岩船寺は日本一紅葉が映える三重塔である/春日・白山神社【京都南山城シリーズ】
平安時代の行基作と伝わる本尊・阿弥陀如来像の周りに四天王が安置されており、自然に抱かれている感触を感じます。三重塔に縁の下の力持ち!?がおり、室町時代ですが重文です。
まっすぐ行くと岩船寺で、右に行くと神社があります。
岩船寺の良さは京都ではなく奈良なところです!?どういうことかというと、境内は本堂、池、三重塔が自然に囲まれ、すぐ近くにある感じがすること。
変更履歴
2023/07/15 奈良博「南山城展」開催でブラッシュアップ
2021/09/08 初版
▼HP
▼アクセス
京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
※車でないとなかなか行きづらい場所です。
紅葉時期に行ってみては?個人的には新緑もオススメです。
※岩船寺境内には駐車場なし。民営駐車場あり。
ということで、最後に浄瑠璃寺から歩いた場合の写真を掲載します。
▼本尊と脇時
岩 船 寺 :阿弥陀如来坐像@重文
春日・白山神社:春日大明神
▼見どころ
▽岩船寺
奈良と京都の境にある寺で、京都府だが奈良の方が近い
浄瑠璃寺と同じく奈良・西大寺派であるが、昔は興福寺末寺だった
関西有数の「あじさい寺」とも
聖武天皇勅願の寺
729年から749年、行基が創建とする
本堂、三重塔、石塔、五輪塔、石室、本堂は重文
946年、墨書より本尊「阿弥陀如来坐像@重文」が安置されたようだ
ケヤキの一木なので、神社の御神木から出来たのでは?という噂も
この寺の有名人「普賢菩薩騎象@重文」である
この普賢は合掌し、笑顔の白象に結跏趺坐で乗っている
平安中期の普賢菩薩騎象はここしかない
『岩船寺延喜式』によると、行基が奈良・鳴川に建てた阿弥陀堂がはじまりで、空海が「鳴川寺(厳密には善根寺)」を建て、1279年に岩船に移ったとしている
境内の摩崖仏には1287年の彫られておいる
1293年、本尊周辺の四天王が発願されたことは判っている
発願は興福寺の僧のよう
後述する「岩船寺から浄瑠璃寺テクテク」の通り石仏、摩崖仏が多く、そこに年代が書かれているのも特徴の一つ
2003年、三重塔に当初の装飾と色彩、文様が復活する。
→岩船寺:三重塔@重文
山門をくぐると目に飛び込んでくる高さは約18mで自然に囲まれた三重塔。834~847年に仁明天皇が宝塔を建立した。口伝と銘文から1221年の承久の乱で兵火を被ったらしく、室町時代の建立とも考えられている。
三重塔の四隅の垂木を支えるユーモラスな木彫「隅鬼」は重文なんです!
三重塔初層特別公開日に行くと以下のようなものが見れます。
→岩船寺:本堂
決して大きくはない本堂に、285cmの阿弥陀如来坐像@重文が安置されている。平安時代作の丈六で一木造りで、946年作である。
阿弥陀如来の周りには四天王立像がいる。奈良の般若寺の文書から発願主は、興福寺の要職を務めた僧と見られている。やはり、笠置寺、海住山寺も含めて、この地域は興福寺の繋がりが強いと感じさせる。
→岩船寺:普賢菩薩坐像@重文
文殊菩薩は獅子で普賢菩薩は象に乗っているが、この時代の獅子・象は空想や絵でしか知らなかったはずなので、仏師の凄さを感じる。象は正面・斜めから見ても笑っているように見える。これはここだけではなく、清凉寺なども同じで角度を変えて観るのが見仏ポイントである。元々は三重塔に安置されていたようだ。
→岩船寺:十一面観音立像
ズングリムックリ系。やはり海住山寺にも繋がる十一面観音立像。
→岩船寺:秘仏・如意輪観音菩薩、秘仏・弁財天、秘仏・羅刹天
通常非公開の「弁財天像」と「羅刹天像」は見仏済み。さほど印象がない・・というか記憶がない・・。
→岩船寺:境内写真
初夏の紫陽花と秋の紅葉は花まつりになる。紫陽花は毎年6月中旬が見どころのよう。
▽白山神社@重文/春日神社
岩船寺山門を出て左の階段を登ると現れます。白山神社と春日大社が並んでいる。周りには石仏があり、神仏習合が残っています。
しかし、木津川は住所は京都府だが、奈良の春日色が強いです。この近くに奈良県の円成寺があり、境内にある春日造りの社は鎌倉時代の春日大社の式年遷宮の木材をリユースしており、国宝です。ここらあたりは春日管轄だったということかもしれない。
左に白山神社。右に摂社春日神社。
この社殿は柿本人麻呂造営し、行基が祭神を勧請したそうな。この当尾(とうの)の地は、江戸時代まで興福寺の末寺だったらしい。そのため、春日が多いのだとか。
▼岩船寺から浄瑠璃寺テクテク
▼セットで行くところ(旅行記)
▼仏像展
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