東京の夜と最近好きなロックの話。
最近好きなロックの話がしたい。
好きな曲はたくさんある。
じめっとした空気をまとった夜に、音楽を聴くのが好きだ。
最近のお気に入りはこれ。
眠れない夜に飛び込む 星みたいな光の街
飲みかけのコーヒーと 止まらない空調の音
眠れない夜に飛び込む 寂しさを抱きしめて
こんな夜に君に会えたらいいな
トーキョーナイトダイブ ここに君はいないのに
トーキョーナイトダイブまた夜が明けてしまった
トウキョーナイトダイブ/KOTORI
適当なサンダル・インスタにはあげられない雑なコーデ・ポケットのキーケースに財布。
最低限のものだけ持って、夜の公園。
電気を消して間接照明だけになった夜のベランダ。
東京に来て、7年経った。
いいところも悪いところも、しっかりと感じられるようになっても尚
東京にいるのだから、そういうことなのだなと思う。
想像していた東京での生活はどこにもなかったりする。
悪い意味ではなくて。
高校生になったけれど、屋上がなかったのと同じように。
23歳になったけど、セボンスター買っちゃうのと同じように。
東京での7年目は、多分理想と違うのだと思う。
高校生の頃思い描いた、東京での私は、ひとつも叶っていない。
東京は偉大。
いつまでも光る街。
朝まで響く居酒屋の笑い声。
ダンスの練習サッカーの練習キャッチボールの公園。
誰も気にしていないのに、誰かの目を気にする日々も。
エモいなんて言葉で片付けたくはないけれど、要するに、エモいのだろう。
ジメッとして
鬱々として
どこか気だるげな
そんな夏の夜はどこまでも孤独でどこまでも自分勝手な思考が巡る。
そんな夜を、一緒に過ごす君にいて欲しいのだろうし、
そんな夜を、考えていれば朝が来てしまう。
誰にも責められない、誰にも怒られない、自由で孤独でどこまでも理性的な街、東京。
を、「トーキョー」なんてPOPで不躾に、繊細に歌った曲。
トーキョーナイトダイブ/KOTORI
音楽を提供してくれるサービスは、履歴から私へのオススメを拾ってくれるし、
SNSで見かけた知りもしないバンドの曲も聞けば聴くほど好きになる、
コンテンツとしておすすめばかり並べたインスタだってあるし、
友達とストーリーでシェアしあう曲も好きだ。
好きな曲を増やしていく方法がたくさんある。
その好きな曲たちはきっと、ずっと、どこかで私たちが思っていたことや考えていたこと、口に出せずにいたことの具現化なのだと思う。
「この曲が好きなんだよね」とシェアできることは多分とても幸せなのだ。