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大人だってテディベアが欲しい。

わが家には大変可愛い子がいます。

タイトルでお察しの通り、テディベアのぬいぐるみが。
多分うちの子が一番可愛いと、テディベアやお人形を持つ人なら少なからず思うのではないでしょうか。


私は彼女にビビという名前をこっそりつけていて、家族にだけ教えてあげました。
それがもう何年前だろう…六年前?
二度ほど引っ越しましたが、どこへ越すにも一緒です。


ビビちゃんとの出会いは群馬県の伊香保 おもちゃと人形自動車博物館でした。



昭和レトロな雰囲気がたまらない、大人が行って一日楽しめるところでした。
その中のテディベア博物館という、なんとも魅惑的な名前の展示場にビビちゃんはいました。

一点もののアンティークなんて大層なクマではなく、ベージュとホワイトの二種類を大量に生産されたうちの一人。
けれどぬいぐるみ特有の、全部同じに見えて微妙な顔のパーツ配置の歪な個性があり、この子を連れて帰る!と抱えたのがビビです。

特段ぬいぐるみ好きなわけでも、まして幼女趣味も持ち合わせてはいません。
でも彼女をもう一度棚に戻す気にはなりませんでした。


ビビという名前はその帰り道にはすでにつけていて、買った時に首に巻かれていたモスグリーンのリボンに"vivi"と書きました。


その後はいつも見えるところに座らせて、たまに洗濯物と一緒に干したり置く場所もコロコロ変えながら、時に住むところさえともに変えながら今に至ります。

時々友達の子どもが遊びに来ると目ざとく彼女を見つけては、嬉しそうに抱えて「ビビちゃん貸して」と上目遣いでねだってきます。
もちろんOK。
ぬいぐるみは本来子どもに遊んでもらうためのものだと思うから。

帰る頃には他の遊びに夢中になって床に放置されているか、最後まで名残惜しそうに離さないか。
どちらにしても私も嬉しいのです。
ビビを連れて帰ってきて良かったと思えます。
普段は棚やソファにじっと座らされているだけのぬいぐるみが、子どもたちが来ることで仕事を全うできる。


子どもたちもペットが飼いたいお年頃で我慢していても、ビビを触ることで少し満足するようです。
自分たちだって可愛いぬいぐるみを持ってるのに、ビビがいつもお家にいることを羨ましく思うのだそうで面白いなと思います。
隣の芝生は青いのでしょうか。


だけれど私も、たまにビビをぎゅうっと抱きしめる時があります。
そのまま膝やテーブルに乗せたまま本を読んだりアニメを観たり、おやつを食べたりする。
ほんの時々そうやって、ほっとするのです。

大人だって、いや大人だからこそテディベアの存在意義を発見します。
なんにも言わない、ただのぬいぐるみ。言ってしまえば布と綿なのだけれども、その柔らかなかたまりにひどく安心する瞬間があるなあと思うのです。

私はおばあさんになってもビビちゃんを手元に置いていたいです。
首のリボンはたまにつけ替えて、時々スカーフを巻いてみたり。
綻んだらちくちく縫ってあげて、綿がへたったら詰め直して、そういうふうに大切にしたいなあ。


おくるみスタイル🧸



私のビビ。これからも一緒に。


それでは、また。

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