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南極4日目の新婚旅行(中編)船内での生活

南極4日目はコンテンツ盛りだくさんだったので、前編・中編・後編の三回に分けてお届けしています。

今回はクルーズ船での生活やゲストとの交流について。

船での生活は、いつも同じメンバーと顔を合わせることとなるので、自然と交流が生まれます。ちなみに私はカメラマンと仲良くなって、今でもSNSで繋がっています。どうやら今年のシーズンも南極クルーズのスタッフをしている様子。懐かしい〜!とリアルタイムの南極をみながら楽しんでます。また行きたい!

前回の記事はこちら↓

それでは本編です!

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ランチタイム

22歳のときにアメリカのグリーンカード抽選に当選し、渡米したらしい。「言うたびにみんなに嘘だと思われる」と笑っていたけれど、あの倍率を考えると、私も話を聞いて驚いた。ちょうど私も今年の抽選に応募していたのでその話をすると、「当たったらアメリカに移住するの?」と聞かれた。「もちろん!」と即答したものの、実際はかなり悩むと思う。彼女も「22歳だったから何も考えずに飛び込めたけれど、今だったら迷うかも」と言っていた。確かに、人生で今が一番若いとはいえ、すべてを祖国に置いて飛び出す決断は、20代ならではの大胆さが必要なのかもしれない。私の友人の父親は30代で家族連れでアメリカ移住を成功させて、界隈で有名になったらしいが、それだけ珍しく、難しいことなのだろう。

ディナータイム

夕食を共にしたアメリカ人の女性は、旅好きのリタイア世代。5年前に定年退職してから、自由に旅を楽しんでいるそうだ。

「朝は好きな時間に起きて、行きたいときに旅に出る。リタイア生活は最高よ!」

彼女は、この旅で全大陸を制覇し、アメリカの全ての州にも行ったことがあるという。リタイア後は「何もやることがなくて、気力を失ってしまうのでは」と少し心配していたらしい。でも、こうしてアクティブに旅を楽しむシニアに出会うと、退職後の生活も意外と悪くないかもしれない、と楽しみになってくる。

朝と昼はビュッフェ、夜はフルコース。
4人席なので他のゲストと相席になって、話が盛り上がることも。

サッカーが好きすぎる人たち

アルゼンチン基地への上陸直前、ちょうどサッカーの試合が行われていて、アルゼンチンが3対3の接戦を繰り広げていると噂が広まっていた。もう何度も同じことを思っているけれど、本当にみんなサッカーが好きすぎる。

そして船にもどったあと、またもや噂話で、アルゼンチンが勝ったことを知った。これからあと今日はアルゼンチンのユニフォームを着てわたしも便乗してお祝いしよう。もし明日アルゼンチン人が働かなかったとしても私は驚かない。

クルーズ船がHOMEになるという体験

船での生活にもすっかり慣れてきた。サービススタッフやクルー、乗客の顔も覚え、会話を交わす機会も増えた。ビュッフェやフルコースの食事にも慣れ、客室の清掃をしてもらうことにも抵抗がなくなった。なんとなく、ゲスト同士の間にゆるい仲間意識が芽生えてきて、心地よい空気が流れている。

私たちの客室はアップグレードされているのか、窓が広く、ラウンジも近くてとても快適だ。すっかり「2人の家」になった。初めは緊張していた南極上陸も、今では準備も乗り降りもスムーズにこなせるようになった。超豪華な旅でありながら、毎回新しい体験があり、本物の「エクスペディション」と呼べる旅になっている。

白夜のため窓の外はいつも明るく、南極の景色が広がる部屋。


南極新婚旅行の終わりが近づく

明日の午後のゾディアッククルーズを最後に、2日間かけてドレーク海峡を渡り、ウシュアイアへ戻ることを聞いた。思っていたよりも半日早い。この旅ももう終わりに近づいているのかと思うと、寂しさがこみ上げる。

ネットもない環境で、夫と24時間一緒に過ごす日々は、とても幸せだ。彼からの愛情や言葉をたくさん受け取り、同じベッドで眠る。その何気ない時間が愛おしい。仕事のことを何も考えず、ただこの瞬間を楽しめることが、どれほど贅沢で幸せなことか。この旅は、人生の中でも確実に「最高の時間」のひとつとして記憶に残るだろう。心配事は何もない。ただ、幸せな時間があるだけ。このままずっと続けばいいのに、と心から願う。

ウシュアイアに戻った後の予定はまだ決まっていない部分が多く、不安もある。移動が多くなる中で、宿を探したり、予約を変更したりと、同時にいろいろなことを決めなければならない。そんな状況の中で、イライラしたり、不安になったりして、夫と喧嘩してしまわないか、少し心配だ。

今の船の生活は、ある程度予定が見えていて安心感があるし、できることも限られているからこそ、迷うことも少なく、ゆったりと過ごせる。でも、陸に戻れば不確定なことが多く、自由な反面、慣れない環境でストレスも感じるだろう。このクルーズで深まった2人の絆で、乗り越えていきたい。

何気ない日常の幸せな時間を思い出すと、改めて「幸せだったな」と実感する。でも、もし辛いことや悲しいことが起きたときに、こうした過去の幸せな記憶は、どんな影響を与えるのだろう。前向きな気持ちになれるのか。それとも、今との対比でさらに落ち込んでしまうのか。

過去の幸せを思い出して元気をもらい、前に進むエネルギーにできるような、ポジティブな考え方のできる自分でいたい。

旅はつづくよ、どこまでも。

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