シャンプーで「ふくし」と「しふく」の違いを考えた。つまりはQOL?
【雑談以上相談未満 困ってなくても相談できる】フリーの社会福祉士(2001年開業)柳田明子です。
***今日は着地点が定まらないまま書いてます。約2000字と長くなりました。ずーっと下書きを書いたり消したり、頭の中で考えてもいました。いつまで経っても最後のピースがはまらないので、この状態で投稿しようと決めました。もしかしたら永遠の課題なのかも。皆さんのご意見をお聴きできれば幸いです***
さて本題。
私は誰かに身をゆだねて何かをしてもらうことが好きです。
例えば、マッサージ・整体・エステ・肩もみ・ヘッドケア…などなどです。
美容院でのシャンプーも大好きです。月に一度のヘアカットの際のシャンプータイムは私にとっては至福(しふく)のひとときです。
「誰か」にシャンプーをしてもらうことはとても心地よきことですが、では次のような場面ではどうでしょう。
私が要介護状態になり、介護のプロ(以下、ヘルパーさん)にシャンプーをしてもらう
…というシチュエーション。
同じく「誰かにシャンプーをしてもらう」なのですが、あまり「至福」とは言いがたい気がします。
なぜでしょう。「誰かにシャンプーをしてもらう」ことに違いはないのに。
大きく違うのは「誰か」が「誰」なのかですね。
美容師さんというシャンプーのプロなのか、ヘルパーさんという介護のプロなのか。
当然ヘルパーさんは介護職として清潔保持観点での洗髪技術は学びますが【美容としてのシャンプー手技の専門家】ではありませんから、その道のプロである美容師さんに洗髪してもらったほうが技術的な心地よさ度は高く、「至福」を感じられるでしょう。
でも、じゃあ資格の違いだけかというとそうでもない気がします。
さらに考えます。
例えば、もしも私が、
Ⓐ一時的に両手を骨折して自分でシャンプーができなくなって、美容院で髪を洗ってもらった
・・・とします。
美容院ですから気持ちは良いはずですが、「至福」とは言えないようなモヤモヤを感じます。
あるいはじゃあ、
Ⓑ要介護状態になって、【美容師資格を持ったヘルパーさん】に洗髪してもらう
・・・としたらどうでしょう。
技術的にはバッチリ心地よきはずですが、やはり「至福」とは少し違う気がします。
それ(Ⓑ)が「介護」という福祉(ふくし)サービスであるかぎり(※仮定)。
ⒶとⒷが「至福」とは感じられない理由は、その「誰か」が「何のプロか」にあるのではなくて、
①日常か非日常か
②本意か不本意か
にあるからかなと思います。
私が美容院でのシャンプーに「至福」を感じるのは、それが【非日常のスペシャル】だから。
Ⓑ(介護状態)は「誰かに洗髪してもらうこと」がもはや日常です。特別なことではありません。
非日常かどうかでいえばⒶも非日常ではあります。骨折という突発的な状態すなわち非日常。
だけど「至福」ではないのは、その状態で美容院で洗髪することは決して私が心から望むことではないからです。「骨折」という不本意な事態ゆえだから致し方なく、です。
もちろんⒷも不本意。望んではいない。
つまり【不本意+日常】ゆえにⒶやⒷは「至福」とは感じられない。「至福」を感じられるのは【本意+非日常】(=私自身が作り出した特別な時間)だからなわけです。
さらに言えば。
介護(に限らず福祉)サービスに「至福」を求めてはいけないような空気もあるような気がします(ゆえに上記の「※仮定」につながる)。
だけど。
「至福の瞬間なくして生きていく喜びなし」といっても過言ではないと私は思います。
至福はその人にとっての何ものにも代えがたい贅沢な(金銭的なことのみならず精神的に豊かな)ひととき。
そもそも「不本意」って人生につきものです。
その不本意を受けいれて、その思いがけない状況をクリアするために福祉サービスを利用して、望む生活に近づけていく。
そして、その「望む生活」とは…
「至福のひととき」を含む
…で良いんですよね?
「望む生活」って教科書的に言うと「QOLの向上」になるのかも知れませんが、それってつまり「あ~この瞬間のために生きている!」「生きててよかった!」という至福の瞬間がどれだけ日常の中に散りばめられてるか、ですよね?
福祉(ふくし)サービス利用の先に至福(しふく)があって、そのことに寛容な社会であったなら…と思ったり、北欧のある国では堂々と福祉サービスを使うとかの話を思い出したり、福祉業界の賃金の低さの根っこもここにあるのか?と考えたり、非日常じゃなくても至福感は感じられるかも…とか、今回はちょっと着地点に迷いながら「福祉(ふくし)サービスと至福(しふく)」について書きました。
本日は以上です。
今日も気持ちの良い一日を!
柳田明子社会福祉士事務所
〜聴く・伝える・ともに考える〜
(2001年開業)
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