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お寺の幼稚園のメリークリスマス🎅

わが家の2人の子供たちはお寺にある幼稚園に通っていました。
かと言って特に私や奥さんが敬虔な仏教徒であるというわけではなく、住んでいたアパートから一番近くにある幼稚園がそこだったという単純な理由からです。

近くに米軍横田基地があったので下の子のクラスには基地に勤める父を持つアメリカ人の女の子「マロリーちゃん」がいました。


12月の上旬に起きた出来事。
仕事が休みだった私が登園の付添い。園に着くと玄関先でマロリーちゃんの母親が先生と会話をしていました。
それは英語と日本語そしてジェスチャーを織り交ぜた、日本人と外国人との会話でよく見かける光景でした。

先生とマロリーちゃんママ双方の困った表情や様子を見て会話があまり成り立っていない雰囲気を感じたので、英語に自信はありませんでしたが思い切ってふたりの会話に加わりました。


まず先生に話を聞くと「マロリーちゃんママが『ここの幼稚園ではクリスマス会はやらないのか?』的なことを言っているっぽい」とのことでした。
自分も気になったので先生に「やっぱりお寺さんの幼稚園だからやらないんですか?」と尋ねると、自分が働き出してからやった記憶はないとのこと。
まあお寺さんだしそうなんでしょう。

次にマロリーちゃんママとカタコトの英語で会話。すると先生が言っているようにクリスマス会のことでした。
ただ彼女もこの幼稚園はお寺が経営しているから「クリスマスにはそぐわないこと」は分かっているようで、それは理解した上で「CHRISTMAS is not "RELIGION" , just "FANTASY" for kids!」だと、特に"FANTASY"のところを何度も強調して言うのです。

さらに「子供たちはイエスキリストに祈りを捧げる必要もなく十字を切る必要もない。ただサンタクロースと会ってほしいだけ」だと。

先生はどうやら"RELIGION"の意味がわからなかったらしく、マロリーちゃんママの言っていることを簡潔に伝えると「わかりました。そういうことなら園長先生に相談してみますね!ありがとうございます。」と言うので、「サンタクロースはマロリーちゃんパパがするから心配はいらないそうですよ」と、先ほどの会話で聞いたことを付け加えて自分はその場を去りました。


そして数日後。
お寺には似合わない赤い衣装と白くて長い髭を生やしたサンタクロースが園にはやって来ました。なんと3人も。
マロリーちゃんパパとその同僚の軍人さんでした。

あの日の朝の偶然の成り行きで自分も少しだけこのFANTASYの開催に関わってしまったこともあり、当日は休みを取って園に見学に行きました。
サンタクロースが3人も登場すると子供たちから大歓声。そしてアメリカっぽいお菓子をたくさんもらって笑顔で大喜び。
お寺の住職さんである園長先生も、そしてマロリーちゃんママも笑顔です。マロリーちゃん本人はサンタさんがパパだって気づかなかったのかな笑


毎年この時期になると、もう20年以上も経ってしまったその時のあたたかい時間を今でも懐かしく思い出します。

🎅✨メリークリスマス✨🎅

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