見出し画像

高橋裕:乱声 無伴奏チェロのための

「乱声(らんじょう)」は山澤慧無伴奏チェロリサイタル「マインドツリー」シリーズの3回目、2017年に行われた初演作品7作を集めたコンサートにて高橋裕先生に委嘱、初演しました。

山澤慧無伴奏チェロリサイタル マインドツリーvol.3 「全曲初演」
2017/9/12(火)ムジカーザ
小栗舞花:ピッチ ピチ(2017 公募作品初演)
川上統:蓑笠子(2017 委嘱新作)
福井とも子:color song VII for cello (2017 委嘱新作)
中川統雄:夜明け前のセレスティーノ(2017 委嘱新作)
高橋裕:乱声(2017 委嘱新作)
石川潤:“My Precious” for the cello(2017 公募作品初演)
福士則夫:Kang・Chen 無伴奏チェロのための(2017 委嘱新作)

マインドツリー3のプログラム。ボスラッシュかな

高橋裕先生と初めて会ったのは自分が15歳の時です。藝大の附属高校に入学し、裕先生はそこの教諭を務めていました。

藝高には音楽理論、ソルフェージュなどの授業があり、裕先生はそれらの授業を担当していました。(ちなみに自分が入学した時、3年生の担任も務めていました)

生徒から「ゆたかちゃん」と呼ばれるような普段は飄々としたキャラクターですが、音楽理論や作曲の面では非常にシリアス、、という印象です(昔も今も変わらず)

音楽理論で分析したドビュッシーの牧神の午後や、バルトークの弦チェレ、それから授業内で聴いたペルトの「ブリテンへの追悼歌」や裕先生の「般若理趣交響曲」などとても印象に残っています。

真面目に授業内容をメモる私

西村朗さんの「ケチャ」もこの授業内ではじめて聴き、衝撃を受けました。
これらの授業が自分の基礎になっているのは間違いありません。


時は経ち、、

2017年、マインドツリーvol.3で「全曲初演」で高橋裕先生に無伴奏チェロ曲を依頼しました。

曲を書いてもらうにあたって、裕先生とチェロの奏法や音域、特殊奏法など綿密に打ち合わせして完成した曲が「乱声」です。

無伴奏チェロのための「乱声(らんじょう)」
乱声とは、雅楽の舞人が登場する時に奏される、竜笛や太鼓、鉦鼓(しょうこ)による無拍子の曲をいう。または鉦や太鼓を打ち鳴らし、鬨(とき)の声を上げることをいう。舞楽の舞が奏される前、自然の静寂の中から舞人を招来する笛は、神を招く音楽ではなかったか。戦乱の時に発せられる鬨の声は、己を鼓舞する以上のものではなかったか。曲は後半、過なる乱の様相を呈するが、大きな空間を孕む真空のような静かな間(ま)は、全曲の大切な基調を成している。

2017年、チェリストの山澤慧氏の委嘱により作曲、初演された。

高橋裕

曲の前半はゆったりとしたテンポですが、少しずつエネルギーが高まり、ある瞬間から狂乱とも言えるパッセージが始まります。

極悪難易度

日本の21世紀の無伴奏チェロ曲として、重要な作品となるのでは、、と思っています。海外で演奏してみたいな


ちなみにこの曲では洗濯バサミ2つ使用します。

山澤慧チェロリサイタル 邦人作曲家による作品集 第3回
2023/10/7(土)17時開演(開演時間ご注意ください)
トーキョーコンサーツ・ラボ

野平一郎:BATT(2012)
菅野由弘:星群II(1997)
西村朗:カラヴィンカの歌(2017)

吉松隆:遠くからの3つの歌より「ふるさと」(2017)
野平一郎:錯乱のテクスチュアIV(2003)
高橋裕:乱声(2017)
西村朗:オード(2012)

チェロ:山澤慧
ピアノ:大瀧拓哉

一般4000円 学生2500円(当日券各500円増し)80席限定

お申し込みは下記URLから。
前売り券お申し込みは当日の10時までとなっております!



いいなと思ったら応援しよう!