ドナー」と言うことも初めて知りました。
ドナー会議で現地の状況と把握し、その国の平和構築やガバナンス、基本的人権の推進、人道支援等を含む開発途上国の「開発」のための計画を立てます。
日本も含めたドナー国にはそれぞれ強みがあるため、課題や計画ごとにどの国がどういう支援を提供するのかを話し合いながら、プロジェクトを実施していくそうです。
ハードの建設から、人材育成まで多岐に渡ります。
スケールは段違いですが、頭の中にはプロジェクトチームで取り組む”まちのタレントバンク”のイメージが。
途中から「何かこの仕事の仕方や考え方に盗めるところがあるかもしれない。」みたいなモードになって聞いてました。
ちなみに、聞いていて特徴的だったのが、ステークホルダーの多さです。
・外務省(日本)
・JICA(日本)
・大使館(現地)
・JICA(現地)
・現地政府
・他国のODA実施機関(現地)
こんな感じで、たくさんの役者で展開されるODA。
各所と膨大な調整をしながら現地国民のためにプロジェクトを実行するんですね。S谷さんの口調から、その大変さが強く伝わってきました。
そこにさらに加わってくるのが「クーデター」や「紛争」です。
せっかく各所と調整して作った計画も、これらが起こることで簡単にひっくり返ります。壮絶です。
クーデターと言う言葉がこんなに短時間で飛び交うようなは人生で初めてかもしれません。
「ODAという”多国籍プロジェクト”」
どう考えても、超壮絶な現場なんだと想像できるんですが、このスケールの大きなプロジェクトを想像して、心踊った自分がいました。
保育園に2名の臨床心理士を雇い、地域でシェアするという凄さ
帰国し、保育園経営を始めてからも、社会課題に対して行動されるS谷さん。例えば臨床心理士を2人採用されています。
これは地域の臨床心理士不足が始まりでした。
あまり詳しくないんですが、普通、発達障害のお子さんなどがいらっしゃる場合、保健所などに相談して臨床心理士に話を聞くそうです。
ただ、なかなかすぐに予約が取れず、「半年待ち」ということもあるそう。
そういう状況を見たS谷さんは自前で2名を雇い入れ、手厚いケアの環境を整備。
さらに自身の保育園ではないお子さんにも臨床心理士の社員さんをシェアされているとのこと。
すごいですよね。
臨床心理士と言う仕事は実はいろんなところにニーズがあります。その領域は教育、医療、司法、福祉、産業まで。
ただ、スポットなニーズなんです。フルタイムで、となると難しいケースもあるんですね。
臨床心理士さんにまちのタレントバンクに登録してもらって、まちのカウンセリング室的に地域の学校や企業なんかでシェアする、とかも考えられるなあと。
「人に感謝してもらえることももちろんだけど、社会の理不尽に対しての怒りがモチベーションになるんです」
このS谷さんの言葉に共感したと同時に、JICAや保育園での取り組みとの繋がりを感じました。
というわけで国際協力の話から臨床心理士の話まで、本当に刺激的なお話をさせていただいたS谷さんと紹介してくださった岡村先生に感謝です。
ボリューミーになってしまいましたが、
今回も読んで頂きありがとうございました😊