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早稲田大学高等学院(H26・2014) 講評

大問1 場合の数 B-
場合の数に関する設問。場合の数の分野としては頻出の問題。当日試験場に座っていた生徒のほとんどは解けただろう。場合の数の問題は基本の考え方を組合わせて応用することで難しくなることが多い。今回のような標準的な問題を使って穴を見つけて埋めていきたい。
(1)男子三人を一つのグループとみなして順列を作る。
(2)両端の男子から先に決定する。優先順位が高いものを先に設定することが場合の数の原則である。
(3)女子を並べた上でその間に男子を入れていく。
今回のセットは典型問題が多かった。復習を重ねて扱えるようになっておきたい。
大問2 関数と平面図形・相似の融合 B
二つの分野の融合問題である。早慶高になると二つ以上の分野が融合した問題が多くなる。極端に難しくなったように感じやすいが、落ち着いてひとつひとつ分かることを処理していくことが重要である。また、比例定数aがわからない状態で手を進める必要があった。文字を扱うことを恐れる受験生も多いが、決して怖いものではないので、処理できるようにしておきたい。
(1)これは典型問題。早慶高受験者なら絶対に落としてはいけない問題。
(2)(3)「線分BCの長さは線分OAの長さの2倍である。」というヒントを使って、相似の三角形が作れることを発見したい。Y座標の伸びから連立方程式を立てることができる。
(4)OACBを切断して、面積の比を使って問題を解いていく。早慶高受験生なら解けるようになっておきたい問題。復習もしっかりと。
大問3 平面図形と円 B
円と三角形の融合問題。円と図形を融合させた問題は頻出である。円周角や接弦定理など、円と角度を融合させた上で、相似や合同な図形を発見させる形式は非常に多く出題されている。このセットでは、さらに有名角の三角形も融合された。有名角の三角形や、その辺の比を用いた問題も同様に頻出である。この問題は、力がつくので復習して物にしてほしい。
(1)OPと接線の角度が90°になることに注目。△OPBが有名角の三角形になる。
(2)△QAPと△QPBが相似になることに注目。さらに、QPBは有名角の三角形の組み合わせになることに注目。
(3)相似比の2乗が面積比になることに注目。
(4)∠AQBが90°になることに注目したい。
 
大問4 整数 B+
素数に関する問題。素数に関する特徴を捉えて問題を解いていきたい。
整数の問題は、約数や素数などの規則性を見つけることが鍵となる。いくらか慣れも必要だが、受験生が苦手とする分野でもある。図形や関数に比べて頻出とは言えないが、重要な分野である。復習をしておきたい。
(1)xyが掛け算であるのにnが素数になることに注目。
(2)偶奇の足し算引き算の結果に注目。この問題はこのセット最難関である。当日でも根拠を持って解けた受験生は少なかっただろう。

※素数について
素数は30程度までは言えるようにしておきたい。偶数の素数は2のみ、3連続の奇数が全て素数となるのは3,5,7のみなど、いくつか知っておきたいことがある。要チェック。
cf.3連続の奇数が全て素数になるのは3,5,7のみであることの簡易的な証明(今思いつきで書いています)
3連続の奇数について、2n+1, 2n+3, 2n+5 とする。(nは自然数とする。)
ここで、nの3で割った時の余りに注目するために、n=3k,3k+1,3k+2(kは自然数もしくは0である)とすると、
n=3kのときは、2(3k)+3 = 6k+3 = 3(2k+1) となり、k≠0の時は素数にならない。
n=3k+1のときは、2(3k+1)+1 = 6k+3 = 3(2k+1) となり、k≠0の時は素数にならない。
n=3k+2のときは、2(3k+2)+2 = 6k+6 = 3(2k+2) となり、素数にならない。
よって、k=0かつn=3k,3k+1でないと何かしらの奇数が素数にならない。
k=0 かつ n=3k のとき、
3連続の奇数は1,3,5となるが、1は素数でない。
k=0 かつ n=3k+1 のとき、
3連続の奇数は3,5,7となり、これらは素数である。
よって題意は満たされた。(終)
 
総評
早慶高としては標準的な問題のセット。当日試験場に座っている時に自分が解ける問題と解けない問題を取捨選択した上で、得点を重ねていく必要があるのが難しいところ。基礎の抜けが致命的なミスとなり得るので、不安が残る分野については早めのチェックをしておきたい。
問題は良質なものが多いので、復習を重点的に行いたい。

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