脱職人!社長がトップ技術者であることをやめる
【新刊】小さなお店は「引き算経営」で強くなれ!
脱職人。
本当の「経営者」になるのであれば、この言葉が1番しっくりくるかもしれない。
ただ、ちいさなお店の経営者にとっては、その言葉は正解でもあり不正解かもしれない。
最終的なあなたの将来人生設計では、どんな事業展開をしたいかにより変わってくると思います。
もしあなたが生涯現役でお店には立つ気がなく、経営者として組織を作るのであれば、脱職人以外の道はないのではないか。
従業員には努力してもあなたの代わりはできない
将来現場にも立ちたく、現役を貫きたいオーナー美容師。
すべてのことはもちろんできないので、右腕を育成して経営面なども勉強してもらうことに。
など、将来のお店のために一生懸命右腕を育成する。
外部勉強会でも「右腕育成」はよくあるテーマです。
しかし、なかなかうまくいかないと
「もっと経営者の立場になって考えてくれ」
あなたは禁断の言葉を伝えます。
例えどんなに優秀な右腕従業員であっても、それは難しい問題でしょう。
経営者と従業員とは見えている景色が違う
あなたが今現場で見える景色は何でしょうか?
どれだけ責任感ある仕事を任せても、従業員は経営者ではありません。
そして、経営者にはなれません。
コストの面や節約など真剣に話しても、理解できないのが当たり前です。
それは、苦労してお金を借りて、やっとのおもいで独立した「あなたではない」からです。
そもそも、優秀な右腕なら
もうすでに独立しているでしょう
同じ景色を見るのにはムリがある
私はよく螺旋階段にして例えます。
アシスタントであれば、登り始めたばかりの場所の景色。
先輩スタイリストや経営者ももちろん、過去にその景色はみています。
上にあがるにつれて、下の方は見えにくくなる。
逆にアシスタントには、まだ登ってはいない上の景色はわからない。
そのために、日々トレーニングに励みます。
スタイリストはその上の階段に位置し、中間の景色と下の景色もまだ見えます。
下の様子もわかるので、スタイリストにはアシスタントの道しるべの役割を補ってもらう。
トップである経営者のあなたは、1番上の階にいます。
そこは全体が見渡せ、隣の山も見えるでしょう。
しかし、1番下の階は見えません。
このような状況で、まだ登りきっていないスタイリストに対しての同じ景色を見ろといっているようなもの。
見たこともないので、想像の範囲でしか動けません。
組織であるなら、それぞれの景色(役割)にあった仕事をする。
経営者は常に1番高くに登り、全体の景色や周りの景色を見て判断する。
しかし、現状では下の階まで降りて、職人の役割をまっとうするあまり、全体の景色が見えなくなってしまっている経営者の方が多いのも現状です。
それぞれの経営者自身の将来設計に合わせた階段を、独立前にしっかりと建築しましょう。