#読書感想文 益田ミリ「東京あたふた族」
益田ミリのエッセイ。
1.上京物語(東京へ来た当初の話)、2.東京あたふた族(コロナ前とコロナ禍のあれこれ)、3.終電後(ちょっと長めの5本のエッセイ)、の3つの章からなるエッセイ。
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感想
益田ミリさんのキャラクターが、なるほど、こういう感じの人なのか…と、わかるエッセイだった。
上京物語が1番面白かった。
イラストを売り込みに行く話や、マンションでの出来事などを読む限り、益田ミリさんの営業力の高さを感じられる。
益田さんが上京した頃って、東京のマンションで、まだこんなふうに人情のある暮らしがあったのかしら…と、振り返ってもわからないなぁ〜なんて思う位、周りの人に恵まれた上京生活に映る。
益田さんは、自分では呑気なキャラクターだと自覚しているようなけれど、エピソードを読む限りでは、呑気というより度胸のある人、バイタリティーのある人という印象だ。
“正しい”と“皮肉”と“丁寧”と“ずぼら”その他いろいろ“矛盾”を抱えた面白い人。
エッセイには共感できるところが結構あった。
これって青春っぽい、とか思って楽しむところとか、とても共感する。
24時間営業のマクドナルドへ行ったエピソードでは、夜中にでかけることに意味があると考えたり、夜中のファーストフード店でおしゃべりする老婦人たちが気になり、いつまでいるのか見届けるところとか、なんかわかる。と感じた。
お金の使い方と、バイタリティーは全く異なるのだけれど、〇〇している自分という見方をする視点とか、なんか違うとか理屈ではないことを肯定する点とか、共感と憧れを持ち合わせたキャラクターの人。そんな印象が残った。
図書館の返却期限が来て、あと少し読み残しがあった。またの機会に残りを読みたいと思う。
〈文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手〉
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