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南極2日目の新婚夫婦(ペンギンコロニーと吹雪の南極)

前回の南極上陸記事が編集部の「今日の注目記事」にPickされました!たくさんの閲覧とスキをいただきまして嬉しい限り。フォロー頂いたかたもありがとうございます^^

南極での日々はもうしばらく続いて、毎日が新鮮な驚きの連続です。今日は雪降る南極に上陸、また昨日とは違った景色を見せてくれます。

前回の記事はこちら↓

それでは本編です!

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朝6時半の wake up call で目覚めた。窓の外をみると前方に大きな氷山。朝ご飯の前にデッキにでたら、ペンギンが群れで泳いでいるのが見えた。まばらな雪が降り、天気も曇り、雪もどんどん強くなってきた。昨日の天気が南極にしては穏やかすぎたのだということを思い知らされる。今日の上陸予定は2回。1回目はペンギンのコロニーがたくさんある島。2回目は南極大陸の半島で雪山を上まで登っていく。

1回目の上陸は、はじめての氷河のある島への上陸。南極らしい南極への上陸。雪が降っていて少し濡れる。ペンギンのコロニーがたくさんあって、昨日はペンギン2匹見つけて大喜びしていたのと大違い。

信じられますか?これ全部、野生のペンギンです。

あちこちにペンギンハイウェイがあって、ペンギンがあっちに行ったりこっちに行ったり。こちらに来たと思ったら気分が変わったのかまた戻って行ったり。ペンギンも猫みたいに気まぐれだなと思った。

ペンギンは続くよ、どこまでも。
群れから離れて一羽、どこに行くの〜

ちょっと上のほうまで登って半島を見渡した。あちらこちらにペンギンのコロニーがある。海の岸辺のペンギンもかわいかった。少しずつ海に入っていって、海に潜った途端にとてもすばやくすいすいと泳ぎ始めた。集団でぴょんぴょんとイルカみたいに跳ねて泳ぐのもとてもかわいかった。

空に向かって大声で鳴く
仲良さげなチンストラップペンギン。つがいかな?

午後の上陸は私たちの小グループが一番始めに上陸することになった。おかげでまだほとんど人の踏み固めていない雪の上を歩くことになった。真っ白な雪の上を、自分の足で踏み固めて、一歩ずつ前へ進む。頂上まではそこそこの距離があって険しい道。これぞ南極の探検っていうかんじ。ゴールに近づくと私の頭の中ではクィーンのチャンピオンが流れていて、”We are the champion〜♬” と、あたかも私がフロンティアの探検隊であるかのような、そして映画の主人公なんじゃないかという錯覚した。

険しい雪道を登っていきます

登り切ったときに一気に視界が開けて、山の反対側が見えた。その景色は切り立つ山々とその中にある湖、そして浮かぶ氷河。険しくて美しい、自然の風景。あっと息を呑んだ。ここまでの道のりがまるでお遊びにすぎないと思ってしまうような、人間の及ばない険しい自然。あぁ、地球の果てまで来てしまった。この雪山のてっぺんに登ったときの達成感は一瞬に過ぎ去って、畏敬の念というか、ちょっとした恐れというのか、もうこの大自然には人間は為すすべもないんだということを思い知らされた。

山のむこう側には湖。ここから先は踏み入れることができない。

そしてこの頂上は、風が本当につよくて、立っているのがやっと。しがみついていないと吹き飛ばされてしまうんじゃないかと思うほど。そんな中で岩と岩のあいだにペンギンが1匹寒そうに埋まっていた。ペンギンもこうして自然の険しさに晒されながらも生きている。とても愛おしく感じた。

そうだよね、ペンギンだって寒いよね。

厳しくて険しい頂上から比較的穏やかな雪山のふもとへと降りて行く途中、ペンギンが人間の道に降りてきて通れないことが何度かあった。ここのペンギンたちは気まぐれで人間をぜんぜん恐れない。ここではペンギン優先。ペンギンが通り過ぎて立ち去るまで、人間はただじっとまって立ち往生をする。
人間の都合なんて知ったこっちゃない自然の動物たちが愛おしい。私たちの日常生活は、人間に囲まれて人間のルールで生きているんだな、ということをしみじみ思う。この自然の時間の流れに身を任せることができたら。わたしがせかせかとオフィス街を駆け回っているときも、ここには悠々とした時間が流れている。

人間は苦労する雪道も、ペンギンはトコトコ、スイスイ。

夕ご飯で一緒の席になったご夫妻はフィラデルフィアから。3歳と5才の子供がいて、両親に預けて年に1回は2人で海外旅行に行くらしい。いいなぁ。わたしと夫もそういうことができたらいいな。夫婦が夫婦であり続けるために、父母ではなく夫婦になれる時間があると良いんだろうなと思う。

今日はこれからキャンプの予定だったが、結局予定していた場所のコンディションがよくなくてキャンセルになった。強い風の影響と、いつもよりも暖かい夏の影響で、ランディングする場所が4メートルの氷の絶壁になっていた。そして絶壁を登った上も地面がぐしょぐしょだったとのこと。よくないコンディションで行くより良いコンディションのところでキャンプができたほうがいいし、これも大自然だからこそ。次のチャンスを待とう。

ついでに船でコロナ陽性者が出たとのアナウンスもあった。マスクは必須ではないけれど推奨とアナウンスされていた。けれどだれひとりとしてマスクをつける気配はない。今日の夜はバーでパーティがあるらしい。お酒を飲む習慣のない我々は、コロナも心配だし部屋で大人しくしている。わたしはラテン音楽を聴きながら、いままでの日記を整理しなおしている。

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