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【バレンタインデーの思い出】

毎年この時期になると、バレンタインデーの「チョコレート獲得大作戦」のことを思い出す。現在は時代の波に飲まれて、私が経営していたその舞台(田舎のスーパーマーケット)はもう無い。「むかし話」だと思ってお許しをいただきたい。

当時店舗数も10以上、従業員も300名超、中途半端な規模とはいえ、社長である私に届くチョコレートの数が、売り上げが低い店の店長に負けることは許されないのである!(どうでもいいじゃんw)

👤私は策を巡らせる…。
「社長はアーモンドの入ったチョコレートが好きらしい。そしてホワイトデーのお返しは10倍返しだって!チョコの値段は問わないらしいよ」

あらかじめ袖の下を渡しておいた「パートの親分」を経由して、その情報を彼女のシンジケート(工作員)から全店に広めてもらった。

作戦は見事に成功し、従業員300人中の7割が女性として約200人、その半分の100人からバナナ箱に入ったチョコが私の元に届くのだった。そんな習慣が今から20年以上前から、(会社が潰れる今から6年前まで)続いていた。もちろん栄光の第一位は、最後まで私の「指定席」だった。


専務や営業部長も同じ手を使ってチョコの数を水増ししようと企てたが、そんな姑息な手に負ける様な私ではない!早めに彼らのお返しの情報を入手し、それに勝るお返しを決めるという「後出しジャンケン」が出来るのも社長の特権である。

パートさんから届くチョコの平均単価は100〜200円程度、「アーモンドが好き!」と言っても届くのは店で買った「ピーナッツチョコ」である(^^;。もちろんラブリーなメッセージもなく、付箋に書かれた「店舗名と氏名」が貼ってある。しかしそんなことは問題ではない。「社長が一番の人気者」であることが大切なのである。

ちなみにホワイトデーのお返しは、店のテナントの花屋に頼んだブーケや、雑貨商に頼んだポーチなど店の売り上げになるものにする。そして金額は一人1,500円程度と10倍返し。数年先には「いくらのチョコをあげてもお返しは同じだから、安いチョコにした方がいいよ!」と良くない噂も流れた_| ̄|○


☝️スーパーマーケットのチョコレートは、バレンタインデー「当日」が一番よく売れる。

今でこそ「義理チョコ」や「みんなでまとめて」みたいなのはなくなったが、一昔前は当日の昼休みに間に合わせで買いに来るお客さんが多かった。後はバレンタインデーを忘れていたお母さんが、パパにあげるためのウイスキーポンポン(古っ)を晩ごはんの材料と一緒に買っていくパターンである。

最近では「ハロウィン」や「恵方巻き」に押され気味の「バレンタインデー」「ホワイトデー」だが、コミュニケーションの一環で(みんなが承知の上で)楽しんでいたこの習慣が、懐かしくもある。

👤事実、私の会社が潰れた翌日も(給料が出るかどうかも分からないのに)、普段通りに出勤して「さあ社長、ちゃんと片付けて店を閉めようね!」と笑ってくれたパートのおばちゃんたちの顔が、今でも目に浮かぶ🙏🏻

#貰ったチョコは近所の保育園にプレゼント
#エビで鯛を釣る


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【小林 久ホームページ】

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