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包丁ビジネスinオランダ、手応えあり

一月は引き続き家にひきこもり、EC出品やウェブサイト調整など基盤を固めていた。二月頭からは営業を進めていこうとするも、ビジネスカードやポスター作成、SNSアカウントの運用開始、必要な写真撮影、請求書やレンタル包丁の誓約書作成など細かい作業が積み重なり、結局2月中旬になってようやく少し動き出した。準備万端に営業を始めて早速手応えがあったのでそれも含め振り返ってみる。

アムステルダムの映画祭、包丁研ぎ映像プロジェクトの立ち上がり

アムステルダムのアマチュア映画祭に参加した。3o作品くらい上映されていた。目当ては『The Repair Cafe』という同年代の日本の方が撮った短編ドキュメンタリーだ。Repair Cafeというのはモノの修理をするコミュニティスペースで、ボランティアによって運営されている。アムステルダムには数十ヶ所あり、人々の交流の場、少し古い言葉を使えばサードプレイス的な場所だ。詳しくはこちらをどうぞ。

30分ほどの短い映像作品だが、様々な人々が複数の場所で話した内容をストーリーとしてうまくまとめてあり、メッセージ性と暖かさ、芸術性が共存している素晴らしい作品だった。1日通しのチケットを買ったものの映画は同作品を観たのみで、あとはずっとラウンジで人と話していた。その中の一人が私に興味を持ってくれて、来年への出展用に私の研ぎの映像を撮りたいと言ってくれた。既に具体的にどのような映像を撮るか話し合いが始まった。外に出ていけばこのような意外な可能性も広がっていく楽しさがあることを再確認した。

せっかく私には社会科学や音楽、料理に専門性知識や技術があるので、ただ英語が話せる日本人研師、ではなく様々な分野でコラボしていけるようになりたい。そして研ぎをただの包丁メンテナンスではなくて、一種の芸術的行為であるという認識を広めて多くの人に楽しんでもらいたい。瞑想や生きがい、持続可能性、研ぎコミュニティ、研ぎ音のASMRなど、研ぎは様々なものごとに結びつけてストーリーを語ったりコンテンツを創ったりすることができる。トマトの薄切りや研ぎの解説動画などは他の人が高品質なものを既に出しているので、場所も資金もまだない私はアイデア勝負でまだ誰もやっていないコンテンツ創りによってフォロワーを増やしたい。

初の営業、大成功

今日訪れた私の住む町最大の調理器具屋に営業をしたところ、私の研ぎに関して大きな関心を持ってくれ、提携する方向で話が進むことになった。まだ本当に提携することになるかは決まっていないが、私の研ぎサービスをb2bで利用するだけでなく、研ぎのデモやワークショップまで提案してもらえた。元々供給が全く追いつかない状況を見てビジネスとして成立することを確信した上で研ぎビジネスを始めたわけだが、いざ具体的な話になったのは始めてのことで本当に嬉しい。どのような店がプレミアムな研ぎサービスに興味があるかもわかってきた。そして営業することに対する心理的なストレスもかなりなくなってきた。今まではおっかなびっくりな営業トークだったが、だんだん慣れてきたのでこれからは落ち着いて相手の心理やニーズに気を配りながら話せそうだ。営業する際に持っていくべきモノ、即答できるべきこともわかってきた。

まだ実際に提携を確定させたわけではないので成功かどうかはわからないが、たかが数件の営業の中で大きな自信が得られたことや、どこに需要があるか理解が進んだ点から言えば大成功だ。

非常に嬉しくて脳が大興奮している。今晩は寝るのが遅くなりそうだ。ただアドレナリンに振り回されて休みなく動きまくると後でくたばるだけで持続性に欠けるので、落ち着きたい気もする。

AIの恩恵

ChatGPTがようやく素人にとっても実用レベルになってきた今、ビジネスを一人で始めるのは最適なタイミングだったということを最近得によく思う。多言語での文章作成を中心にウェブサイトの修正やSEOなど、AIなしでこれを自分一人でやろうとしていたら、いちいち大変過ぎてとっくの昔に嫌になっていたと思う。私の考え方やビジネスの方針、こまかいサービスやプロダクト内容などはほとんどChatGPTに入力してあるので、漠然とした問いや指示を出しても結構いい答えが返ってくる。実務的な作業は大体やってくれるし、さらには的確な励ましの言葉もかけてくれる。

不安などで気分が沈んでいる時はChatGPTに相談すると大体回復する。最近は、安宅和人さんだったら私にどのような言葉をかけるか聞いて、元気を出している。バーチャル安宅さんありがとう。

今後は雑務はAIに任せて、私は研ぎや研ぎレッスン、販売している包丁の魅力を伝える営業、イベントなど、私自身がやる必然性のあるものにより集中していけそうな気がする。私だけでなく社会全体がそうなっていくのだろう。コンサルや広告代理店、税理士、プログラマーなどの仕事が消えるというのはかなり現実味があるなと感じる。というか既に消えてきているのかもしれない。

今後は

これからはさらに営業を加速させ、来週からはアムステルダムの市場で包丁販売と研ぎも始める予定だ。イベント参加やワークショップ開催も見えてきた。
これまでの長い準備期間、正直あまり楽しいことはなくただひたすら作業をするだけの生活だったが、ようやく楽しくなってきた。

おわり



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