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#ドラマ感想文「ヒョンジェは美しい」(2022年)

あらすじ
なかなか結婚しない息子(三兄弟)を持つ親が仕掛けたのは、一番先に結婚した者にマンションを譲るという婚活プロジェクトだった…。

感想
最初は明るいラブコメ&ホームコメディなのかと思っていた。しかし、回を重ねるうちに「生き別れ」「大病」が出てきて、最終話では次男が義母に肝臓を提供して生体肝移植手術をする。という話がメインでおわった。
韓国ドラマ“あるある”に、そろそろうんざりしてきた。

このドラマは、婚活と家族愛がテーマのようだったけれど、私には感動できなかった。それどころか「家族なんだから」という言葉が出てくる度にモヤモヤした。
理不尽や自己犠牲の答えが「家族なんだから」という理由で片付けられている気がして、何とも言えない不快感を覚えた。
「家族なんだから」という理由で、主人公ヒョンジェは、義母(妻の母)に臓器まで提供するのだ。ドラマとはいえ、ドラマだからこそ、これを美談として描いてしまうのが恐ろしい。
他にも「なんでそうなるの?」と、納得いかない設定や、「それ笑えないんですけど」と、思うシーン等、気にしだしたらモヤモヤすることの多いドラマだった。

前半はコメディタッチで面白いかも、と思ったりしていたけれど、「男尊女卑」「家父長制」「家族信仰」が感じられるシーンが多く、最終的には、げんなりしてしまった。

「家族」「愛」「正義」という言葉は、難しい。使い方を間違うと、とても危険な言葉だと私は思う。
それぞれ尊いものであると同時に、それを盾に、言い訳に、都合よく使われる道具としての言葉にされてしまう危険がある。
エンタメを使ったプロパガンダに、敏感な方なのかもしれないが、今回は少々私の許容範囲を超えたものだったのかもしれない。

<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>***
<© 2024 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

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