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『スラムダンク』新規、『THE FIRST SLAM DUNK』を映画館へ観に行く

 自分のこれまでを振り返ると、人生の必修科目みたいなコンテンツになんとなく触れずに大人になったな……ということがよくあります。

 その最たるものが『スラムダンク』。ですが、最近(2024/7/20頃)ふと『スラムダンク』が気になり始めて、テレビアニメをAmazonプライムで見るようになりました。
 そしてタイミングのいいことに、2024/8/13から映画『THE FIRST SLAM DUNK』の再上映が開始。せっかくなので映画館へ観に行くことにしました。(本エッセイのこの部分を書いている私は、まだ映画を観ていません。)

 昔からの大人気作品ですから、今時、『スラムダンク』新規がコンテンツに触れて映画まで見に行くまでの様子を短期間のうちに観察する機会も珍しいかもしれません。
 そこで今回は、以下の時間軸に沿って『スラムダンク』に対する私の認識・感想の変化を『#発言まとめメーカー』を利用した画像と共に見て行こうと思います。


 昔からのファンの皆さんからすれば「何言ってんだこいつ」という腹立たしく無礼に感じる内容もあると思いますが、「無知な素人がなんか言ってるなァ」と温かく見守って頂ければ幸いです。

 なお、『スラムダンク』は正式名称『SLAM DUNK』ですが、2022年公開の映画との区別をわかりやすくするために、あえて『スラムダンク』と表記しています。
 また、本エッセイにはテレビアニメ32話までと映画『THE FIRST SLAM DUNK』のネタバレを含みます。そして敬称略です。
 諸々、ご了承ください。


◯ ミリしら期間(~2024/7/20頃)

『スラムダンク』のマンガにもアニメにも接したことがない状態の私は、『スラムダンク』についてこんな風に思っていました。

※曲名についてはあえて誤表記をそのままにしています
  • 桜木花道と流川楓と安西先生
    →顔と名前が一致する登場人物はこの三人だけでした(アニメを見たことがないのでどんな話し方かはわからないけれど、流川楓がCV.緑川光なのは知ってる)。

  • 誰か「安西先生、バスケがしたいです」
    私(したらいいのに……)

  • 安西先生「諦めたら試合終了ですよ」
    私(どういうタイミングで言ったんだろう)

    →『スラムダンク』を誇る名台詞はもちろん知っていました。ただ、どんな状況で言われたのかは見たことがありませんでした。
    (のちに“誰か”への認識を猛省することになるのを、かつての私はまだ知りません。そして安西先生の台詞が作中で最初は誰に対する言葉として登場したのかも、その時誰の人生を変えたのかも、それがとても優しい「試合終了だよ」だったのも、もちろん知りません……。)

  • 『あなただけ見つめてる』『君が好きだと叫びたい』『世界が終わるまでは』
    →J-popの名曲揃い踏みアニメという印象。調べて気付きましたが、ZARDの『マイフレンド』も『スラムダンク』の曲だったんですね。名曲ジュークボックス……!
    そして、『世界が終わるまでは』の正式名称は『世界が終るまでは…』だとか。お恥ずかしいことに、これも知らなかった……。

  • 友達の実家の近くが舞台
    →『スラムダンク』の舞台になった地域で生まれ育った友達が居るので、あの一帯は「友達んち」という認識です。
    『スラムダンク』を観ようとする少し前には、友達と一緒に江ノ電に乗って「なんでみんな写真撮ってるの?」「スラダンのOPのモデルになった場所なんだよ」なんて会話をしていました。

  • 眼鏡の人がシュートを打ってからゴールに入るまでの間にめちゃめちゃ長い回想が入る(※)
    →だいぶ前の話ですが、友達の家に遊びに行った際にリビングでご家族が『スラムダンク』のアニメを見ていて、そこに偶然通りがかったことがあります。その時、「この子がボール投げてからが長いんだよ」と言われたので、少しだけ様子を眺めていました(唯一の私と『スラムダンク』の接点でした)。
    見ていたら本当に本格的な回想が始まって、席を外してしばらく経ってからリビングに戻っても、まだ投げたボールの行方がわからなかった……。

  • チョークでマンガ描いて話題になってた
    →「何かから数日後」みたいなものを黒板に描いていたような……。
    👇この記事に取り上げられているものです。2004年のことだったとか。

  • 『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌が10-FEETなのはその世代を狙い撃ちじゃんね
    →その時々のいい音楽が集まって来る作品は、どう考えても名作。


◯ テレビアニメ予習期間(2024/7/20頃~8/13頃)

 友達に『スラムダンク』見てるよと話したら、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の再上映があると教えてもらったので、観賞日までに映画のキービジュアルに居る登場人物が揃うところまでアニメで最低限は予習しようと決めました。

 とは言えアニメ全話を見終わる前でして、こちらはアニメ32話『天才花道! 必殺ダンク』までと『SLAM DUNK 吠えろバスケットマン魂!!花道と流川の熱き夏』を観たところまでの感想です。(私の中の桜木花道はまだリーゼントです)

物語を知って、登場人物たちへの愛着がわいたようです
  • 花道、心と体の成長バランスがちぐはぐすぎる
    →性格も話し方やバスケ初心者なのも知らなかったので、まずそこに驚きました。
    恵まれた体躯と身体能力がある一方かなり感情的で、怒りや焦りといった負の感情を暴力や怒鳴ること以外で表現/解消出来ない(方法を知らなそう)。そのせいか、「試合中に毎回同じことで注意される→でも納得出来ない→だから行動を改善出来ない」という流れが彼の中で定着しているように見えて、なんだか辛かったです。彼のこれまでの人生も「わざとじゃない」のに相手に向けてしまった暴力や暴言が理由で、叱られたり怖がられたりして来たのかな……などと思いを馳せました。

  • 「ナンピトタリトモオレノネムリヲサマタゲルヤツハユルサン」
    →流川が全体的に半角カタカナみたいな喋り方&自分はしっかりしてると思ってる天然な性格でこちらもびっくり。
    そしてなぜか私は、花道と流川はなんやかんや仲がいいんだと思っていたので、出会いが殴り合い&その後も特に親睦を深めないのにかなり衝撃を受けました(勝手に『呪術廻戦』の虎杖と伏黒みたいな感じだと想像してた)。

  • あなた木暮って言うのね
    →先述の(※)が私にとって唯一の『スラムダンク』と接した記憶だったので、木暮を見た時は「この人だ!!!」とだいぶテンション上がりました。感動の再会……!
    友達数名にヒアリングしたところ、私の周りで一番人気は木暮でした(あんなに穏やかで賢そうな人なのに、字がそこまで綺麗じゃないのが親しみを覚えます)。

  • 暴力! 暴力! 暴力!

  • 治安悪くない?
    →90年代の湘南怖すぎる……。いや、そういう時代だったのかもしれません(コンテンツの暴力表現という意味でも、若者文化という意味でも)。

  • 水戸洋平、死なない?
    →アニメを見るまで全く知らなかった水戸洋平、気付けば最推しになっていました。どうして私は、今まで水戸洋平を知らずに生きて来たんだろう…?
    しかし私は「推しを推すと推しが死ぬ」ことが多い星の下に生まれてきた人間。彼を推していると自覚した時から、死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしておりました。『スラムダンク』鑑賞中に友達に「水戸洋平は花道のために死んじゃいそうだね」と冗談で話していたのですが、なんやかんやで花道(バスケ部)をかばって数日謹慎処分になっていたので、やっぱり……と思いました。
    水戸洋平が登場したのがバスケのマンガ『スラムダンク』だから彼は生きていますが、『PSYCHO-PASS』だったら死んでそうだ……
    おまけ:これまでに私が推しの死に怯えて来た経験を踏まえた短歌がこちら👇

  • 「要チェックや!」もスラムダンク発祥だったのか
    →『スラムダンク』はネットミームの宝庫。と言うか「要チェックや!」に元ネタがあるなんて知らなかった……。まだ他にも『スラムダンク』発祥のネットミームはたくさんありそうですね。

  • 晴子かわいい、ゴリかっこいい

  • ヤス、見れば見るほど好きになる
    →アニメを見て行くうちに好きになる人が本当に多いです。特にこの三人は、噛めば噛むほど味が出ると言うか……。
    最初からかわいい晴子は、回を追うごとに「花道が好きになるのもわかるなあ」と納得感が増します。『あなただけ見つめてる』が晴子から流川への思いの歌なのはEDを見て初めて知りました。必ずしも楽曲=晴子ではないと思いますが、あの歌のどこかしらが彼女の心境とリンクしているんだとしたら、晴子はミーハー心ではなく、かなり真剣かつ情熱的に流川のことが好きなんですね。
    赤木(と木暮)のリーダーシップは、尊敬と羨望のまなざしで見てしまいます。大人になると、赤木と木暮があの状態で居る難しさや苦労がひしひしと感じられるので……。そして、喫茶店でいつも木暮をソファ席に通している優しい赤木も好きです。ヤスも最初はほわっとした優しいお兄さんかと思っていましたが、バスケ部襲撃の際には勇気ある行動を咄嗟に出来てかっこいいなと思いました。

  • 恋が原動力になり過ぎる
    →花道がバスケを始めたきっかけも、宮城がバスケに命を懸ける理由も「恋」だとテレビアニメでは語られていたので……。それだけ恋に夢中になれて、その恋がバスケと紐づいているのって結構な奇跡ですよね。こんなに恋が原動力・行動原理になっているお話だとは思ってなかったです。(先述の晴子の恋心も含めて。)
    90年代という時代背景、海辺の街、ストレートでかわいらしい恋模様……というのがめちゃめちゃシティーポップな気配で一周回って今時な雰囲気。音楽やファッションが80~90年代に回帰している令和において、映画新作が登場したのは絶妙なタイミングだと思います。

  • 昔のアニメはゆとりがあるなあ
    →全体を通して、現代のアニメよりも時間の使い方にゆとりがあるなと思います。数分間使うあらすじ、同じ場面の繰り返し、ギャグシーンの多さ……といった辺りが新鮮です。今の1クール12話、特別な回はOP/EDを削って表現する、という時間感覚とは違うものがありそうです。

  • バスケ出来て……よかったね……!!!!!!
    →バスケしたいならすればいいのに……なんて思ってて申し訳ありませんでした……。三井がバスケを出来るようになって、本当によかったです。不良三井を見た後で知った中学時代の光の三井には戸惑いましたし、復帰後の三井の姿は感無量でした。安西先生に「もうケンカはしないかね?」に対して「もう二度と……」と答えた重みもグッと来ました(その後割と普通に血の気が多いのも人間らしくていいです)。
    そして何より、主人公の花道より先に、丁寧に過去を語られる不思議な人……。彼の歴史を語ることで、赤木・木暮の思いも語ることになるのは上手い構成ですね。人の思いが集まる人というのは、よほど愛されているか嫌われているかの二択だと思います。そういう意味では、三井はバスケをやっていたあの頃も、不良になっていた時期もバスケ部復帰後も、周りの人になんやかんや愛されているような気がします。


〇 映画『THE FIRST SLAM DUNK』鑑賞後

 出来る限り準備を整えて、いざ映画館へ。映画を観終わった感想がこちらです。ここからは、映画を観た後の私が書いています。

 あれこれが全部吹き飛んでしまったのですが、さすがにこれではどうにもならないので、いくつかの項目に分けて感想を綴ってまいります。

1)音楽がもう……

 何で最初がこの項目? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、音楽は私の中で特に大切な趣味なのでご容赦下さい。

・OPがもう……
 先述の通り、『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌が10-FEETなのは事前に知っていましたが、まさかOPがThe Birthdayだったとは……。鉛筆で描かれた登場人物たちが歩き出す映像もかっこよいのですが、そこにあのバリバリのベースが聞こえた瞬間の高揚感。そして現れたチバユウスケの声……!
 だめだ。だめでした。この時からもうあんまり記憶がありません。

 チバユウスケはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの元メンバーで、2023年11月に亡くなったバンドマン。タイミングが合った人は、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT時代に出演した歌番組『ミュージック・ステーション』で、出演をドタキャンした海外ゲストの代わりに急遽もう一曲演奏した伝説をリアタイしていた方もいらっしゃるでしょう。

 私はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTには間に合わなかったのですが、The Birthdayのライブは何度か見たことがあります。熱心なファンかと言われると自信はないものの、少なくとも、チバユウスケが「日本のかっこいいバンドマンの象徴」であることは知っています。
 そんな彼の音楽を、2024年にスクリーンで聴けるなんて。もう、涙腺がだめでした。

・10-FEETとの物語の相性の良さ
 さて、10-FEETと言えばライブでこんなMCをするのが印象的です。
「嫌なこともつらいことも全部、俺たちのライブにぶつけてくれ」
 これはボーカルのTAKUMAの言葉で、私はそれほどたくさん10-FEETのライブに参加出来ている訳ではないのに毎度聴いているので、お馴染みの考え方なのかもしれません。

 今回『THE FIRST SLAM DUNK』を見て、この考え方って「ライブ」を「バスケ」にすれば登場人物たちにどこか通じるなと感じました。特に、宮城リョータに。作中で語られた彼の悲しい過去を全部「捨てる」のではなく抱えて「ぶつける」場所としてのバスケ。「生きるためのバスケ」を宮城はしているし(原動力は恋だけじゃなかったんですね……。どんなに大人びてても、高校生が「生きてるのが(兄じゃなく)自分でごめん」なんてお母さんへの手紙に書いてしまうのはあまりに辛くて辛くて)、他のメンバーも息をするためにバスケしてるところがあるんだな、だからこんなに熱いんだな……。
 そう思ったらなんだかもう感無量で、頭と涙腺がパァーーーーンとなってエンドロールを見ているのが大変でした。(更にエンドロールで「チバユウスケ」の文字を見つけたのでよけいに……。)

 サントラ、TAKUMAと武部聡志ってめちゃめちゃいい布陣ですね。やっぱり、名作にはいい音楽が集まって来る。


2)客観の男、三井寿

 私にとって最初は(バスケしたらいいのに……)の印象だった三井が、この映画で最終的に大好きになりました。と言うのも、自分にはこんな背景があったからです。

 かねてより私は、「地獄が服を着て歩いている人」と「そこに救いの手を差し伸べる/差し伸べようとする圧倒的に強い光を持つ人」という構図が好きです。例えば『スター・ウォーズ』のカイロ・レンとレイ、『オペラ座の怪人』のファントムとクリスティーヌみたいな組み合わせです。

 で、『THE FIRST SLAM DUNK』を見て思ったのですが、三井は「地獄が服を着て歩いている人」であると同時に、「そこに救いの手を差し伸べる/差し伸べようとする圧倒的に強い光を持つ人」なんですね。その二つを内包しているからとても魅力的なんだと、映画を観て気付きました。

『スラムダンク』初心者の私が申し上げるのは本当に気が引けるのですが、インプット量が少ないからこそ際立って感じた三井の特徴の一つは、「自分をかなり客観視している」こと。

 例えば、
「脇役が居るから主役が引き立つ」
「今日の三井はいいぜ」
「俺が誰だか言ってみろ、俺の名前を言ってみろ」
といった旨の発言。
 どれもこれも、“今自分がどこに居る/居ない”かを把握した上で、自分/他人に言っているように見えます。自分を客観視するのって難しいことなので、安西先生が言う、「三井は知性を湘北高校バスケ部に持ち込んだ人」というのも納得です。
 そして、この客観性が三井の「光」で、自分を客観視するのを止めた時が彼の「闇」なんじゃないか……と。

 賢い彼は、膝を怪我して入院した時もバスケ部から離れた時も、自分がどんな状況かわかっていたのではないでしょうか。バスケ部襲撃の前に徳男に言われた「バスケ部に戻りたいんじゃない?」という気持ちもずっと自覚していて、その上で光をもみ消して見ない振りをして闇を背負った。その時も多分、「戻りたい→そんな訳はない」という思考回路を何度も繰り返しながら、その思考が見えなくなるほど暗いところへ行こうとしていたんじゃないかと思います。

 アニメの何話かの予告で、三井が「バスケはもう俺にとっての思い出なんだよ」と言っていて、決して「過去」とは言わなかったのも印象的でした。(過去はただの「事実」ですが、思い出は「自分が選んで大事に心の中に仕舞って時々見返すもの」ですよね……。)

 バスケ部襲撃でバスケ部の面々を目の当たりにして、暴力沙汰を起こして、木暮や赤木の言葉を聞いて、安西先生の顔を見て……とあらゆることが起きた結果、彼は嫌でも自分を客観視したと思います。自分がどこに居るか、居ないのか、何がしたいのか、自分は誰なのか。

 もちろん、安西先生がその場に現れてくれたことが大転機になって「バスケがしたいです」と思いを吐露出来たのは火を見るより明らかです。その上で、彼が口にしたのは「バスケ部に入れて下さい」や「バスケをやらせて下さい」という頼み事や「迷惑をかけてごめんなさい」といった謝罪ではありませんでした。口にしたのは、「バスケがしたいです」という純粋な願望です。

 この瞬間、三井は自分の中にその願望があることを客観的に観測して受け入れた。色んな人が三井に手を差し伸べたのと同じように、「バスケがしたいです」と言った瞬間、三井自身も自分の光で自分に手を差し伸べたんだろうと、『スラムダンク』初心者の私は解釈しています。きっと三井が自分に向けた光は、最高に明るくてささやかで大切で、ずっと心の奥に仕舞っていたあったかい光だったんだろうなあ。

『THE FIRST SLAM DUNK』の劇中、腕が上がらないとぼやきながら何度もスリーポイントを決め、「俺にはこれしかない」と言い続ける彼を見ながら、そんなことを思いました。
(それでいて、中学一年生でみんなに感じ悪いと思われていた宮城に「小学生?」と声をかけて、ザクザクと心に踏み込んでくるのがまたいいですね。この人の本性はやっぱり光なんでしょう。)

 あと、どうやって三井への応援の気持ちを表現したらいいのかわからなかったので、キーホルダーを買いました。飾るか使うかは考え中です……。

ラバーバンドは復活上映限定の入場特典らしいです。


3)山王が気になる

 予習が……間に合わなかったから……。山王については何も知らない状態で映画を観ました。これは単純に私が悪いのですが、その結果「なんかわからんが強そうな敵!」として山王を見られたので、それはそれで面白かったです。

 全員同じように見える坊主頭や、宮城の幼い頃から名を馳せていた学校である(そして当時から坊主頭というある種記号化した存在である不気味さ・強者のオーラがある)のも興味深いです。
 彼ら、アニメの何話から出るのかな……? 後ろの方かな……?

※追記1
エッセイを公開した後に調べたんですが、テレビアニメで山王って出て来ないんですね……? 山王の人たちは『THE FIRST SLAM DUNK 』で初めて声がついて動いたってことなんですか……? なんてこと……


4)映画館で観られてよかった

 私は今回Dolby Atmosのスクリーンで鑑賞しまして、かなりよかったです。沖縄の場面では環境音、バスケの試合では声援が自分の前からも後ろからも聞こえる……。没入感が段違いでしたし、試合中は心が躍りました。

 また、試合の表現がテレビアニメと比べて具体的で、普段バスケの試合を見ない私にはかなり有難かったです。
 90年代製作のテレビアニメの場合、どうしても試合中の動きや背景の表現に限界があります。そのため、実際のバスケの動きをどこまで想像出来るかどうかで、没入感や試合運びへの理解度がかなり変わる印象がありました。

 その限界を超えた映像が大きなスクリーンといい音響で観られるので、迫力がもうすごい。正直に申し上げると、試合のシーンが多いと飽きてしまうんじゃないかと不安だったのですが、音や映像の迫力のおかげでぐいぐい引き込まれ、応援上映でもないのに声が出そうでした。

Dolby Atmosはいいぞ。(追加料金が必要なのでご注意を。)


5)花道……?

 私の中ではまだリーゼントの花道が映画では坊主になり、ちゃんと試合に出てバスケをしているところが見られて感無量でした。でも、まだバスケ初めて四カ月なのか……。成長速度がすごいですね。(後、これはメタ的なことですが声が変わって高音が減った分、なんとなく賢さが増した印象があります。アニメの花道と比べるとちょっぴり寂しいけど、成長した証拠とも言えるのかなあ。)

 また、映画でも登場した安西先生の「諦めたらそこで試合終了ですよ」(こっちでは「ですよ」なんですね)という言葉と気持ちが、ちゃんと花道に届いていたのも嬉しかったです。

 そして、『スラムダンク』全体では花道が主人公なのに変わりはないと思いますが、まさかの主人公が背中を怪我するエンドだったのはびっくりしました。それでいて彼のその後が映画で語られないのがまたなんとも……。
 どうなっちゃうの? 続きはどこにありますか……?


おわりに

 こうして数十年遅れで駆け足で『スラムダンク』を履修した私は、すっかり『スラムダンク』のファンになりました。
 映画『THE FIRST SLAM DUNK』だけでもまだ語り足りない要素、登場人物それぞれに感じた想いはありますが、書き出したらキリがないので後ろ髪を引かれながらこの感想文を終わりにしたいと思います。

 ずっと愛され続けている名作は、やはりいつの時代に見ても面白い。かつて連載・アニメ放送中の時期の私にはまだ早かった作品だったのかもしれませんが、ようやく見られるような自分になってよかったなと思いました。
 生きてると面白いことがありますね。

 それでは今日はこの辺りで。皆さんも、『スラムダンク』とのよい夏をお過ごし下さい。

 私は、これを書き終えるまで開くのを我慢していた映画のパンフレットを今から読みます。


※追記2

 2回目行って来ました。既に鑑賞済みだからこそ「“好き”が確定してる時間が始まる」と家を出る前からずっと緊張していました。初見時は冷静さを欠いて涙で歪んでいたオープニング、今回は視界良好でバチバチにかっこいい映像を見られたのでよかったです。あのイラストのグッズ欲しいですね。
 今回は映画のパンフレット読了、テレビアニメを93話『2万本への挑戦』までを見た状態での鑑賞でした。映画にちらっと映るテレビアニメの一場面に気付けたり、彼らの過去から続く思い(特に木暮と赤木の物語)を更に強く感じながら鑑賞出来て感慨深かったです。また、安西先生は自分の元を離れて壊れてしまった生徒(2人目)を湘北で目にした時、どんな気持ちだったんだろうなぁ、などと思いを馳せました。
 それにしても、山王が出てくるテレビアニメが見たいですね……。

使う場面が他にないのに買ってしまったカップホルダー。また復活上映に参加出来る時があったら持って行こう

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』公式サイトはこちら。

その他、映画感想文はこちら。

アニメ感想文はこちら。

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© 2024 Aki Yamukai

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矢向 亜紀 / やむかい あき
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