山澤慧

チェロ奏者。ここでは主に20世紀のチェロ作品について書いていく予定です。

山澤慧

チェロ奏者。ここでは主に20世紀のチェロ作品について書いていく予定です。

マガジン

  • コンサート情報

    山澤慧が出演するコンサート情報です。

  • マインドツリー

  • 邦人作曲家によるチェロ作品

    「山澤慧チェロリサイタル 邦人作曲家による作品集」について

最近の記事

11/4(月祝)バッハ×高橋宏治に向けて

11/4(月祝)14時開演(13時半開場) 日本福音ルーテル小石川教会 山澤慧無伴奏チェロリサイタル バッハ×高橋宏治 B→Cやマインドツリーではバッハと現代の作曲家の作品でプログラムを組んでいますが、1人の作曲家に焦点を当てたことはありませんでした。無伴奏チェロ作品を複数書いている作曲家もたくさんいますので、これからバッハと組み合わせたコンサートシリーズを続けていきたいと思います。 第1回目は高橋宏治くんの無伴奏チェロ作品を3作品演奏します。 高橋宏治作品を初めて演奏

    • 作品公募 マインドツリー2024

      山澤慧による自主企画、無伴奏チェロ作品を集めた「マインドツリー」シリーズの大きな目標のひとつは 「チェロの新たなレパートリーの拡大」です。このため2015年から毎回、新作を委嘱してまいりました。 2020年、東京オペラシティ「B to C」シリーズ出演をきっかけに、自らの「マインドツリー」の枠組みの中で バッハの無伴奏チェロ組曲をテーマに据えた6ヶ年プロジェクトを始動しました。 2024年12月開催予定の「マインドツリー vol.10」では、無伴奏チェロ組曲第5番を取り上げま

      • 7/18(木) 山澤慧・鳥羽亜矢子 デュオリサイタル2024

        山澤慧・鳥羽亜矢子 デュオリサイタル20247月18日(木)19時開演(18時半開場)  ムジカーザ 昨年からスタートした鳥羽亜矢子さんとのデュオリサイタル、第2回です。 今回は昔からずっとやりたかったプログラムです。 ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番ハ長調 op.102-1 シュニトケ:チェロ・ソナタ第1番 シュニトケ:ムジカ・ノスタルジア プロコフィエフ:チェロ・ソナタハ長調 作曲者の晩年に書かれた2曲のハ長調ソナタと、シュニトケによる二重奏曲を演奏します。

        • バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 Op.17 Sz.67

          バルトーク(1881-1945)が規範とした作曲家はベートーヴェンだった。バルトークは1929年に「私が若かったとき、美の理想はバッハ、モーツァルトよりもベートーヴェンの芸術だった」と語っている。また、1939年に行われた議論の中で彼は最高の創造的理想としてバッハ、ベートーヴェン、ドビュッシーの名前を挙げている。 ベートーヴェンの作曲技法の中で重要なものの一つに、短い動機の扱い方がある。例えば、交響曲第5番や大フーガに見られるように、特徴的な動機を発展させ、楽章や曲全体を有

        マガジン

        • コンサート情報
          2本
        • マインドツリー
          4本
        • 邦人作曲家によるチェロ作品
          15本

        記事

          西村朗:カラヴィンカの歌

          西村先生による無伴奏チェロ曲「カラヴィンカの歌」は2017年、ウィーンフィル首席奏者タマーシュ・ヴァルガのために書かれました。 Wikipediaによりますと、カラヴィンカは上半身が人、下半身が鳥の仏教における想像上の生物で、その声は非常に美しく、仏の声を形容するのに用いられるそうです。 コダーイの無伴奏チェロソナタの前に演奏するのを想定しており、調弦もコダーイのものと同じ (A,D,F#,H=下2弦を半音ずつ下げる)となっています。 今年の9/2にこの曲の練習音源を(

          西村朗:カラヴィンカの歌

          西村朗:オード 無伴奏チェロのための

          この曲も堤剛先生の70歳記念のために書かれています。 下記画像は作品冒頭ですが、 こうすると誕生日のあの曲っぽくないでしょうか? 1音足されていたり、FがF#になっていたり、開放弦がプラスされていてパッと聴いただけではそう聴こえないのですが、、 個人的にこの曲には思い入れがあります。2014年、日本現代音楽協会主催の現代音楽演奏コンクール「競楽」の予選でこの曲と、リンドベルイの「ストローク」を演奏しました。リンドベルイ作品でテクニカルな面を、西村作品で歌う面を見せたつ

          西村朗:オード 無伴奏チェロのための

          高橋裕:乱声 無伴奏チェロのための

          「乱声(らんじょう)」は山澤慧無伴奏チェロリサイタル「マインドツリー」シリーズの3回目、2017年に行われた初演作品7作を集めたコンサートにて高橋裕先生に委嘱、初演しました。 高橋裕先生と初めて会ったのは自分が15歳の時です。藝大の附属高校に入学し、裕先生はそこの教諭を務めていました。 藝高には音楽理論、ソルフェージュなどの授業があり、裕先生はそれらの授業を担当していました。(ちなみに自分が入学した時、3年生の担任も務めていました) 生徒から「ゆたかちゃん」と呼ばれるよ

          高橋裕:乱声 無伴奏チェロのための

          菅野由弘:星群II

          菅野由弘さんの「星群II」はトルレイフ・テデーンさんと小川典子さんによる「日本のチェロ」というCDに収録されていて、僕が菅野さんの名前を知ったのもこのCDでした。 チェロとピアノのエネルギーがすさまじい、スケールの大きな二重奏曲だと思います。実際に弾いてみると、チェロもピアノも大変な体力と精神力を必要とします。リサイタル二曲目に持ってきて大丈夫か? 先日、菅野先生にリハーサルを聴いていただき、「もっとチェロとピアノがぶつかり合うように」というアドバイスがありました。がんば

          菅野由弘:星群II

          吉松隆:遠くからの3つの歌

          吉松隆さんのチェロ作品と言えば、チェロ協奏曲がありますが、どうやらピアノリダクションはされていないようだし、そもそも演奏時間的に難しいなぁ、、 とか考えていたところ、いくつかの歌がチェロとピアノ用に編曲された「遠くからの3つの歌」という作品があることを知りました。 委嘱者はチェリスト長谷川陽子さんです。 吉松さんにより選ばれた歌は カッチーニのアヴェ・マリア アメイジング・グレイス 唱歌 ふるさと の三曲です。 アヴェマリアとアメイジング・グレイスを演奏することも

          吉松隆:遠くからの3つの歌

          野平一郎:錯乱のテクスチュアIV

          作曲家、ピアニスト、教育者どれも超多忙を極める野平一郎先生、「実は野平一郎先生は3人いる、、」という都市伝説が藝大生の中で噂されていたそーな。一郎から三郎先生までいる 今回のリサイタルのために、先生にプログラムノートを送っていただけないかお願いしたところ、「以前書いたものが見当たらないので」その日の夜に新たなプログラムノートを書いて送ってくださいました。はや その時の堤先生のリサイタルプログラムはこちら とにかく複雑に書かれたスコア、1人ではどう作りあげていけば良いかわ

          野平一郎:錯乱のテクスチュアIV

          野平一郎:BATT pour violoncelle 

          2012年、堤剛先生の70歳を記念して開催されたコンサートで初演された作品。 ちなみにその時、(堤先生によって)初演されたプログラムはこちら。 湯浅譲二:Congratulation for the 70th Birthday 一柳慧:独奏チェロのための「プレリュード」 野平一郎:BATT pour violoncelle 外山雄三:沖縄の木遣(首里城改築の御木曳歌) 西村朗:チェロのためのオード 細川俊夫:チェロ独奏のための「小さな歌」 演奏順だそうです。外山先生作品

          野平一郎:BATT pour violoncelle 

          10/7 邦人作曲家リサイタル第3回について

          山澤慧チェロリサイタルシリーズ「邦人作曲家による作品集」 第1回は20世紀、特に重要なチェロ作品を書いた5名の作曲家による作品を取り上げました。https://note.com/yamazawakei/n/ne6da4c5d6fd1 第2回では親子2代にわたって作曲家である8名の作曲家による作品を演奏しました。https://note.com/yamazawakei/n/n64fc53fd0988 3回目となる今回は1953年に生まれた5名の作曲家の作品を演奏します。

          10/7 邦人作曲家リサイタル第3回について

          2023/10/7(土)邦人作曲家による作品集第3回

          2021年からはじめたリサイタルシリーズ、第3回目となる今回は1953年生まれ、今年70歳を迎える5名の作曲家のチェロ作品を取り上げます。共演は大瀧拓哉くんです。 山澤慧チェロ・リサイタル 邦人作曲家による作品集 第三回 2023 年 10 月 7 日(土)19時開演(18:30開場) トーキョーコンサーツ・ラボ 菅野由弘(1953-): 星群II(1998) Yoshihiro Kanno(1953-):A Cluster of Stars II for Cello a

          2023/10/7(土)邦人作曲家による作品集第3回

          チェロ特殊奏法100について

          2022年2月21日から、5月31日までの100日間、毎日1つずつTwitter上でチェロの特殊奏法、という企画を行いました。 001 人工ハーモニクスpizzicato 002 人工ハーモニクスpizzicatoグリッサンド 003 カモメ奏法 004 自然ハーモニクスグリッサンド 005 自然ハーモニクスグリッサンド(sul ponticello) 006 フラジオレットカモメ奏法 007 ヘアピンpizzicato 008 木製洗濯バサミpizzicato 009 木

          チェロ特殊奏法100について

          マインドツリー8 選曲について など

          先日のマインドツリーでの選曲や、曲順について少し書いておきたいと思います。 このような感じで、バッハ、ケージの各楽章や、クルターグの小品、新作などを織り混ぜました。 選曲について無伴奏チェロリサイタルマインドツリーの「バッハツィクルス」は2020年から6年間かけたプロジェクトで、 バッハの組曲を1年に1曲テーマにする 梅本佑利さんに6年連続委嘱する 委嘱新作を初演する 公募作品を1〜2曲演奏する ジャン・ギアン・ケラス委嘱によるバッハの各プレリュードに繋がる「プ

          マインドツリー8 選曲について など

          尾高惇忠さんの「瞑想」について

          2022/4/15に開催した「邦人作曲家による作品集第2回」で演奏した、尾高惇忠さんの「瞑想」について。 この無伴奏チェロのための楽曲は、1982年日本現代音楽協会主催の演奏家シリーズ “倉田澄子チェロリサイタル”のために現代音楽協会の委嘱により作曲されました。2009年に八王子で行われたガスパール・カサド国際チェロコンクールの課題曲にもなっています。 2021年の2月に邦人リサイタルの第2回目を「親子ともに作曲家」というテーマに決めた時、尾高尚忠、尾高惇忠両氏のお名前が

          尾高惇忠さんの「瞑想」について