#ドラマ感想文「油っこいロマンス」(2018年)
テンポの良いコメディで面白かった。
消費者金融の親分チルソンが、情に熱く、優しく、セウに一目惚れしてしまうような可愛らしさもあって、愛おしくなるようなキャラだった。
子分たちも含めて、コメディチックに描かれているので、皆可愛げのある人に見えてくる作りになっていたと思う。
じゃじゃ麺がキーポイントとして何度も出てくるのだが、タイトルにもあるように、見た目がとにかく油っこい。混ぜる時の“ねちゃっ、ねちょっ”という効果音も入り、かなりジャンクな食べ物という印象。けれど、無性に食べたくなる系の品だということは伝わってくる。
私が昔からイメージしているジャージャー麺とは別物なので、このドラマに出てくるじゃじゃ麺は、あまり食べたいと思わなかったけれど、日本のジャージャー麺と言えばよいのか、昔食べたジャージャー麺をドラマを見る度に食べたくなる。
劇中の料理では、酢豚は美味しそうに見えた。
ネットでこのドラマについて書かれた記事を読んでいたら、チルソンの母親とスアの母親役は1人二役で演じていたと知った。チルソンの母が、なんか素は綺麗な人っぽい気がしていたので納得。
"当初の予定より短くなったらしい"と書かれていたのを見て、いろいろ端折ったのかな?とも思ったけれど、人気がなかったのだろうか。
はちゃめちゃ、ドタバタなところもあったけれど、私は面白かったし、楽しみなドラマだった。
残念だったのは、おそらく見せ場である料理のシーンが、私にとっては、ちょっと苦手だったこと。直接味見したり、口で小籠包を膨らましたり、衛生面が気になるところもあって、食べたくないと思わせてしまう。
厨房はファミリー。仲間。料理に全力をそそぐ青春。繁盛していく過程の楽しさ。やりがいのあることを熱心にという話は良かった。
上昇していく、成長していくという話は気持ちが上がる。
OST(韓国ではドラマで使われていた曲、サウンドトラックをこう呼ぶらしい)もドラマを盛り上げるのにぴったりで、良かったと思う。
はまったのは、やっぱりチルソンのキャラがとてもよかったというのが1番の理由かもしれない。
繰り返し見ても楽しめる作品だと思った。
<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>
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