『晴明伝奇』第6話 賀茂の娘
▶天慶五年(942)― 天慶六年(943)
晴明は賀茂忠行から梨花を娘として育てることを告げられた。表面上は、忠行は梨花に普通の娘として幸せになることを願っているように見えた。皆が驚き戸惑うなか、保憲はこの状況を受け入れ、妹として仲良くすることにした。晴明は梨花に姫君が備えるべき一般的な教養を教えるよう頼まれ、面倒なことになってしまったと感じながらも渋々引き受けた。
晴明は御簾越しに梨花へ日記を渡した。また記憶を失ってもこれまでの生活を振り返ることができるようにしたのだ。