![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109392803/rectangle_large_type_2_2a654661d4a4428f4064ea8bc215272d.png?width=1200)
こう食べろ!って言われると体温下がる
iyamori(スナック)➡︎【同伴は普通は嬉しいの?】からの絡み
*****
「合流しました〜」というメッセージを一応ママにLINEで送った。
その日はyamoが勤めるスナックの男性客が、Mちゃんのお誕生日のプレゼントにと誘ってくださった寿司屋での食事の日だった。
Mちゃんのお誕生日なので、yamoはオマケ。
スナックの女の子仲間であるMちゃんと合流した時に、駅前で「ホラ♫ママに1枚1枚!」と、チャチャっと撮った写真も添付した。
めっちゃ良い笑顔で女の子2人は写っている。
スタートは上出来。
*****
「たまには良いもの(寿司)食べてきなさい♫遠慮はダメよ〜」なんて、心から嬉しそうにyamoに男性客との同伴出勤を推してきたママに、お客様と外で食事なんかしたくない〜とごねて、それを、「分かったわよ。2度目は無しね」と、受理してもらったという経緯が有る今回の、yamoにとって人生で初の「同伴」だった。
前日に、「明日は忘れずに、時間に遅れずに行ってください。お願いします」という内容のLINEメッセージをママから受け取っていたので、心配をかけてしまっている若干の後ろめたさからの笑顔での1枚だった。
*****
良いもの。
良いものね〜。
連れて行かれたのはたしかに、自分でお金を払って入れるかって言ったら入れないようなお店だったと思う。
https://wedgehouse.jp/kusabiya_aobadai/
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109395362/picture_pc_97d764ca4833f14edd12ae546b237b84.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/109395419/picture_pc_ec4311de072ce19543231e53fd760935.png?width=1200)
「手で取って食べたらいいんだよ 笑」
「え、あ、スミマセン〜 笑」
運ばれてきた特上握りの皿にエビが有って、右利き用に盛られているエビの握りがうまく箸で扱えずに苦戦していたのはMちゃんである。
yamoはどんどん箸でパクついている。
あんなに嫌だったお客様との外での食事に、うむ、さすがに美味いなとは思っている。
とは言え、普通に寿司だよな〜とも思っている。
「だって〜、右利きように盛られちゃうと〜Mは左利きだからさ〜」
箸で取りにくいんだというジェスチャーを見せているMちゃんに対して、男性客の1人が「やれやれホントに何も知らないんだな江戸前の寿司っていうのは手でこう取って醤油はこうここに付けてクイっと口に頬張って食べる!箸でなんてナンセンスなんだよな〜」と。
「どうやって食べるのかな〜って見てたらやっぱりだったよ」(ニヤニヤ)
うげ。
「ええ〜どうしよお〜もう1回ちゃんと教えてくださ〜い」と、正座に座り直したのはMちゃんである。さすがだ。これは可愛い。。
うるせ〜よ帰りて〜ぞと無視して箸で食べ続けているyamoとは大違いだ。
yamoは、お造り用にいただいていた刺しちょこに、たっぷりのワサビを溶かして使っていた醤油をそのまま特上寿司にも使っていた。なんならネタではなくシャリに醤油を付けて食べていた。シャリにほんの少しの醤油。
それを、何度も言うが、箸で。
別に普通に美味しい。
それをお客様に指さされて、「それはやっちゃいけないんだよ」と、言われながら「へー」とか「ふーん」とかと言いながら無視して、箸で、その醤油で、寿司は食べ続けて完食した。
せっかく美味しいのに台無しだくらいに思っていた。
色々言われてもへっちゃらで食べ続けるyamoに対して、男性のお客様2人はもう何も言わなくなった。
そうなってからyamoは大体いつもハッとする。
自分の不機嫌さを出し過ぎてちゃいけないと。
もう充分もしかしたらyamoの不機嫌は伝わっているのかもしれないが、yamo的にはやっとここから軌道修正に入る。
男性2人のお客様に対してニッコリと、満腹です本当にありがとうございます♪と、それぞれに目を合わせて笑顔を向ける。
お、おおう
うまかっただろ?
美味しかったですよ〜
な?だろ?へっへっへっへへへ
「ちょろい」笑 ウソウソ
Mちゃんはせっせと男性2人のグラスに氷を足している。
「もっと?」
「いや、これで(OK)」
「ん♫(OK)」
氷をグラスにトングで入れるというだけの仕草に満面の笑み。
さすがだ。
グラスに入った氷はさぞ美味しかろう。
その日飲んでいた芋焼酎は極上の味がしたに違いない。
どんどん飲んで気持ちよくなったらイイ。
そしてyamoの若干の不機嫌っぷりは記憶の果てに霧散されてしまえ。
とは言え、男性2人の杯が進み、気持ちよく酔ってきたからだろうと思うけれど、特上の握りも一皿完食して、その前にお造りもそこそこ食べて、満腹すぎる〜ってところに車エビの握りも出てきてウンザリだった。
うっかり「もう要らないって言ったじゃ〜ん」と口走っていなかったか?yamo。
大丈夫か?
そんな心持ちのyamo。
ところがその車エビは、開いた身に醤油を垂らすと何の作用なのか、ちゅるちゅるっと動くのだ。不機嫌で無表情なyamoちゃんの顔がその瞬間パッと明るくなったかもしれない。
いわゆる目で楽しい。
わあああ〜〜とかキャーとか言っているyamoとMちゃん2人に、
「いいから早く!今食べてみろって」と、男性2人も楽しそうだ。
で、これだけは箸はダメだった。
手で!!と、醤油が付いた身の部分を舌に乗せろ!と命令されて、yamoはそれに従った。
1回くらい従ってやろう。
舌でエビが動いているのを感じられたかどうかについては感じられなくて、正直に「わか〜んな〜い」と答える。
その「わか〜んな〜い」はyamoとMちゃんとで同時に発声して、男性2人を「ハモってんじゃねーよ」と上機嫌にさせた一幕だった。
*****
2度としない。
2度目は無い。
スナックに来ているお客様と、それがどんなに高級でどんなに「良いもの」であっても、お店以外の所でお客様とだけで食べたいとは絶対思わない。
時給も出ないし。
「次はイタリアンだからな〜」と、寿司屋の帰りの道道また誘われたけれど、「いえ、スミマセン」と断った。
それまで上機嫌で店を出て、道を歩いていたところから、打って変わって言葉を失っていた。
え?
あれ?という気持ちのyamo。
行きませんよ?
*****
とは言え、本当にご馳走様でした。
車エビのあとのコハダとカンピョウ巻きも美味しかったです♫
美味しいと、満腹だ満腹だと思っていても食べれちゃうもんなんだな〜と思えた夜でした。
日常はドラマに満ちている。
ではまた♫