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ひとりひとりが持つ美しさが、多様に表現されるスマートエイジングな社会の循環を目指す サステナブルの輪 Vol.027 オルビス

皆さまこんにちは。ヤマト運輸公式note編集部です。

ヤマト運輸公式noteがお届けしている「サステナブルの輪」では、ヤマトグループとともにサステナビリティへの取り組みを推進しているパートナーさまに、サステナビリティに関する活動や想い、狙いについて語っていただいています。

今回は、スキンケアを中心としたビューティーブランドを展開されている、オルビスさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介します。

オルビスさまは、バブル最盛期の1987年、ポーラの社内ベンチャーとして創業し、カタログを中心とした通販会社のパイオニアとして成長してきました。

1997年には、業界に先駆けてECサイトをオープンし、2000年からは直営店舗も展開しています。

今回、執行役員 ブランドデザイン担当 サステナビリティ推進室 室長の加藤由衣さまにお話を伺いました。

自分らしさを表現する「スマートエイジング」

ーまずは御社のサステナビリティへの考え方からお話いただければと思います。

オルビスは「肌本来の力を信じ、美しさを引き出すこと」、「その人らしい美しさを引き出すこと」にこだわり、創業以来、徹底的な「お客様視点」を軸にさまざまな取り組みを行ってきました。

当時はバブルの全盛期で、華やかなものが美しいとされた時代。化粧品業界では高機能・高価格、華美な包装のアイテムが主流でした。

私たちは、本質的な価値を提供するために、既成概念や世の中の常識に捉われない視点から、必要最低限のシンプルな包装にし、処方においても原料を厳選して、自らのうるおいを引き出す商品開発に力を入れました。

ー創業以来、サステナビリティに繋がる考え方でお取り組みをされているのですね

そうですね。創業当時から「地球に生かされている私たち」という考えのもと、限りある資源と環境への配慮から、商品領域では化粧品業界でもいち早く簡易包装をはじめ、つめかえができる商品や、使用済み容器の回収・リサイクルなど、比較的早くから取り組んで来ていると思います。

「甲州市・オルビスの森」*の整備活動をはじめとした環境保全活動も20年以上前から継続しています。そういう意味では、当社では環境保全活動などへの意識が高かったと思います。

「ビューティーをもっと身近に」という観点から、化粧品業界の中でもいち早くECサイトをオープンし、また、通販業界内ではじめてフリーダイヤルを導入し、1品の注文から送料無料、代金の後払い、返品・交換の受け付けなども、広い意味でサステナビリティの一環とも言えます。

*「甲州市・オルビスの森 」:山梨県甲州市にある市有林約100haを「甲州市・オルビスの森」と名付け、10年の歳月をかけて荒廃した里山の再生に取り組んできたプロジェクト。

ーブランドの考え方の根底にある価値観とはどういうものなのでしょうか?

当社には「ひとりひとりが誰かと比べることなく自分らしく年齢を重ねていく」という「スマートエイジング」という提供価値があります。年齢に抗うのではなく、変化を前向きに捉えながら、その人その人のもつ美しさを引き出していくことに価値を見出し、自分らしく歳を重ねていくという考え方です。

ーその価値観が御社のミッション、「ひとりひとりが持つ美しさが多様に表現されるここちよい社会へ」につながるわけですね

そうです。私たちが提供する商品も、ビューティーに対する考え方も、私たちオルビスの社員たちの働き方も、すべてに通ずることだと考えています。誰もが自分らしく多様に表現される、そんな「スマートエイジング」を体現していくことが持続可能な「ここちよい社会」の実現につながるのではないかと思っています。

「スマートエイジング」で推進するサステナビリティ

ー御社は2018年にリブランディングをされていますが、それはどういう経緯だったのでしょうか?

2000年以降、直営店舗数も拡大し、ECサイトでのお客様も増えていく中で、オルビスは若い人向けのブランド、ニキビケアが終わったから卒業ブランドのような捉え方がされるようになっていました。ですが、もともと私たちのブランドは大人の女性のエイジングスキンケアを提供していたのだから、もう一度ブランドとしての価値を見直そうではないかと着手したのが、2018年のリブランディングでした。

ーそこにサステナビリティ戦略も重なってくるわけですね?

これまでお話をさせていただいたように、「スマートエイジング」という提供価値を基軸にサステナビリティに関わる取り組みも行ってきましたが、改めてサステナビリティ推進を通してブランドを強化していこうと、2022年1月にサステナビリティ推進室を立ち上げ、昨年はさらに新たなサステナビリティ戦略を加速させてきました。

ー具体的なサステナビリティ活動としては、どのような取り組みがあるでしょうか?

これまでもオルビスでは簡易包装、リフィル、容器回収をはじめ、「甲州市・オルビスの森」の植林活動、復興支援、物流の効率化などに取り組んできました。こうした環境に配慮した製品づくりはこれからも継続していくことに変わりありません。今回のサステナビリティ戦略では、新たに二つのアプローチを付け加えています。一つは経済的な課題に対するアプローチです。不確実性の高い社会においても、あらゆる方々が美容文化を心から楽しめるようにと発売したのが、1,000円台のスキンケアシリーズの「ORBIS SHOT PLUS(オルビス ショットプラス)です。そしてもう一つが、子ども支援というアプローチです。

あらゆる生活者の一人でも多くの方の「美しくなりたい」という想いを実現へ

―1つ目の昨年9月に発売した「オルビス ショットプラス」について教えてください。

990円(税込)~という手の届きやすい価格帯でありながら、オルビスがこれまで培ってきた技術を搭載した高付加価値商品です。現在の化粧品市場を見渡すと、好調なのは1万円以上の高価格帯か、1500円以下の低価格帯です。大手は軒並み高価格帯にシフトしていて、自社研究所を有する開発力のある会社が先端技術を高級化粧品に搭載する、それ自体は素晴らしいことですが、一方で、それだけでは生活者全体のビューティーに寄与できていないのではないかという思いがありました。その根底には、オルビスの「すべての方にビューティーを諦めさせない、取り残さない」というブランドとしての想いが込められています。

子どもたちが自分らしく生きる環境づくり

ーもう1つが2024年10月にスタートした「ORBIS ペンギンリング プロジェクト」ですね?

社会課題に目を向けてみると、子どもの貧困だったり、生まれた時の環境によって先の未来が制限されたり、変わってしまうという現実があります。

私たちは、未来の社会が持続性を持ち続けるためには、次世代を担う子どもたちが自分では解決できない困難を抱えずに成長していける環境を社会全体で作っていく必要があると考えます。

子どもたちが自分らしく健やかに成長していくことを支援することで、未来の可能性を広げられると考えました。お客様と支援パートナーとともに、子どもたちへの支援の輪が大きくなるようなサステナブルな循環を生み出し、子どもたち一人ひとりが本来持っている力が発揮される環境を広げていきたく、「ORBIS ペンギンリング プロジェクト」を立ち上げました。

ちなみに「ORBIS ペンギンリング プロジェクト」というプロジェクト名称は、ペンギンが群れの仲間で協力しながら子育てをする習性から、その姿になぞらえ、私たちもみんなで子どもたちの健やかな成長をサポートしていくような支援の輪をたくさん作っていきたいと考え、命名しました。

ー「ORBIS ペンギンリング プロジェクト」は、具体的にどのような取り組みなのでしょうか?

まず、子どもへの支援を続けている方たちはどんな人たちがいるのだろうと、一緒に取り組んでもらえるパートナー探しから始めました。その結果、キッズドア様、ジャパンハート様、子供地球基金様の三団体から協力を得ることができました。

日頃よりオルビスをご利用いただいているお客様に情報をお届けすることで、寄付などのアクションに繋げることができるのではないか、お客様が自分の意志で寄付をしてもらうことで、私たちと一緒に社会課題の解決に貢献してもらえるのではないかと、各団体の方とお話し合いをさせていただき、協力をいただくことができました。

ー子どもたちを支援する活動はどのようなものですか?

2つの参加方法があります。1つは、お客様が保有している「オルビスポイント」を寄付、もう1つは商品購入による寄付です。あくまでもお客様一人ひとりの意志を尊重すべく、この2つの参加方法にしました。お客様一人ひとりがどのくらいの金額を、どこに寄付をしたいか、自分の意志に委ねる仕組みにしました。

当社の商品を通信販売・直営店舗にてお買い物していただくとオルビスポイントが貯まります。その貯まったポイントをお買い物のタイミングとは関係なく、お客様がいつでも好きなタイミングでポイントを寄付いただけます。寄付先はキッズドア様またはジャパンハート様をお選びいただきます。

また、お客様をはじめとした生活者と社会課題を繋げる役割として、 専用プロジェクトサイトを通して活動報告やレポート記事などの情報発信もしています。

ーお客様が主体的に寄付することで、単に寄付をして終わりということではなく、子どもたちの現状を知るという啓発的な意味合いもあるのですね?

たとえば、端数のような少ないポイントを寄付していただくなど、そんな継続性を望んでいますし、継続が大きな力に繋がっていくと信じています。

ー商品購入による寄付についてはいかがでしょうか?

ポイントによる寄付以外に、プロジェクトの第1弾として、長年愛されてきた当社の鉄分補給ドリンク「グレープFe」のパッケージを、子どもたちの絵を施した特別のデザインにしました。その売り上げの一部で、子供地球基金様を通して、世界中の子どもたちの支援を実施しています。絵の中にちりばめられた子どもたちの想像力を読み解いていただき、子どもが持つ可能性を一緒に考えてもらおうと思っています。これからも新たな取り組みを検討しています。

ー最後に、社員の皆さまへのサステナビリティ推進ついてお聞かせください。

私たちサステナビリティ推進室が中心となりサステナビリティへの取り組みを推進していますが、やはり社員一人ひとりの意識は重要だと考えています。「甲州市・オルビスの森」の植林活動などは、社員たちが家族とともに自主的に参加し、山梨県甲州市や公益財団法人オイスカの皆様と一緒に活動を続けてきました。こうした活動なども通じて、社員一人ひとりの環境問題への意識は向上していると思います。

「ORBIS ペンギンリング プロジェクト」のスタートに当たっては、パートナー団体の一つ、ジャパンハート様を招き、社員向けの講演会を開催しました。実際に最前線で子ども支援に携わっている方のお話を伺うことで社員一人ひとりが理解を深め、実感を得る必要があると考えました。この講演を通して、改めて子ども支援の問題が他人事ではなく、自分のすぐ隣にあることを体感したと思っています。

今後も、私たちサステナビリティ推進室のメンバーだけが、ひとりよがりに取り組んでいくのではなく、社員全員を巻き込んだ形で進めていくことが大切だと思っています。


今回は、オルビスさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介させていただきました。

次回からも引き続き、パートナーさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介し、「サステナブルの輪」を広げていきたいと思います。

次回の配信もお楽しみに。

編集・著作:ヤマト運輸株式会社


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