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«御神酒代わりに»(短編読み切り小説 3311文字)

ばあちゃんの主立った法要も済ませ家路に向かう途中、
緊張が解けたのか久しぶりにしんみりとした涼しい空気に包まれた。

いつも忙しさにかまけてお見舞いも中々行ってあげれなかったな。
いや、行ってあげれた方かな・・・。

まだばあちゃんが元気な内は毎日のように行ってたのに、
会話が出来なくなってからは月に1、2度かな。
まだ実感が湧かないケド。

お寺様。なんやかんやで結構かかっちゃったなぁ。

財布には18000円と小銭。
小銭だけでも2000円はある。
15日の年金まで後2週間弱。

寄ってくか。金ないケド何か寂しいし。今更ながら。

どうせならご供養とお浄めも込めて、
少し当周りになるけどアレにするか。
まだ奥、空いてるだろう。
飲み屋街を素通りで抜けて行く。

チリンチリン。「おはよう。大将。今日いい?」

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