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バスで行く北海道の山(札幌近郊⑤手稲山)


はじめに

 手稲山は札幌市民にとって藻岩山とともに札幌のシンボルと呼べる山の一つです。市の西側に位置し、テレビ局のアンテナが多数林立している姿は市内からよく見え、多くの市民にとって馴染み深い山であると言えるでしょう。1971年の札幌オリンピックではアルペンスキーの競技場として有名になりましたが、現在も市内有数のスキー場のある山として認知されています。
 札幌に住んでいると毎年、標高が高い手稲山の初冠雪で、冬の訪れを感じることになります。また、長い冬のあいだに時々、「警報級の大雪が降る」という天気予報が外れ、意外にも抜けるような青空が広がっている、いう現象が起こります。この要因として「雪雲が手稲山でブロックされた」のだという話をよく耳にします。このように札幌市民に四季の移ろいを感じさせてくれる手稲山ですが、札幌に住んで20年以上経つのに一度も登ったことのないことに改めて気づき、登ってみることにしました。

琴似発寒川の流れ

JRバス「平和の滝コース」登山口へ

 登山ルートはいくつかありますが、最も変化に富んでいて登りやすいコースといわれる「平和の滝コース」を選びました。市街地から近い山ですが、標高1,023メートル、登りの標準コースタイムは3時間となかなか手応えがありそうです。バスの本数も限られているので早めに出発することにします。アクセスは地下鉄東西線の琴似または発寒南駅からJR北海道バス「平和の滝」行きに乗車します。便数は1時間に1〜2本程度といったところですが、バス終点から登山口まで1.5キロ、30分程度の徒歩移動が必要になりますので、帰りの時間はこの時間を考慮する必要があります。


最初は快調。ガレ場で体力を消耗

 コースの最初は、しばらく琴似発寒川づたいに緩やかな登りが続きますが、30分ほど歩くと本流を離れ、左側に「布敷の滝」が見えるあたりから徐々に登りがきつくなります。やがて「ガレ場」と呼ばれる、岩がゴロゴロした場所に出ます。視界は開けますが、かなりの急斜面を岩づたいに登っていくのは体力を消耗します。もう疲れたので休もうか、と思っていたらガレ場は終わり、右手にスキー場のリフトが現れると頂上は間近。突然立ち並ぶ巨大なアンテナとアスファルトの道路に出くわします。ちょっと興ざめな感じもしますが、道路をさらに登り切ると、頂上に到着します。頂上は標高が高い山だけに遠くの山々まで見渡すことができます。定山渓天狗岳がいい感じに見えましたが、本来ならその隣に見えるはずの羊蹄山が雲に隠れていたのはちょっと残念でした。

山頂から見た定山渓天狗岳方向のようす

おわりに

 帰りは登ってきた道を快調に駆け抜け・・と行きたいところでしたが、ガレ場では浮石でグラグラしていたり、岩と岩の間に足が挟まったりなかなかうまく歩けず、結局登りとそれほど変わらない時間をかけての下山となってしまいました。それでも、札幌のシンボルの手稲山を「征服」できた充実感を感じながら、今日も山々を眺めています。

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