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運慶・快慶作の東大寺四天王は「海住山寺」にあり!?現光寺に慶派の十一面観音坐像@重文【京都南山城シリーズ】

東大寺大仏殿には運慶・快慶作といわれる幻の四天王が安置されているはずだった。設計書は残っており、そのモックアップがこの寺の四天王では?という説がある。そんなアホな・・という人もいるようだが、この近くにある笠置寺は東大寺「正月堂(一月堂)」や「お水取り」の始まりなど、東大寺とつながりが強い地域である。最後に、四天王以外も素晴らしい仏像がある寺!

変更履歴

  • 2023/07/15 なら博「南山城展」によりブラッシュアップ

  • 2021/09/07 初版



▼HP

▼アクセス

京都府木津川市加茂町例幣海住山20

車以外でのアクセスは不明です。。道が狭いので運転には注意を!

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▼本尊と脇時

海住山寺:十一面観音立像@重文
現光寺 :十一面観音坐像@重文

▼見どころ

▽海住山寺

---↓2023/07/15更新

  • 735年、聖武天皇勅願で、良弁が十一面漢音立像を安置したのが始まりで「観音寺」とし、観音信仰の地である

  • 10世紀、本尊・十一面観音立像を製作

  • 1137年、山ごと焼失して廃絶

  • 1208年、笠置寺の僧が再興し「補陀落山海住山寺」と改める

  • 塔頭58も持つまでも増えた寺

  • 現在、五重塔@国宝、文殊堂@国宝と古刹である証拠を持つ

  • 1214年、五重塔@国宝を建立

  • 五重塔は国宝に指定されたものでは、室生寺の次に小さい(室生寺の方が大きい気がする。。私のNOTEはこちら

  • 1225年、経蔵を建立

  • 現在、本堂左の文殊堂は実は経蔵ではないのか説がある

  • 本尊・十一面観音立像@重文とは別に念持仏ともされる十一面観音立像@重文が安置されている(奈良国立博物館寄贈)

---↑2023/07/15更新

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  急激な坂を歩いて参拝する人が結構います。歩いて参拝すると山門から入山するかと思うが、写真の通りまっすぐ歩くと本堂があり、左手には五重塔があります。五重塔の右手にはお社があり、神仏習合が残っている。右手には文殊堂があったり、本堂裏手にもお社があるので、見逃さないように。

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 某テレビ番組では参道を歩くと40分かかるとか。
 この寺は解脱上人が復興したようで、南都の高僧である。やはり奈良繋がりですね。


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→五重塔@国宝 & 五重塔初層内陣扉絵@国宝

 室生寺に次いで小さい鎌倉時代の五重塔。貞慶が舎利を安置するために建立を始め、その没後、1214年に完成。 また、内陣を厨子風に造り、8枚の扉に一体ずつ、華麗な彩色で梵天・帝釈天などの天部や比丘像が描かれる。

 ちなみに1層目は裳階(もこし)と言われ耐震強化で、心柱が2層目からあるという意味で、唯一無二である。

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→五重塔@国宝:四天王立像@重文

 東大寺の大仏殿には運慶・快慶の巨大四天王が作られる予定だったことは知られています。最近、そのモック(ミニチュア)ではないかと言われているのが国宝の五重塔にいる秘仏「四天王@重文」です。
 色も綺麗に残っており、真意はともかく見てみてください。 普段見ている仏像は輝かしい色はないですが、作成されたときの仏像は煌びやかな色をしており、その状態で残っています。 あっ、秘仏のため時期は要注意で!!

東京国立博物館「運慶展」の感想メモ
 四天王@重文が展示されていた。
 やはり小ささを感じるが切金模様が際立っていることに気付いた。そして、色彩がこんなに残っているのは貴重だと見入っていると、玉眼なのに初めて気づき、二度びっくり!!
 実は東大寺より歴史は古く、最近、ここの四天王が「東大寺幻の四天王モックアップ」説は違うのではと思う今日この頃。。
 また、東京博物館で四天王を見て気付いたことが一つ、邪鬼も玉眼だった!!

https://www.jalan.net/travel-journal/000073071/

2023年 南山城展(2023/07/15更新
 大きな仏像にはミニチュアのモックアップがあり、この四天王は、東大大仏殿の幻の運慶・快慶作の四天王のモックアップでは?との噂がある。
 初見仏は雨の日で寺の五重塔で見仏したが、雨のためサッと見た感じだったのだが、2017年の東京国立博物館『運慶展』で、その意味が分かった。玉眼で切金が残り、細かいところまで丁寧に造られていたので。また、近年判明した運慶作の仏像と似通っていることも運慶展で展示された背景のようだ。この仏像は金剛峯寺(私のNOTE)の快慶作・四天王から広がった仏様式も入り、東大寺の古書に書かれた四天王の記載と一致することが多く、本当に、幻の四天王のモックアップになる日が来るかもしれない。

私のNOTE「2023年 南山城展」より
https://note.com/yanma_travel/n/nb64d84d5f412
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 運慶・快慶作の幻の四天王のモックアップ説の根拠として、1216年、神奈川・光明院の大威徳明王と制作時代や技法などがつながっていることが1つに挙げられる。

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→本堂「十一面観音立像@重文」と奥の院「十一面観音立像@重文」

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本堂には、ズングリムックリ型の通称、初期型「十一面観音立像@重文」(造語)が安置されている。

 春秋に木津川市の神社仏閣で特別公開されるので、そこで公開されることが多い。印象としては本尊は湖東(滋賀・東近江、長浜市あたり)に多いユルい顔で、奥の院はキリッとしている。醍醐寺の初期型十一面観音が国宝になったので、いずれ国宝になる予感がする。

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---↓2023/07/15更新

十一面観音立像@重文
海住山寺の本尊。カヤの一材造で内刳(うちぐり)はない。つり上がった眉に切れ長の目の個性的な顔立ちが印象的。古来より観音信仰の聖地だったことを物語るかのように奈良時代の仏像に倣(なら)った表現が見られる。

聖地 南山城 | 奈良国立博物館 (narahaku.go.jp)

→十一面観音立像@重文
 2体の十一面観音立像@重文を安置する古刹だが、一体だけ公開だったのが残念。。見比べしたかったな・・。
 さて、今回展示されたのは本堂の本尊・十一面観音立像@重文。コミカルな顔立ちだが、一木造りの仏像。大安寺の古像にも通じる衣文などで、観音の特徴の膝あたりまである長い腕と、印相が面白い。

私のNOTE「2023年 南山城展」より
https://note.com/yanma_travel/n/nb64d84d5f412

---↑2023/07/15更新

 過去には「飯縄(いづな)大権現」、「文殊菩薩騎獅像」も特別公開されている。

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→文殊堂@重文

寺の説明では経蔵と考えられている。

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「文殊菩薩騎獅像」は奈良寄りの仏像である。
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 文殊堂の文殊菩薩は、12313年に亡くなった僧の13回忌のものかもしれないようだ。東大寺の古門書から、大きさや制作時期などから可能性はあるよう。
---↑2023/07/15更新

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→役行者倚像および前鬼・後鬼坐像 2023/07/15更新

2023年 南山城展
 初見仏のような気がする。地理的に修験道があったというのは違和感がないが。。
 なんか後補で色を塗り替えたのか、違和感のある三尊だった。仏師は院延という仏師であることは墨書から分かっている。墨書には仏師・定朝摘流とあることから院派の仏師になるが、本当だろうか??図録でも専門家は他に制作記録がないため、謎の仏師としている。

私のNOTE「2023年 南山城展」より
https://note.com/yanma_travel/n/nb64d84d5f412

→その他

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本坊です。

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三重塔隣に三社あり。山奥の神社仏閣に神仏分離令を逃れたところが多い気がする。

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▽現光寺

海住山寺からみて南に3kmほどのところにある小さな寺で、海住山寺が管理している。

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1697年に再興された時、海住山寺縁起絵巻の詞書撰者である真敬法親王が復興させ、1712年に貞慶上人の五百年忌で、現光寺の僧が参詣したことなどわかっており繋がりが強い。

ここの見どころは金色の「十一面観音坐像@重文」と「四天王立像@重文」で、四天王は奈良国立博物館に寄贈しているのだが2017年は里帰りし公開された。

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 本尊は鎌倉時代前期作で像高74センチの坐像である。
ファーストコンタクトは小さいながらも美仏として有名な奈良・海龍王寺「十一面観音立像@重文」を思い出したが、じっくり見ると、体は奈良桜井・聖林寺の「十一面観音立像@国宝」で顔は玉眼だが慶派とは少し違う気がしたので、後で補修されたのではとも思った。
 顔は定朝の流れを組んでいるようにしか見えない。慶派の始まりとされる康慶より前で円派・院派・慶派が分かれだした頃なのだろうと感じる。だけど13世紀作なんですよね。ちょっと謎だな・・。修復と同時に行われるX線で何か発見されるだろう。

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あっ本尊は上記のコンクリで安置されています。

▼セットで行くところ

浄瑠璃寺、岩船寺、岡田鴨神社などいろいろある!運転のスリルを求めたいなら笠置寺へ!

↓4日目に笠置寺


▼仏像展



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