忙しい方向けの、5分で読める「コンサル一年目が学ぶこと」
コンサルティングファームに在籍しているかどうかに関わらず、1〜2年目の方におすすめしたい大石哲之さん著作の「コンサル一年目が学ぶこと」を簡単にまとめました。
若手向けではありますが、一生涯役に立つ普遍的な内容なので、おすすめの一冊です。
1. コンサル流話す技術
結論から話す
PREP(Point→Reason→Example→Point)
会議は結論から逆算して運営
Talk Straight 端的に話す
言い訳はいい。質問にはイエス・ノーで率直に答える。
イエス・ノーがはっきりすると「なぜ?」へと進める。 「なぜ?」へと進めれば、問題の所在がわかる。
できないときは、できる方法を提案する。
間違っていることは、上司やクライアントでも率直に指摘する。
社内で駆け引きをしない。
数字というファクトで語る
動かしようのない「ファクト」の筆頭である「数字」で語る。
感覚的に把握している問題を、実際に「数字」に落とし込み、「証拠」にすることで、人を納得させる。
数字とロジックで語る
世界共通言語は、英語ではなく、論理(ロジック)と数字。論理があれば議論はできる。
感情より論理を優先させる
論理さえ通っていれば、上の立場の人も耳を貸すが、曖昧なコトを感情で説得しようとする若造は信頼しない
情に訴えるには十年早い。若手は筋の通った話ができなければ、スタートラインにすら立てない。
相手に理解してもらえるように話す
まず、論理の組み立てを、「相手は何も知らない」という前提で考える。
知識がない人に説明して、理解してもらえるかどうか試す。
勝手な思い込みは無用。自分の常識は世界では常識ではないかもしれない。
相手の理解度を推し測りながら、話す
相手の仕草を観察して、察知する。
理解していないシグナル
「無言は理解」ではなく、「無言は無理解」のサイン
こちらが資料をめくって次に進んだのにまだ前の資料を見ている
こちらを見ず、隣の人の顔を見ている
「だいたいわかりました」「およそわかりました」などの曖昧な返事
相手のフォーマットに合わせる
徹底的に相手の土俵に合わせた形で伝える。
社内用語、社外用語を明確にし、相手の使う言葉に合わせる。
相手の期待値を把握する
相手の期待を超え続けることがビジネスの基本。
そのためにまず、相手の期待の中身を把握する必要がある。
求められていないことに時間を使っても、クライアントからも上司からも評価はされない
期待値を満たせないものは安請け合いしない。
時には相手の期待を下げる、期待値のマネジメントも必要。
上司の期待値を超える
報連相の基本は、その前提として、上司からの仕事の指示の内容を明確に把握すること。
上司から仕事を受ける時に確認すべきポイント4つ
その仕事の背景や目的
具体的な仕事の成果イメージ
クオリティ
優先順位・救急度
指示を出す側、受ける側双方が、共通認識を持ち、期待値を明確にする。
2. コンサル流思考術
「考え方を考える」という考え方
作業を始める前に、手順を考える。そして、その段階で合意を得る。
仕事の順番
大きな設計図を示し、手順についての合意を得る。
手順に基づいて、細部の作業を進める。
ロジックツリーを使いこなす
ロジックツリーが役立つ4つの理由
一生使える
全体が俯瞰できるようになる
捨てる能力が身に付く
意思決定のスピードが上がる
ロジックツリーによる問題解決の基本
論点を整理・分解する
各論点について数値分析をする
項目の重み付けをする
アクションに落とし込む
漏れなく、ダブりなく、論点を洗い出す(MECE)
ロジックツリーを使いこなせるようにするにはフィードバックが必要
雲雨傘 提案の基本
事実、解釈、アクションを区別する
提案や議論では、「事実」「わたしの解釈」「推奨アクション(提案)」の3つの見出しをつける
仮説思考
はじめに、予想できる範囲で、ストーリーラインを描いてからリサーチする
仮設に対する検証作業として、リサーチを行う
ストーリーに沿って、あらかじめ調べるポイントを絞り込む
「仮説→検証→フィードバック」のサイクルを回す
検証により、仮説を否定するデータが出てきたら、素直に修正し、新しい仮説を立てる。
仮説思考で意思決定のスピードを速める
仮説思考の意思決定
仮説を立て、あらかじめ結論をもっておく
現実が起こる
仮設に沿って対応する
常に自分の意見をもって情報にあたる
ビジネス能力を向上させるのは、情報量ではなく、考えること。
考えるとは、自分の意見を持つこと。
自分の意見を持って情報に触れて初めて学びの機会が生まれる
答えを知る前に、1分だけ自分で考える時間をつくる
正解にこだわらず、考え続ける
間違えることを恐れない。
正解を覚えようとしない。
本質を追求する思考
「情報」ではなく、「本質」を提示する
だからなんなのだという本質を示すことが重要
情報はあるだけでは何も役に立たない
本質を見出すには情報量ではなく、一番高い視点が必要
3. コンサル流デスクワーク術
文書作成の基本、議事録書をマスターする
文書作成の全ては、議事録書きから始まる
議事録には、発言の記録ではなく、後日の証拠となるよう、決定事項を簡潔に書く
大事なのは、決定事項のほかに、決まらなかったこと、次までにやっておくべきことを書くこと
まとめると、
決まったこと
決まらなかったこと(次に持ち越したこと)
確認が必要なこと
直に向けてのToDo(誰がいつまでに)
補足事項として、キーパーソンの意見や、簡単な経緯をまとめるとなおよい
パワーポイントは、シンプルイズベスト
パワーポイントは、シンプルイズベスト
ワンスライド・ワンメッセージ
1枚毎の基本的な構成は、①根拠となる数字や事実+②自分の解釈や主張のワンセット
エクセル、パワーポイントは、作成スピードが勝負
資料作成にかける時間が短縮できれば、その分、考える時間がもてる
ツールの操作スピードをあげることは誰でも訓練次第で可能な生産性を向上させる方法
基本的にはショートカットキーを使う
マウスを使わずに、キーボード上だけで操作する
エクセルテクニック
セルの結合を使わない
セルの行と列を入れ替える時は、「形式選択して貼り付け」→「行列を入れ替える」
他の資料からのコピペは「値」貼り付け
数字を転写するときは値で打ち込まず、「=」を使う。
関数を覚える。
早めに「ピボットテーブル」をマスターする。
パワポテクニック
図の操作はショートカットが足りないケースがあるので、アイコンメニューで徹底的にカスタマイズする。
図は使い回しができる形態で描く。
図形の上に、文字ボックスを載せるのではなく、図形内部に文字を入れる。
図形をコピーするには、シフトとコントロールキーを押しながら、横にずらす。
図形からはみ出る場合は、「描画オブジェクト内でテキストを折り返す」を指定。
テキストボックスないで改行しない。
マトリクスは、大きな□に描き線を2本十字に描くのはNG。□を四つ組み合わせる。
図形同士を繋ぐ時は、「コネクタ」を使う。
図形の高さを揃えるという機能は便利なので、覚えておく。
最終成果物から逆算して、作業プランをつくる
アウトプットドリブン
仕事を始める時点で、すでに最終成果物、最終アウトプットの骨組みを作る。
最初に、アウトプットから逆算して、必要な作業を設計する
空パックテクニック
最終成果物のタイトルだけを書いた、中身が空のパワポを作り、中身をうめていくためのタスクを洗い出す。
空パックのメリット
最終成果物がイメージできる
そのために必要な作業を洗い出すことができる
ワークプランができる
それぞれの作業を切り出して、複数人に同時に依頼することができる
うっかりがない
コンサル流検索式読書術
読書の目的を絞る、明確にする
ウェブを検索するように目次ベースで該当箇所を拾っていき、重要な部分だけ読む
なるべく多くの文献を広く浅く当たる
仕事の速さを2倍速3倍速にする重点思考
重点思考/20対80の法則
80%という大多数を決める20%の要素にだけ注目して仕事をする
売上の80%を、わずか20%の顧客がもたらしている
エラーの80%は、わずか20%の業務から発生している
組織のパフォーマンスは、トップ20%の人の働きによるところが大きい
大事なことにフォーカスして、ディープに掘り下げる。それ以外のことは切り捨てる。
大事なのは、何が重要で何が瑣末なことかについて、自分なりの判断を持つこと。それがわからないと、捨てる勇気も持てない。
プロジェクト管理ツール、課題管理表
タスク管理
番号、日付
タイトル
課題の内容
解決の方向性
ステータス
担当
期限
進捗ミーティング
新しい課題があれば追加
課題が複雑化していれば、細かく分けるなどの調整
担当者と期限を決める
解決の方向性、アウトラインを決める
4. プロフェッショナル・ビジネスマインド
Valueを出す
他人に対する貢献ができ、相手がそこに価値を感じてくれた時、その仕事にはValueが生まれる。
自分がやりたいことではなく、相手が求めていることをする
他人に貢献することを仕事のゴールにする
喋らないなら会議に出るな
会議で発言しない人の価値はゼロ
沈黙は無。黙っていては何も生み出せない。
「時間はお金」と認識する
自分の労働にはお金が発生していることを意識する。
試行錯誤を重ねるうちは、失敗はつきもの。スキルがないなりに、プロフェッショナルとして、最大限の努力をしているか?
スピードと質を両立する
時間をかけないといいものはできない、は嘘。スピードを追求すると、質も上がる。
早い段階でたたき台を出して、それを改良していくPDCAサイクルを高速で回す方が、むしろ質は高まる
Quick and Dirty
素早く、汚く。完璧でなくてもいいから、早く出す。
何も出てこない、という事実自体が貴重な発見。「この方向ではうまくいかない」と気づくことができれば、すぐに軌道修正ができる。
時間をかけずに、まずは大枠の方向性を決める
チーム一員の責務として、リスクは早めに開示する
コミットメント力を学ぶ
一度約束したことは、何があってもやり遂げる。それがコミットするということ。
どんな状況でも、言い訳しない。自分が約束したことは必ず守る。
方法は問わない。人の手を借りてでも、約束を果たすことを最優先する。
コミットする対象は、常にクライアント。クライアントを起点に考え、彼らの求めるものを約束どおりに実現する。
がんばることにコミットしてはいけない。
社内の上司にコミットしてはいけない。
仕事の成果に対してコミットすること。
常に自分が貢献する相手にコミットメントをもつ。
コミットメント力を高める方法
仕事内容に納得していること
自分でこの仕事を選んでいる、という意識がコミットメントを高める。
コミットメントが高い組織にいること
コミットメントの低い人の影響をなるべく避けることが重要
コミットメントは伝染する。
どうしてもコミットできない環境なら、ときには仕事を変えてみる
転職をおすすめする2つのケース
社内全員にコミットメントがないことに気づいた場合
その会社を選んだことに納得をしていない場合
師匠を見つける
若いうちは、どのような仕事をするかより、誰と仕事をするかのほうが大事
人格的に、能力的に、この人だと思う人の影響を受けるのがよい
言語化できない暗黙知の部分を学ぶことがプロフェッショナルにとって大事
仕事にも応用できる「守破離」
守:師匠の一挙一動を真似る
破:師匠と違ったやり方を覚え、幅を広げる
離:師匠のやり方を超え、独自の技を生み出す
フォロワーシップを発揮する
リーダーがリーダーシップを発揮するのを期待するだけではダメ。フォロワーシップを発揮しにいく。
リーダーの提案をサポートするために周りを巻き込み、必要なことを考え、自主的に動く
最初に提案をするのは、リーダーの役割。その実現のために、率先して自主的に動くのがフォロワーシップ。
リーダー1人では、ムーブメントをつくることはできない。どんな大きなムーブメントも、最初のフォロワーが重要となる。
よきチームにはよきフォロワーがいる。
プロフェッショナルのチームワーク
プロフェッショナルのチームワークとは、全員が、違う分野で価値を発揮すること。まずは今自分にできることを起点に考えて、チームに貢献できる分野を探す。
たとえ限定的な役割だったとしても、何らかの形で価値を発揮し、役割を担う必要がある。
チームワーク=分業。誰が欠けても成功しない。それぞれの担当分野で全員が価値を生み出すこと。
人とは違う役割を果たす。同じ役割を果たす人は2人もいらない。
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